12月21日に決まる。これからの姿。

◆再就職、江戸から京都へ、小説をはじめとする原稿を、起業、行政書士、ボランティアなどなど頭をよぎることはたくさんあるが、これから整理していきたい。あまり時間はないが、今月中にはある一定の方向を出したい。これからの私のテーマをどうするのか。でも、江戸検一級の結果次第である。昨年、一昨年をみていると、21日に結果が出ているいるが。今年は合格を期待しているのですが。結果が出るまでは不安です。

<6年目前の今日のブログから)
◆歌舞伎の中村勘三郎さんが死去(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20121205

◆2018年12月5日放送 19:00 - 22:00 TBS「緊急!池上彰と考える ニュース総決算!2018 ニッポンが”危ない”」より
池上彰が警告する近い将来日本を脅かす7つの危機。未曾有の人手不足。記録的な不漁で魚が値上げ。日本の“働き方”の末路。日本にごみが溢れる?
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「日常が通用しない自然災害」
 9月に平成最強クラスの台風が全国を縦断し、各地で被害が続出した。高潮に飲み込まれた関西国際空港には約3000人が取り残され、連絡橋には巨大タンカーが衝突した。また、塩害による火災をも引き起こした。大阪、北海道を大地震が襲った。北海道では大規模な山崩れや液状化現象がいたるところで発生し、大規模停電が発生した。7月には平成災厄の水害“西日本豪雨”が発生した。
今年はこれまでの常識が通用しない平成最悪といわれる自然災害が数多く発生した。全国で被害に会った人たちに役立ったものは何か、身を守る方法などを取材した。9月関西地方を襲った台風21号で、被災者の困ったこと・学んだことについて聞いた。Q.外は激しい風。室内でより安全に過ごすために推奨されている行動とは?正解はカーテンを閉める。激しい暴風は周囲のものを吹き飛ばす。カーテンを閉めていればクッションとなり窓ガラスの散乱を防ぐ効果がある。雨戸は風が強くなる前に閉めておく。
 9月、北海道胆振東部地震が発生し、札幌市では液状化現象が発生した。被災者に地震発生時について聞いた。Q.自宅にいる時大きな地震が発生、比較的安全な場所はどちらでしょう?Aトイレ、B玄関。正解はBの玄関。柱に囲まれた狭い空間が安全ということからトイレに逃げ込むのは古い常識。落下物も少なくすぐに脱出できる玄関の方が比較的安全。
 西日本豪雨の被害で岡山・倉敷市真備町地区では町の3割が浸水した。床上浸水で被害にあった人に聞いた。Q.実際の避難時に行うべきではないものを全て選べ。A用水路を見て避難、B長靴を履いて避難、C車で避難。正解は全て行なうべきではない。床上浸水が始まっている段階で用水路や河川の様子を見にいくのは危険。長靴は中に水が入ると非常に歩きにくい。車は推進30センチでもエンジンが止まる場合がある。
 車外はごと浸水して逃げ遅れてしまったケースが多い。Q.水害で車が浸水。水圧でドアが開かないとき比較的簡単に車の窓ガラスを割る方法は何か。正解はヘッドレストを使って窓ガラスを割る。ヘッドレストの2本の棒を使っててこの原理で窓ガラスを割る。
 西日本豪雨発生から5日後、岡山県は行方不明者の実名リストを公表した。しかし、無事でいるのに行方不明者扱いとなっている人が続出した。事前に家族・知人と緊急時の連絡方法を準備しておくことが大切。Q.災害用伝言ダイヤルは何番か。A125(いずこ)、B194(いくよ)、C171(いない)。正解はC171(いない)。災害用伝言ダイヤル阪神・淡路大震災を契機に開発され、1998年にサービスを開始した。自分は無事というメッセージを預かってもらえる災害時でもつながりやすい特徴を持つ。
 今回の西日本豪雨で注目されたのが「ハザードマップ」。河川が氾濫した場合どこがとれくらいの水位で浸水するかを示したもので、最大級の被害を予測している。今回甚大な水害があった、岡山県倉敷市真備町ハザードマップと実際の浸水エリアを比べて見ると、ほぼ予測通りの被害だった。ハザードマップにある矢印は避難する方向の目安。もう一つのハザードマップといわれる「内水ハザードマップ」は下水道の排水能力を超える降雨によって浸水が広がる範囲と深さを想定したもの。
