賀茂真淵。徳川家康が誕生。得仁堂。

<今日の江戸学トピック>
賀茂真淵は、元禄10年遠江国敷智(ふち)郡浜松庄伊場村(今の浜松市中区東伊場)に生まれた。生家は賀茂神社神職岡部家の分家で,岡部家は京の賀茂神社の摂社の神職を始祖とするとされている。賀茂真淵は従兄の岡部政長の養子となりますが、妻と死別したため実家にもどり,享保10年浜松の脇本陣梅谷家の養子になった。享保18年に京都に上り荷田春満を先生として国学を学びました。しかし、師匠の春満が死去したため、一旦浜松へ戻った後、江戸に出て、国学の研究と弟子の育成に専念した。真淵は、特に『万葉集』の研究に力をそそぎ、その研究は、『万葉解』『万葉考』にまとめられている。その他に真淵は、『語意考』『歌意考』『国意考』『文意考』『書意考』のいわゆる『五意考』などがある。
 賀茂真淵が教えた弟子は300人を超えると言われている。有名な門人として、8代将軍徳川吉宗の次男で御三卿の一人田安宗武や楫取魚彦、加藤千蔭、村田春海らがいる。また、塙保己一、平賀源内なども賀茂真淵に教えを乞うている。弟子の中で特に有名なのが本居宣長である。本居宣長が、宝暦13年、伊勢神宮の旅の途中伊勢松阪の旅籠に宿泊していた真淵を訪れ、生涯一度限りの教えを受けた話は、「松阪の一夜(ひとよ)」」として大変有名である。まさに、賀茂真淵は、国学の大家である。
 国学というのは、中国の書物を研究する漢学に対して、古事記日本書紀万葉集などの日本の古典を研究する学問である。江戸時代の初期の契沖を祖とし,荷田春満 (かだのあずままろ) ,賀茂真淵を経て本居宣長によって完成され、平田篤胤が発展させた。荷田春満賀茂真淵本居宣長平田篤胤を四大人(しうし)と言う。
◆天文11年(1542)12月26日、徳川家康が誕生。三河の松平弘忠の長男で母は於大の方(伝通院)。幼少のころ、隣国駿河の大名今川氏の人質として駿府で過ごし、桶狭間の戦い後、今川氏から独立した。
◆2代水戸藩徳川光圀は、6歳にして兄・頼重(のちの高松藩主)を差し置いて水戸徳川家世嗣となった過去に苦しみ、小石川上屋敷内の後楽園に得仁堂を建立し、古代中国の王子兄弟「伯夷・叔齊」の像を祀った。この建物は、光圀18歳の時、史記「伯夷列伝」を読み感銘を受け、伯夷、叔斉の木像を安置した堂である。「伯夷・叔齊」とは、中国古代・殷代の小国の王子兄弟の名前です。二人は、跡継ぎになることを互いに譲り合い、国を去ったといわれています。これに対し国民は「聖の清なるもの」と誉め称えました。兄弟は善政を行っていると評判の文王(ぶんおう)を慕い周の国へ行きましたが、時の王は亡くなり、子の武王(ぶおう)が継いでいました。武王が父の葬儀も済まないうちに殷の君主を征伐しようとすることを知り、父子の道、君臣の道に背くと諌めたが聞き入れられませんでした。そこで二人は、「周に仕えて俸禄を受けるのは恥」として山にこもり、ワラビで命をつないでいましたが、ついに餓死したといわれています。

<イベント案内>
◆17年1月2・3日、東京都墨田区すみだ北斎美術館で、「祝!北斎元年 初春再廻隅田賑」開催。

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<今日の小池劇場>
◆都・組織委に要請”計画どおり組織委が負担を”。
 東京オリンピックパラリンピックの費用をめぐり、大会組織委員会が都・国・会場を抱える自治体に最大9500億円の負担を求める考えを示したことを受け、宮城県村井知事、神奈川県黒岩知事、千葉県森田知事が東京都庁の小池知事と組織委員会の森会長の元を訪れ、招致当初の計画通り組織委員会が全額負担することを求めた。小池知事は、訪問に感謝を述べ、関係自治体・都・政府・組織委の事務レベルで情報の共有、負担のあり方などを協議する他、年内に副知事ら都の幹部を関係自治体に派遣しそれぞれの状況を聞く考えを示した。年度内に予算の大枠を決めたい、これからは時間との勝負となる。県民・都民・国民への説明責任を果たすと共にスピード感のある話し合いをしていきたいとコメントした。来年3月までに一定の結論を出す構え。組織委員会の森会長にも、招致段階の原則を守るよう要請した。会長は、立候補ファイルは都が作ったもので、自分の会長就任段階では膨大な予算になっており見直しをしたと説明。加えて、取り壊す仮設施設は組織委員会、大会後も残る施設はそれ以外という分け方は整合性がないため都と相談しようと思っているという考えを説明した。訪問後、知事らは「後から作ったルールは認められない。最終的には国が責任をもつという原理原則を守っていただきたい」などとコメントした。東京大会では、都外に6道県13施設15会場の競技会場を建設する。都は今日の都議会特別委で、政府に財政的支援をすでに要請したことを明らかにした。費用分担の議論は年をまたぎ、委・都・国の議論は年明けから本格化する見込み。