今日9月30日は天野貞祐、東山千栄子そしてケチ本こと吉本晴彦の誕生日

<9月30日生まれの偉人>
◆天野 貞祐(あまの ていゆう、1884年9月30日 - 1980年3月6日)は、大正・昭和期の日本の哲学者・教育者・文学博士。京都帝国大学名誉教授。第二次世界大戦後は第一高等学校校長・文部大臣(第3次吉田内閣)を務めた後に獨逸学協会学校を母体として創立された獨協大学の初代学長を務めた。文化功労者
 ●天野貞祐記念館 http://www.dokkyo.ac.jp/daigaku/a02_01_j.html
 ●名言『伝統なき創造は盲目的であり、創造なき伝統は空虚である』
◆東山 千栄子(ひがしやま ちえこ旧字体:千榮子、1890年9月30日 - 1980年5月8日)は、日本の女優。日本新劇俳優協会初代会長。本名は河野 せん(旧姓は渡辺)。築地小劇場を経て俳優座の結成に参加した新劇女優で、舞台では翻訳劇の貴婦人役を多く演じ、特に『桜の園』のラネーフスカヤ夫人役は生涯の当たり役となった。映画やテレビドラマでは老婦人役を多く演じ、映画『東京物語』の老母役で知られる。主な栄典・称号・褒章に紫綬褒章文化功労者。著書に自伝『新劇女優』など。
吉本晴彦 株式会社大阪マルビル 顧問 タイトル:どケチ精神と生き金・死に金
 吉本晴彦は、大正12年、大阪市で出生された。昭和29年、31歳にて吉本土地建物株式会社社長に就任。その後、念願の大阪マルビルを建設される運びとなった。そして、50歳の折に、「大日本どケチ教」を設立。大阪を代表する財界人、森下泰氏(森下仁丹株式会社)や、鳥井道夫氏(サントリー株式会社)とともに、「大阪三ケチ」と呼ばれた。これまでも広くマスコミでの活躍や多くの著者を出版されたことは周知のことである。
 <講話内容>「ケチ」と「シブチン」は違うものである。ケチのケは経済のケ、チは知恵のチに通じる。無駄金や、納得できない金は使わないのが賢明だ。つまり、「生き金」の使い方を知っているということである。シブチンは大事な場面においても出し渋るので、大失敗を招く羽目に陥ることもある。これが「死に金」と呼ばれるものである。このような話とともに、大阪を象徴する人物、井原西鶴西鶴商法と言われる、「始末」「才覚」「算用」の観点を軸にして、正しいケチ精神の重要性を強調された。大日本どケチ教」の経典には、(1)ケチは目的を持つこと(2)一切の見えを捨てる(3)生き金を使い、死に金を使わない(4)他人に迷惑をかけない (5)常にユーモアの精神を持つとある。つまり、目的もなしに蓄財をしてもやりがいがないので、仕事を起こすとか、家を建てるなどの目的を持つことが大事である。要は、お金はプラスになるように使わなくてはならないということである。
  究極の「生き金」とは、人を助けるのに使うお金のことであろう。後悔をするような、空振りのお金を使うのが「死に金」である。財布に沢山お金を入れて人前で見えを切るより、常に小額を携帯し無駄使いをしないのが肝要である。しかし、シブチンをして、人に迷惑をかけるのはよくないので、ユーモアのある、笑えるようなケチを実行するのが良いであろう。加えて、すべての事柄に感謝をし、常に「勿体ない」という心がけを忘れないことである。
  そして、この経典以外に、「大日本どケチ教」では、お釈迦さんの「無財の七施」を実行している。「無財の七施」とは、眼施、顔施(眼も顔も笑うこと、商売=笑売。)、心施(真心で人に接すること。)、身施(自分の身体で施す=ボランティアをすること。)、言葉施(人の嫌がることを言わない。)、床座施(人に席を譲るなど、和の精神を持つのは大事。)、房舎施(住まいを掃除して清潔に保つ。)の七つの施しを指す。これらの教えを日々守っていくことにより、皆が笑顔で過ごせるのである。七つともお金を使わないでできる事柄ばかりである。さらに吉本家では、「親類といえどもお金の貸し借りはしない。」といったことなどを戒めた、『先考遺訓』という五ヶ条の家訓を定めている。先祖を大事に思い、これを代々伝えることによって、家系の繁栄が保たれていくことになると確信しているのである。