 最近まで多くの人が暮らしていた岡山県倉敷市真備町で、避難時に持ち出すべき物について聞いた。Q.緊急避難時に優先的に家から持ち出すべきものはどれか。A水や食料、B薬やメガネ、Cハンコや通帳。正解はB薬やメガネ。水や食料は避難所である程度確保できる。大手銀行などでは身分証明書があれば災害時にお金をおろすことができる場合もある。代用できない個人的な物は持ち出せるようにしておく。西日本豪雨の被災者に避難生活で役に立った物について聞いた。Q.どの家庭にもある色々なことに役立つ“日用品”とは?正解は食品用ラップ。皿の上にラップをし、食事を盛る。食事が済んだらラップをはがして捨てると食器を洗わなくてOK。お腹に新聞を巻き、その上からラップを巻く。ラップは保温効果がある。ラップをひねって巻くとロープの代用になる。他にも怪我をしたときの絆創膏になる。くしゃくしゃにしたラップは食器用のスポンジにもなる。ラップは元々1900年代にアメリカで軍事用に開発されたもので、銃器や弾薬を湿気から守るなどしていた。
 西日本豪雨の発生からまもなく5か月。交通の妨げになっていた災害ごみはきれいに片付いていた。一時300人以上が避難生活をおくっていた岡田小学校は先月閉鎖され、被災者は仮設住宅へと移っている。被災住宅のリフォームを行っている女性がいた。Q.女性が被災直後、家の様子を見に来たとき“真っ先に行ったこと”は何か?正解は家の被害の写真を撮る。罹災証明書の申請には被災した家の写真が必要不可欠。証明書が取りやすい写真は、被害状況がわかるように外側3〜4方向から撮る。家の中も被災したそのままの状態を複数枚撮る。罹災証明書は義援金の受け取り、家の修繕費の受け取り、仮設住宅の入居などができる。罹災証明書には意外な活用法がある。レンタカーが無料になったり、水族館の観覧が無料になったりする。民間でも罹災証明を活用したサービスがある。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「魚の値上げが止まらない」
 今年は魚の値上げが続いた。7月、うなぎの卸売平均価格が1年前の約1.5倍になり、イカは不漁が続き2か月で4割アップした。さらに、キハダマグロの価格も上がっている。毎年10月、青森県八戸市はサバ・イカイワシ漁の最盛期を迎えるが今年は不漁。八戸港のサバ水揚げ量は例年の6分の1に減少したという。サバ缶は品薄状態になっている。日本全体の漁業・養殖業生産量は年々減少している。価格高騰のウラに超大国の覇権政策があった。
 10年後の魚の値段はどのくらいになっているか予想する。寿司ネタがスタジオに登場。しらすは1つ今の5倍、2000円ほどになる。こはだは今の10倍の1500円になる予想。その他の寿司ネタも値上がりし、身近だったはずの魚は10年後高級食材になっているかもしらない。値上げが止まらないのは、世界中の人が魚を食べるようになったから。ひとつのきっかけはBSE問題。30年間で各国の食用魚介類の消費量は世界全体で2.8倍増加している。中国は約4倍に増加している。日本近海で魚が採れなくなったのは中国の爆食事情にあるとされている。
 中国“爆漁”の実態を取材。2016年、水産庁の取締船に密着取材した。日本の海域近くの公海に50隻以上がひしめき合っていた。中国漁船はここ最近、日本の海域付近で公海で操業している。中国は遠洋漁業に力を入れている。中国“爆漁”の実態を取材。中国漁船は日本では許可されていない光度の強い集魚灯を点灯し海面近くの魚を爆獲りしている。獲れた魚は船で冷凍し、他の運搬船が本国へ運ぶため、春から冬まで同じ海域で操業している。中国政府は遠洋漁業船に補助金460億円を拠出している。遠洋漁業の拠点のひとつとなっている青島を訪ねた。港は魚で溢れていた。市場では世界中で獲れた魚の取引されていた。1日に取り扱う水産物は1180トン。中国政府は2020年までに漁獲量16%増を目指している。中国全土で魚ブームが巻きおこっている。SNSに投稿されたエビ食べ放題の映像では中国人がエビを爆食している。中国の日本料理店は2013年から約4倍に急増している。さらに、マグロなどの刺身を出す中国料理店が急増している。ある家庭では刺身に火を通して食べていた。中国の1年間の魚介類消費量は2015年世界全体の35%で、2030年までに43%に達する見通し。日本ではサンマが不漁になる年が増えている。その背景には日本近海での中国船の乱獲がある。中国の乱獲海域は日本近郊だけでなく、エクアドルモーリタニア、太平洋ではクロマグロの乱獲など世界中に広がっている。中国の乱獲に対する新たな試みがある。中国の爆獲りに対抗して、日本は養殖でなんとかならないかとしている。うなぎは数が少ないなら大きく育てるといううなぎの太化が行われている。うなぎは稚魚のシラスウナギの不漁により販売価格が高騰している。太化うなぎはえさの量と質を調節することで大きくても身の質はやわらかくなってる。
