抑止力とは

◆「風をよむ」(2014年8月3日放送 8:00 - 9:54 TBS「サンデーモーニング」より
 ロンドンで7月17日、「第一次世界大戦」の展覧会が開かれた。今年は大戦から100年の節目にあたり、ヨーロッパ各地で式典が開催。式典ではウィリアム王子が、戦争について見つめ直す時が来たなどと語った。大戦はサラエボ事件が発端とされ、その後ヨーロッパを中心にした各国が2つの陣営に分かれて戦った。大戦は4年間続き、犠牲者は1000万人以上。
 現代ではウクライナで政府側と親ロシア派との武力衝突が続く。旧西ドイツのシュミット元首相は、第一次世界大戦の開戦当時に近づいていると語った。英・エコノミスト誌も昨年12月、現代の状況と大戦当時との対比を特集している。他にもイスラエルハマスとの戦闘、イラクとシリアの内戦、東アジアでは海上の領有権問題なども発生している。
 海外で内戦や緊張が高まる中、日本では「抑止力」の名目で集団的自衛権の行使を政府が推進。国内には疑問を呈する専門家もおり、相手を上回る軍事力を作る必要から緊張を激化させるとの声も聞かれた。かつて「第一次世界大戦」ののち、各国は軍事力を増強させ「第二次世界大戦」が誘発されたとする見方もある。
 「抑止力」を国が持つことの是非についてトーク寺島実郎は「抑止力とは冷戦時代の考え方であり、日本には武器でなく知恵をもって戦争を回避する手法が問われる」と話した。浅井慎平は、抑止力強化は戦争を繰り返すための準備に見える、戦争を避けるための積極的努力が国民と国家に問われるなどと話した。谷口真由美は「エノラ・ゲイ」の搭乗者の発言を挙げ、戦争を起こすべきではないがその方法を軍拡に求めてはいけないなどと話した。萱野稔人は、第一次大戦後の100年は経済大国同士の力関係の変化として見ることもできる、現代においても軍事力に解決を求めることの危うさは共通しているなどと話した。萱野稔人はさらに、第一次大戦当時はナショナリズムの高揚、テクノロジーの発達が暴走して大戦に至ったと付け加えた。岸井成格は、抑止力は「仮想敵国家」に対するものだが、強調するほど現実の国家に刺激を与えてしまうなどと話した。

⇒⇒「日本には武器でなく知恵をもって戦争を回避する手法が問われる。」や「戦争を避けるための積極的努力が国民と国家に問われる」などの意見にもみられるが、いかに戦争をせず、平和を維持するかが課題ではないか。「戦後60年を超えているが、さらなる日本が平和であるためにはどうすべきかかんがえていくべき。

<本の紹介>
・時代を見つめる「目」http://www.amazon.co.jp/%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%82%81%E3%82%8B%E3%80%8C%E7%9B%AE%E3%80%8D-%E5%AF%BA%E5%B3%B6-%E5%AE%9F%E9%83%8E/dp/4267019541