日本の未来は?

◆これからの景気は?
 ・ガソリンの価格が23週連続値下がりが続いている。レギュラーガソリンの小売価格が約2年ぶりに150円を割れた。今後も値下がり傾向が続きそうだ。
 ・25日の東京株式市場は6営業日ぶりに反落した。日経平均株価終値は、前日比45円48銭安の1万7808円75銭。海外で多くの国がクリスマス休暇とあって、東証1部銘柄の売買代金は1兆3842億円  にとどまり、9月1日以来、ほぼ4カ月ぶりの少なさとなった。
 ・昨日、東京債券市場で償還までの期間10年の国債利回りは一時0.31%まで低下し過去最低の水準を更新した。これは日銀が追加緩和で国債買い入れが拡大し、市場に出回る国債が減るとの見方が強まったようだ。。
アベノミクスは、ただの財政金融政策である。前任の野田佳彦政権、菅直人政権がひどすぎたことが、安倍政権に幸いした。普通の財政金融政策の対応を示しただけだが、前任者の政策が悪すぎたために、円安と日 本株高が進行した。しかし、この効果が表れたのは2013年前半だけだ。
 ・輸出は増えず、輸入が増加し、貿易赤字は拡大した。輸出企業は利益を得たが、国内産業と家計は損失を被った。利益と損失を比べれば、マイナス効果の方が大きい。確かに株は上がったが、株高は年金資金の買い 増しや外国人投資家の動向による。有効求人倍率も改善したが、実は2009年半ばから改善していて、とくに新規求人数は2010年に急増している。アベノミクスの前から雇用環境は良くなってきていた。  
 2,013年後半の経済を支えていたのは政府支出と、消費増税前の駆け込み需要で急増した民間住宅投資、耐久消費財の需要。それを省くとマイナス成長となっていた。したがって、増税後の景気減速は想定内ともいえ る。政府・日銀だけでなく、企業、マスコミも含めて、消費増税の反動減は小さいと言っていたが、支えたのは輸出の拡大で、製造業の大企業は利益を急増させました。アベノミクスの円安で、製造業の輸出産業が利 益を得たのと同じ構造。ところが、この間、雇用者報酬はほとんど増加せず、1人当たりの実質賃金はむしろ低下した。日本の輸入が増えて貿易収支が劇的に悪化しているが、少なくとも昨年度に関しては、原発が止 まったことによる鉱物性燃料の輸入が増えたせいでもない。輸入増加の3分の2を占めるのは製品輸入で、かつて日本企業の輸出の中心だった一般機械や電気機器、輸送用機器の輸入が25%も増えている。それも中 円安にもかかわらず、日本の輸出はあまり増えず、逆に、日本の主力輸出品だったモノの輸入が急増しているのはなぜなのか。日本の製造業の地盤沈下の可能性が否めない。
 ・まさに、ものづくり大国日本の不安であり、新たな成長産業を早急に構築しない限り、この景気回復は難しいのではないか。東京オリンピック需要でしばらくは公共事業を中心に景気回復は測れるであろうが、少子 高齢化で人口減少社会を迎える日本はどうなるのであろうか。成熟した社会経済モデルを早急に実現しない限り日本に未来はないのではないか。

<今日の偉人資料館>
菊池寛記念館 http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/646.html
 菊池寛は、東京高等師範明治大学早稲田大学、一高、京都帝国大学。28歳で京大を卒業。28歳「父帰る」、32歳「真珠夫人」で流行作家。35歳、文藝春秋社設立。47歳芥川賞直木賞創設。51歳菊池寛賞創設。55歳大映社長、満州文藝春秋社長。59歳公職追放、死亡。
 「私は頼まれて物を言ふことに飽いた」(文藝春秋創刊の辞)
 「作品が残るか」
 「私はさせる才分無くして文名を成し、一生を大過なく暮らしました。多幸だったと思ひます」