 日本が進める新たな養殖技術「サーモンの陸上養殖」を紹介。サーモンの陸上養殖は汚れた水の入れ替えにコストがかかりなかなか実用化できずにいた。千葉県のFRDジャパンが独自のろ過技術で水の入れ替えが必要ないサーモンの陸上養殖システムを開発した。コスト削減の結果、海で養殖されたサーモンと同じ価格て提供できるようになった。
 今年7月、漁獲規制が強化されたクロマグロ。そこで注目されたのがスマという魚。スマはインドネシアなどに生息するサバ科の回遊魚で身の味は全身トロと言われるほどマグロに近い。和歌山県愛媛県んがスマ養殖に成功し、クロマグロの代用魚として期待されている。日本は1980年ぐらいまで、世界中で魚を獲り猛反発を受けた。1982年に排他的経済水域の採択が行われ、日本の漁獲量が減っていった。乱獲に対して乱獲で対抗するのではなく独自の取り組みが必要、世界全体で資源を守っていく取り組みが必要になる。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「相次いだパワハラの告発」
 今年はパワハラの告発が多かった。1月、レスリン栄和人氏がパワハラで告発され、その後反省していないと大学の監督を解任された。8月、アマチュアボクシングの山根明終身会長が告発された。8月には体操界、9月には箱根駅伝の名門・日体大駅伝部の監督にもパワハラ問題が発生した。企業でもパワハラが増え、パワハラ相談件数は増加している。先月、厚生労働省は企業に対し、パワハラ対策を義務づける方針を示した。
 今年はパワハラ告発が相次いだ。アメリカでは♯Me Too運動で世界的にセクハラ告発ムーブメントがおき多くの女性が声をあげた。日本はパワハラを生み出しやすい日本型組織。日本の会社はピラミッド型組織、トップダウンとなっている。かつて日本のサラリーマンはモーレツ社員、企業戦士などといわれ、絶対的権力を持つ上司と、絶対服従の部下という縦割りとなっていた。日本の組織作りが世界から絶賛されていた時代もあった。ベストセラーとなった「Japan as No.1」では日本型経営が高度経済成長をもたらした、アメリカは日本を鑑とすべしという内容。かつて世界から称賛されたモノは、1962年冷蔵庫、1956年洗濯機、1958年白黒テレビ。1976年、日本ビクターは家庭用VHSビデオデッキを発表。1977年オートフォーカスカメラ、1985年ラップトップ型パソコンなど日本企業は世界初を産み出してきた。世界が驚いたのは1979年ソニーウォークマン
 ウォークマンが開発されていた当時、ソニーの社内では会長の盛田昭夫氏の命令で下の社員が試行錯誤しながら開発を進めていた。ピラミッド型の指揮命令系統の中で良いものが作られていくという時代だった。平成元年、世界時価総額ランキングは10位までに7社が日本の企業だった。上位50社のうち32社を日本企業が占めていた。
 Googleの元人材開発担当のピョートル・フェリクス・グジバチはピラミッド型組織で世界を席巻した日本企業は今や時代遅れだと指摘する。ピョートル氏は、このままでは日本経済を滅ぼす、そもそもピラミッドはお墓、ピラミッドの中で働く人は死体も同じ、だとしている。スマートフォンの登場で、日本企業が世界に先駆けて作ってきたものの数々が全部スマートフォンで済んでしまうようになった。2018年の世界時価総額ランキングで50位以内に入っているの日本企業はトヨタ自動車だけとなった。今年の流行語大賞にノミネートされたGAFAGoogleAppleFacebookAmazonのこと。GAFAは日本が誇るモノづくりではなく、コトづくりで成長を遂げてきた。
