芥川・直木賞発表 芥川賞にピース又吉直樹さん。

<江戸歴史文化検定への道>
◆江戸検模擬問題①
問1 幕府の鎖国制は、寛永( )年から16年にかけて、五次にわたり触れだされた一連の鎖国令により確立した。では( )に入る数字はどれでしょう?
(い) 8 (ろ)9 (は)10 (に)11
正解は(は)10(博覧P23)。寛永10年(1633年)の第一次鎖国令から海禁政策(奉書船以外の日本船の海外渡航禁止)が進められ、寛永11年(1634年)長崎出島の工事開始(1636年完成)、寛永12年(1635年)日本人の海外渡航・帰国の全面禁止、寛永16年(1639年)ポルトガル人の来航・居住が禁止され、ヨーロッパとの通商をオランダ一国とし、平戸から長崎出島に閉じ込めた。

問2 江戸城天守は3度建てられていますが、建てられていない年号はどれ?
(い)慶長 (ろ)元和 (は)正保 (に)寛永
正解は(は)の正保(博覧P59)。3代将軍家光が完成させた江戸城天守は5層で金の鯱鉾をいただき、高さは基壇を踏めると、約61mで秀吉の大阪城より、一層分高い。慶長12年に家康の時に5層の天守が完成した。明暦3年(1625年の明暦の大火(振袖火事)で、江戸城本丸等焼失。その後江戸城天守は再建されなかった。慶長、元和、寛永の三代将軍時に建て替えられた。

問3 安政5年欧米諸国と修好通商条約が結ばれました。この条約には、各国の公使等の外交使節を江戸に駐在させることが含まれていました。その為公使館が寺院に設置されましたが、アメリカの公使館は次のどれでしょう?
(い)東禅寺(ろ)済海(さいかい)寺(は)広岳寺(に)善福寺
正解は(に)の善福寺。(い)の東禅寺はイギリス。(ろ)の済海はフランス。(は)の広岳院はプロイセン。大石学監修(洋泉社)の「なぜ、地形と地理がわかると江戸時代がこんなに」・・より。

<今日のニュース>
◆芥川・直木賞発表 芥川賞ピース又吉直樹さん
 第153回芥川・直木賞受賞作の発表が行われ、芥川賞ピース又吉直樹さんの「火花」、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」が選ばれた。直木賞東山彰良さんの「流」が受賞した。
◆大雨・暴風に警戒 台風11号今夜にも四国上陸へ
 大型で強い台風11号は今夜にも四国地方に上陸する見込み。その後は動きが遅くなる予想で影響が長引くおそれがある。台風の勢力は衰えておらずこのあと台風進路にあたる西日本では今夜猛烈な雨風が予想される。風の予想は今夜四国や近畿などに猛烈な風が吹く見通しで、予想される風の強さは四国・中国・近畿が45〜50メートル。西日本の湾では高潮のおそれもある。あすにかけ台風は速度をあげないため、日中も強い風が吹き続くとされる。これまでの雨で地盤が緩んでいるところがあるが、そこにさらなる大雨が降る予想。近畿や四国では災害を招く大雨の予想のため、自宅の2階、斜面からは離れたところで過ごすよう伝えた。今後は東日本や西日本の広い範囲に雨が降る恐れがある。
◆最後まで与党vs野党 “安保法案”衆院本会議で可決。
 きょう午後1時衆議院本会議で野党は安全保障関連法案採決は強行だと抗議し、「採決そのものを認めない」と退席した。そして、自民・公明などの賛成多数で可決された。小泉進次郎議員は法案を憲法違反と指摘した学者らを自民党議員が批判したことに苦言を呈した。

<7月16日生まれの先人の言葉>
福田康夫(政治家)
 ・これが政治家というものなんだ。あなた達とは違うんです。
●6代目桂文枝(桂三枝)(落語家)
 ・後になって「あのときやっておけばよかった」と思っても、後悔先に立たずで、 改めてやろうとしても大変です。それなら、とりあえずやってみる。もしそれが失敗であっても、 自分がやると決めて やった結果ですから、反省はしても、後悔しないはずです。

