嘉田代表“剛腕宣言”「小沢さん使いこなせずに官僚は使いこなせない」…11党首討論

日本未来の党の代表を務める嘉田由紀子滋賀県知事(62)は30日、都内の日本記者クラブで開かれた衆院選に向けた11党首の討論会に参加し、同党に合流する国民の生活が第一小沢一郎代表(70)の操り人形と化すのではとの懸念に「小沢さんを使いこなせずに官僚を使いこなすことはできない」と言い切った。嘉田氏の自信満々の“小沢使い”発言に、会場はどよめき、参加した各党党首は微妙な表情を見せた。
 そのとき、会場は薄笑いに包まれた。代表質問者から「原発依存ではなく小沢依存。小沢氏を役職につけないということで、また陰で(操る)ということにならないか」との質問が飛び、嘉田代表が応答したときだ。
 嘉田氏は、少し表情をこわばらせながら「なぜ皆さん、小沢さんを怖がるのか。これまで、ご自分のために利用してきた方が怖がっているのではないのか。小沢さんを使いこなせずに、官僚を使いこなすことはできません」と反論した。
 嘉田氏の右手に座る野田佳彦首相(55)は、民主党時代の小沢氏に苦労させられた経験を思い出したのか、思わず苦笑いを浮かべた。左手に座った小沢氏の“天敵”とも称される日本維新の会石原慎太郎代表(80)は“本当にできるの?”と言わんばかりの嘲笑のような笑み。会場にも、この日一番のどよめきが起こった。
 史上最多となった11党首による討論会。62歳の嘉田氏は冒頭「新人です。よろしくお願いします」とあいさつ。「卒原発」、消費税増税反対、地域主権などを主張し、各党首が目標を記入したボードには走り書きのような文字で「政治は未来をつくる力 子ども女性若者、お年寄りが元気で 原発のない社会」と書いた。
 しかし、これまで政党をつくってはことごとく壊してきた小沢氏との連携が、衆院選の公示わずか1週間前に突然現れた新党の、しかも国政の経験のない「新人」代表にできるのか。会場の疑念はその一点に集中していた。
 嘉田氏は、滋賀県知事として新幹線新駅、産廃処理施設などの事業を中止させてきた実績を背景に「これまで滋賀の官僚をしっかりと使いこなしてきた。国民が求める政治を実現するために小沢さんの力を使わせていただきたいと思っています」と明言。討論会後も「『良薬は口に苦し』だ。苦いけど効果的だ」と表現し、自身を「漢方薬」に、日本維新の会橋下徹代表代行(43)を「劇薬」に例えたこともある嘉田氏らしい言葉で小沢氏を評価した。
 この日の討論会で、自分の党の政策と近いと思う党はどこか?という司会者からの質問に「未来の党」と書いたのは社民党新党大地の2党のみ。「卒原発」を語る時こそ歯切れ良かったものの、それ以外の政策を問われると一転、答えにくそうな表情になった嘉田氏。未来の党の未来は、まだまだ険しそうな気配だ。

(12月1日生まれの偉人)
荻原碌山(おぎわら ろくざん、1879年(明治12年)12月1日 - 1910年(明治43年)4月22日)は、明治期の彫刻家。本名は守衛(もりえ)、「碌山」は号である。