 企業に求められているのは「いかに早くアイデアを出し商品化できるか」。それを学ぶ為に「Facebook」を取材した。「Facebook」は2004年にマーク・ザッカーバーグが創業。フェイスブック社の敷地内に一歩足を踏み入れると、そこに広がっていたのは、まるでひとつの街のような光景だった。気持ちのよい木漏れ日が降り注ぐ並木道。ここで、世界中から集まった頭脳、1万7000人が働いているのだ。フェイスブックには、日本でいう「就業時間」は存在しない。仕事をこなしていれば、好きなスケジュールで働くことができる。日本の場合、部署ごとに決められた席に座るのが一般的だが、フェイスブックでは仕切りのない巨大なテーブルで、思い思いに好きな席に座って仕事をする。オフィスを出て外にあるソファーや、テラスで日光を浴びながら仕事をする人もいる。フェイスブックには、仕事の大きな指針が3つある。それは「インパクトのあるアイデアを生み出したか」、「自分のアイデアにいかに人を巻き込んだか」、「他人のアイデアをいかに助けたか」。アイデアをスピーディーに実現させる仕組みもある。3カ月に1度、全社員が参加可能なアイデアコンテストを開催。誰でもアイデアを経営陣に直接プレゼンできるチャンスがあるという。
 Facebookの組織とはどんなものか、スタジオで池上彰が解説。日本はピラミッド型だが、FacebookはCEOが1人いて、他の社員は平等である。このあとFacebookの組織づくりを支える「役職」について紹介する。フェイスブックの環境づくりでカギとなるのが「コーチ」と呼ばれる人たちだ。彼らは決して上司ではなく、社員同士の話し合いが行き詰まったときに助言をしたり、時にはプライベートな相談にものったりする。働きやすい環境づくりのためのアドバイザーだという。先進的に見えるフェイスブックの働き方も、彼らにとっては、まだ改善の余地のある未完成なもの。革新的なアイデアを生み出す環境から、これからも、新たな働き方のアイデアが生まれてくるかもしれない。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「プラスチックごみ問題」
 4月、南北首脳会談が行われ、2ヶ月後には史上初の米朝首脳会談が現実となった。イギリスではヘンリー王子とメガン・マークルさんが結婚し、10万人以上が祝福した。7月タイの洞窟で少年ら13人が遭難し、世界各地からダイバーが集結した。
 世界が報じたニュースの中から池上彰が注目したのは「プラスチック製ストロー廃止」。7月スターバックスが2020年までにプラスチック製ストローを廃止すると発表した。すると、世界中で廃止への動きが拡大した。きっかけはコスタリカの海でウミガメの鼻にプラスチック製ストローが詰まっていたこと。プラスチックごみは年間800万トンが海に流出していて、海洋汚染を引き起こしている。1人あたりの使い捨てプラスチック廃棄量で日本は世界第2位。大量のプラスチックごみを海外に輸出している日本。事業ごみは分別するための人件費が非常にかかるため、人件費の安い中国に輸出している。人件費が安い中国はプラスチックを石油から作るより、輸入したごみを分別してリサイクルする方が安い。日本は中国にごみを輸出していたが、中国は分別に使う洗剤が河川に流出し、深刻な環境汚染が起きたため輸入を禁止した。日本は輸出できなくなったごみが増え、埋め立て可能な最終処分場は約4割が5年後にいっぱいになると算出されている。過去には江東区がごみ処理場として選ばれており、それを杉並区に移そうとすると、ごみ戦争と呼ばれる紛争が起きた。スウェーデンは徹底した分別でごみは資源になっている。町のゴミ箱はプラスチック・金属・ビン・紙・新聞などの全部で6種類に分けられ、一般家庭では7色のごみ袋を使って分別している。分けらたごみは集積場で色ごとに機械が分別し、新聞・雑誌ごみは卵パックなど紙製品に再生されるなど利用されている。また、ごみを燃やす時に出た熱で電気を作っている。焼却灰は加工して肥料や建材などに再利用している。地区によっては、下水からできたビールを販売しているパブもある、と紹介された。リサイクルがうまく行き過ぎているスウェーデンでは、海外から発電で使う燃えるごみを年間200万トン以上受け入れており、処理費用1トン当たり約8000円受け取っている。スウェーデンでは幼稚園からごみの分別を教えているほど、日常生活に当たり前となっているという。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「水道法改正案」で何が変わる?
