『思考の三原則』とは

●『安岡正篤 一日一言』より、
 私は物事を、特に難しい問題を考えるときには、いつも三つの原則に依る様に努めている。
 第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること。
 第二は物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、出来れば全面的に見ること。
 第三に何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える。

 難しい問題を考える際には、成り行き任せの考えだけでなく、いろんな考え方ができることが重要である。目先のことに捉われずに長い目で見ることができるといい。人生という長い目で見れば、この問題は「小さいことだ」と気づけることがけっこうある。一時の悪い状況を怖れずに、先の先を考えることができれば、決断できることもある。長い目で見れば、無理をせずに一歩引く考え方をしたほうがいい場合もある。また、どんな問題も人生の中ではいい経験と考えることができる。
 物事の一面に捉われずに、多面的・全面的に考えることができるといいかも。そうすれば、「××もあるけど、○○もある」と考えられる。一つの方法がタメでも、「道は一つではない」と考え、他の方法を考えることもできる。たとえば、ヒントを探しながら考える、相手の気持ちを考える、人に相談する・・・などなど。
 また、物事を根本的・本質的に考えることができるといい。そのためには、自分にとって何が大切なのか、自分が心から望んでいるのは何かなどと自分の気もちを大切に考えることが大事だ。ただし、問題解決には現実的な目標をもつことも大事。自分にとって重大な問題は、よく考えたほうがよい。その際におすすめするのは、紙に書いて考え、メモを残すことにより自分の思考が明らかになる。
 いずれにしても、人生での様々な問題に対して、自分なりの役に立つ考え方を身につけていくことができれば、みずからの成長につながるはず。常に考えよ。それが自らの飛躍につながるはず。