『便利グッズからビールまで 日本一!ホームセンターの独自戦略』カインズの土屋裕雅社長の戦略。小渕経済産業相 平成24年の「観劇会」世辞資金収支報告書に収入・支出記載されず“知らなかったでは済まされないという思い”

◆『便利グッズからビールまで 日本一!ホームセンターの独自戦略』(2014年10月16日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京カンブリア宮殿」より
 群馬県伊勢崎市のカインズホーム は開店と同時に多くの客が来店し、フライパンだけで40種類など商品数は10万点にのぼる。またカインズホームオリジナル商品はメーカー品よりも価格も安く、商品数は総品数の約1割を占める。中には「パンクしにくい軽快車」、取っ手がついた「楽カケ洗濯ハンガー」、「ごはんがつきにくい茶碗」といったアイデア商品もあり、新商品は毎週毎に売り場に投入されるのでリピーターが続出中。ホームセンター別の売上高ではカインズホームが日本一を誇り、全国に194店舗を展開。土屋裕雅社長がオススメするのは昨年にグッドデザイン賞を受賞した「後ろに倒れにくいフルフラット座椅子」で、10万台という大ヒットを飛ばしている。社長は増税となった際に商品の価格を従来通りに据え置くなど安さに並々ならぬ執念を持っている。
 埼玉・本庄市のカインズ本社にある商品開発フロアでは150人の担当者が年間で9000点の新商品を生み出していて、土屋裕雅社長は商品の仕上がり具合を制限時間3分で説明を受けている。社長は年間数万点の開発商品に目を通し、ゴーサインがでなければ商品化はされない。また全国のカインズで働く1700人のパートや社員が本社に集結し、新商品の展示会を開催して現場目線の意見を募っては商品に反映させている。中にはパート従業員の意見から生み出された商品もある。
 群馬・伊勢崎市のカインズホーム 伊勢崎店などの各店では毎月の売上高目標を達成すると社員だけでなくパート従業員にも報奨金が出る。中身は売上高によって変化するため、従業員は開封するまでお楽しみだという。土屋裕雅社長は現場の声に謙虚に聞いて経営に生かし、お客の生活を変えるために頑張るとコメント。土屋社長は、従来は仕入れが中心だったが、プライベートブランドの開発にシフト。その際に開発のためにパート従業員や社員から現場目線の意見を募り、売上目標を達成した店の従業員には報奨金を出すことで社員らモチベーションアップに繋げている。
 カインズの土屋裕雅社長は群馬・前橋市にあるベイシアグループ本社を訪れた。カインズはベイシアグループの1社で、売り上げトップを誇る。グループ会社の創業者である土屋裕雅氏は土屋社長の父親で、高度経済成長期にあった1978年にカインズの前進であるいせやホームセンターを開業。その際に商品は必ず売り切るというポリシーを掲げ、例えばカインズホーム 四日市店で売れ残った米袋は収穫時期が遅い群馬・前橋市にある前橋みなみモール店に搬送して販売している。ベイシアグループの創業者である土屋嘉雄氏は売ることに徹して製造には参入しないとしてきたが、土屋裕雅社長は中国の展示会で自社の販売品と同等の物が物凄く安かったことに衝撃を受けてその方針に背いて自社製造に踏み切った。だが中国の製造工場とのトラブルでリコール事件が発生し、社長は高品質で安心安全な商品開発を目指してきた。2012年に巨額の資金を投じて本社を建設し、商品品質部では商品化前に耐久性を検査している。その際に厳しい基準を設定し、リコール商品を展示することで過ちは繰り返さないと社員に徹底させている。消費者も海外製品と比較した上で安心安全なカインズブランドの商品を手に取るなど、品質の高いプライベートブランドは客の心を掴んでいる。土屋裕雅社長の就任以降、カインズの経常利益は2.4倍に増加。
 ネット通販の台頭でホームセンターの市場規模は足踏み状態が続く中、カインズホーム 千葉ニュータウン店では職人が現場に向かう前の時間にオープンしている。さらに商品も専門性を高めていて、夫婦で造園業を営む田久保さんも好んで足を運んでいる。夫妻は購入した資材を積載すると現場に向かい、早速商品を活用していた。依頼者もカインズの品を愛用しているという。カインズではハンモックや腹筋マシーンなど体験できる商品をその場で試せるようにディスプレイしていて、サイクル担当の新谷隆広さんなど店には専門家が常駐しているので商品のメンテナンスも引き受けている。そして電球一個の取り付けからの依頼も受けていて、飯村祐介さんは依頼者のお宅に出向いてウォシュレットの交換を行った。カインズの土屋裕雅社長はネット通販の中でもアマゾンの台頭に危機感を見せていて、カインズにしかない商品を開発するなど差別化を目指してきた。さらに店舗では商品の価値を試すことができるなどリアル店舗ならではの長所を生かしていて、社長はちょっとした工夫やデザインの変更に全力で取り組むことが大事とコメント。
 収録を終えた村上龍はカインズについて、「土屋社長はライフスタイルという新しい概念でホームセンターに新風を吹き込んで快進撃を続けている。地方の再生は政府主導では実現せず、地域性の高いカインズの経営者と従業員、客の信頼と連帯の広がりによって生まれる」と評した。

<今日のニュース>
◆小渕経済産業相 平成24年の「観劇会」世辞資金収支報告書に収入・支出記載されず“知らなかったでは済まされないという思い”
 小渕経済産業相の後援会などが開催した「観劇会」をめぐり収支が大きく食い違った問題で、政治資金収支報告書に収入・支出記載されていなかったことがわかった。衆院経済産業委で観劇会について、近藤洋介衆院議員などから追及され小渕大臣は”知らなかったでは済まされないという思い”と語った。またベビー用品購入の支出についても今井雅人衆院議員などから追及された。野党からは、説明責任を果たすべきだと語った。一方、松島法相が選挙区で「うちわ」を配ったのは公職選挙法に禁じられた寄付にあたると追及されている問題で、民主党階猛副幹事長は東京地検に告発状を提出した。