広島平和記念式典

広島市にある広島平和公園で、平成26年広島平和記念式典が行われた。43年ぶりの雨となった原爆の日広島市平和公園には早朝から遺族などが集まった。平和記念式典には4万5000人が参列した。今年、日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えた。広島はどう平和の尊さを伝え、次世代に受け継いでいくのか、そのあり方が今問われている。まず、広島市原爆死没者名簿の奉納がおこなわれた。
先月、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした安倍首相も参列しており、ケネディ駐日大使など世界68カ国の代表も出席している。被爆者からはこの先の日本に及ぶ影響について懸念の声も上がっている。
 被爆体験を語る活動を行っている岡ヨシエさんは旧日本軍司令部跡で軍の連絡係を勤めており、原爆投下の第一報を入れることとなった。軍で働くことに誇りを持っていた岡さんだが、惨状を見て無意識のうちに戦争に巻き込まれる過ちは繰り返してはならないと思うようになった。国際社会の緊張が増す中、被爆者の声がより大切になったと感じているのが藤森俊希さんで、核兵器廃絶の道を探る国際会議で、藤森さんは被爆体験を語って欲しいと招かれた。核兵器の廃絶が進まない中で、多くの政府の代表が今こそ被爆者の言葉が必要だと声をかけてきた。
 広島市長ら参列者が、慰霊碑へ花輪を捧げた。全国にいる被爆者の数は初めて20万人を切った。被爆者の平均年齢は79歳を超え、全国42都道府県から会場に集った遺族のほとんどが被爆2世、3世となった。被爆体験を直接語れる人が年々少なくなる中で、平和の尊さを受け継いでいけるように広島市内の小学校は8月6日を登校日にして平和について学んでいる。爆心地から1.8km離れた千田小学校は、原爆によって児童や教師44人が犠牲となった。今日は投稿した児童全員が体育館に集まり、日々行っている平和学習の成果を発表している。これまで被爆の惨状やその後の復興などを学ぶことで原爆の恐ろしさや平和の尊さについて理解を深めてきた。白神響記さんはひいおじいさんが書いた手記を読んで理解を深めた。目に止まった文章は「過ちは繰返しませぬ」で、これは記念公園の慰霊碑に刻まれている誓いの言葉だった。手記には「この誓いの言葉が生きている限り平和は続けられる」と続いていた。
 広島平和記念式典に参列した人たちが、犠牲者たちへの黙祷を捧げた。広島平和記念式典に参列した、広島市松井一実市長による平和宣言がおこなわれた。市長は尊い犠牲を忘れず惨禍を繰り返さないために被爆者の声を聞いて欲しい、と話し、自身が聞いた被爆者の話を紹介した。そして原爆を「絶対悪」とし、その絶対悪をなくすためには未来志向の対話ができる世界を築かなければならない、などと話した。さらに日本を取り巻く安全保証環境が厳しさを増す今こそ、今後も名実ともに平和国家への道を歩み続けるよう求めた。広島平和記念式典に参列した、小学6年生の児童2人が平和への誓いを読み上げた。田村さんはおばあさんが被爆者で、堂々と平和への誓をして欲しいと応援された。
 広島平和記念式典に参列した、安倍晋三首相による挨拶が行われた。安倍首相は日本には確実に核兵器のない世界を実現していく責務があり、その非道を後の世に伝え続ける務めがある、と話し、日本が提案した核軍縮決議は初めて100を超える共同提案国を得て圧倒的な賛成多数で採択されたことなども説明した。また、被曝して障がいを受けた多くの人の認定を早期に行うことも約束した。
 そして夜原爆ドームの近くを流れる川で灯篭流しが行われた。
 そして来年は戦後70年を迎える。いまこそ平和について考える時期に来ているのではないか。

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◆「集団的自衛権“大筋合意” 。政府が勝手に改憲できるの?これで良いのか。」
  http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20140629/p1