 「水道法改正案」とは、水道事業の運営を民間企業が行うことが可能になるというもの。日本以外で水道水を直接飲める国は8か国しかない。海外では飲料水は購入するもの、という考え方である。水道事業の民営化は、以前から海外では行われていたが、様々なトラブルが起きている。民営化により「水道料金の高騰」、「水質悪化」などの事態が予測される。それなのに日本が民営化に踏み切らなければならない事情があり、このあと老朽管取り替え工事の現場を紹介する。
 日本の水道事業が抱える問題は、耐用年数を超えた「老朽管」である。水道管の取替工事には多額の費用がかかり、20メートルあたり約252万円かかるという例が紹介された。老朽化された水道管を全て取り替えると、日本で総額10兆円以上となる試算もある。赤字運営の地方自治体は全国の3割あり、民間の力を借りたいというのが現状である。
「水道法改正案」で、日本はコンセッション方式を取るため、政府は自治体が所有権を持っているので水道料金の高騰はないと説明している。池上彰は1987年の「国鉄民営化」を例に、方針が方向転換される可能性があると指摘した。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「大学の不祥事に潜む大問題」
 今年、日本大学東京医科大学は不祥事を起こして話題に。強いアメフトチームを目指した日本大学と、国の支援事業に選ばれたかった東京医科大学の2つの大学だが、大学の不祥事の裏に共通の思惑が隠されていたという。大学は少子化の影響で「18歳人口」が減少しており、大学は収入源である学生の確保に注力している。池上彰は、競争が行き過ぎてしまうと、大学の授業料が3倍になり、教育格差が拡大してしまう可能性があると示唆した。アメリカでは約30年前から学生の獲得競争が加熱しており、ルイジアナ州立大学など、豪華な施設が紹介された。しかし施設建設に莫大な費用が掛かり、大学の授業料が30年前の3倍に高騰しているという。日本の私大の年間平均授業料が87万円なのに対し、アメリカの有名私立大は約600万円という金額である。アメリカの大学で授業料が高騰した背景には、大学のトップに経営のプロを雇ったことが影響しているという。学食や学生スポーツもビジネスにしている。アメリカでは親ではなく自身で学費を払うのが常識だが、卒業生を含む約60万人が2000万円以上のローンを抱えているという現状がある。もうひとつの社会問題が「ホームレス大学生」の存在で、約3万人いるといわれている。アメリカの社会問題になっているのが、高額な大学の学費による「ホームレス大学生」の存在。今アメリカの学生の多くは、学生ローンを借りて後で地獄を味わうか、学生ローンを借りずに今地獄を味わうかの2つに分かれている。日本では貸予型の奨学金が主流で、授業料が高騰すると借金が増え、学費が払えない人が現れる。池上彰は、貧困家庭に育った子どもは大学に進めないという格差社会の未来を示唆した。
池上彰と考える“ニッポンの危機” 「外国人労働者受け入れ拡大」
 国会では外国人労働者の受け入れを拡大する、外国人材法案について議論されている。政府は来年4月からの施行を目指すが、それには人手不足の日本の危機がある。2025年までに、人手不足が原因で127万社が倒産する可能性がある、とスタジオで池上彰が解説。日本の企業の99%を占める中小企業。その中小企業が抱える問題「人手不足倒産」が過去最悪のペースで増加しているという。業績は黒字なのに廃業に追い込まれる「隠れ倒産」も深刻だという。町工場「岡野工業」は、先端0.2ミリの「痛くない注射針」を世に送り出した。一時は年間約7億円だったが、後継者がいなく2年後廃業した。業績は黒字なのに廃業に追い込まれる「隠れ倒産」も深刻である。そこで外国人労働者が注目されているのだが、実は「日本は外国人労働者に選ばれない」ということがあるという。老舗旅館「吉野荘 湯川屋」で働く外国人労働者について取材。重要な戦力となっているが、近隣旅館で外国人労働者を受け入れたのはこの旅館だけだという。日本で働く外国人は128万人で、日本の人手不足121万人をカバーしているが、日本が外国人に選ばれない理由がある。永生病院を取材すると、外国人には日本の制度の壁があり、4年間の滞在期間中1度きりの試験に合格しないと日本で働けないという。
 日本で技能実習生は、技術が上達しても3年で一度帰国するという制度がある。外国人実習生を大切に扱う企業ばかりでなく、制度を悪用して過酷な労働を強いる企業もあるという。厳しい制度に過酷な労働という日本で、外国人は今後働きたいと思うだろうかという問題がある。日本で技能実習生の滞在期間は5年と短く、初期費用は100万円〜300万円と高い。日本の制度は、最低限度の日本語能力がないと就労が認められないため、高額な初期費用がかかる。韓国で働く外国人労働者に「日本と韓国の違い」について聞くと、「賃金滞納保証」、「出国満期保険」、「帰国費用保険」など手厚い支援を政府が行っていることがわかった。日本で「外国人法案」は成立を巡り、与野党の攻防が最終局面を迎えている。
〇今回は日本の危機をテーマに7つの項目を特集したが、池上彰は「すぐに解決しない問題だが、どう変えていくのか考える必要がある」と締めくくった。