<本の紹介>
寺島実郎「新・観光立国論」(寺島実郎著・NHK出版)http://d.hatena.ne.jp/asin/4140816783/hisatunenet-22
 人口減と高齢化へ向けて異次元のように進行する日本は、モノづくり国家を超えてサービス産業の高度化を図らねばならない。その中核は観光産業の隆盛である。これがこの本の主旨である。
 ・移動と交流という思想。人類は移動によって進化してきた。グレートジャーニー。適者生存。移動は人間を賢くする。刺激を受けて知恵がついていく。移動と交流によって自分を磨き、眼を開き、世界観を進化させる。移動は消費を促す。
 ・創造的観光。変化とドイドキ感。聖地巡礼。宗教的寛容さ。古今東西の文化の混合。安全と治安。クールジャパン。歴史意識を広げる旅。インダストリアルツーリズム。幸福探究ツーリズム。創造的な物語。体系。
 ・4つの課題・国際収支の天井(脱工業化社会。リーディング産業。食とエネルギーの外部依存の低下。工業生産力モデルの限界。日本の貧困(中間層の没落。行動と学びの欠如。)、異次元の少子高齢化の進行(人口減少化のビジネスモデル。コンパクト・ネットワーク。)
 ・グローバル化の中で移動と交流によってネットワークを形成し豊かになっていく。移動は活力をもたらし、人間を賢くする。進化の鍵は驚きを覚える力。気づき。二地域居住。非日常生活の体験と追及。解放感の中で驚きの発見による進化。驚きとはつながりを理解する知性。歴史と空間と物事のつながり。時間軸と空間軸。相関関係と相互依存関係。外は広く、内は広い。
 ・立体的な相関。ダイナミックで立体的なクラスター。統合と総合。ビッグデータ時代。サービス・エンターテイメント産業。異なる地域を結び、歴史を掘り下げていく。付加価値。
 ・移動と交流という思想(移動と交流は人間を賢くし活力をもたらす)。驚きを覚える力。旅の遺伝子。移動と交流(観光)による経済の活性化。二地域居住などの多様なライフスタイル。観光と定住の中間形態。
<参考>「観光立国への戦略的視座」(寺島実郎
・「移動と交流」が人類を進化させ、人間を進歩させる。刺激を受け、考える、そして賢くなる。
・移動は人間を賢くする、という哲学。
生命科学の進歩。人間とチンパンジーのDNAの差はわずか1.2%。それは言語、意思疎通にかかわるもの。人間は環境適応動物。
・6万年前にアフリカから人類のグレートジャーニーが始まった。旅する遺伝子。3.8万年前に日本列島に到着。この1万年が人類を進化させた。5300年前のアイスマンの真実。2500年目のブッダ孔子、2000年前のキリストの登場。倫理、道徳など利他の概念。この100年間の研究では、知能指数は高くなっているが、知性は劣化しているのではなきか。知性とは課題解決力。
・グローバルヒストリー。日本の社会科学に欠けているのは歴史認識。近代史のブラックアウト。国境を超えた視座。地球全体の全体史。
・和・漢・洋の教養。特に、和と漢。
・17世紀オランダ論。92歳のキッシンジャー遺書ともいうべき「ワールド・オーダー」。1648年のウエストファリア条約以来400年ぶりの秩序変更期にある。
朝鮮通信使、中国との国交なき交易、沖縄・琉球儒学(白石・徂徠。丸山真男との格闘)、国学宣長小林秀雄との格闘)、蘭学
写楽はオランダ人か。浮世絵でさえも移動と交流の中で完成していった。中国の版画、オランダの銅版画の影響を受けている。
・現代における「移動と交流」。日本はもうアジアの先頭ではない。急速な貧困化の進行。中間層の没落が特徴。製造業・建設業からサービス業(+471万人)への転換。失業率は減ったが、所得は減少。サービス産業の高度化が必要だ。リーディングヒッターは「観光」。ハイエンド・リピーターを引きつける統合型リゾート(IR)が必要。サービス産業を支える高度人材の育成。ハイエンド観光人材。サービス産業人材。