今年の漢字。高橋景保。『たった一言で人を動かす 最高の話し方』矢野 香著

今年の漢字が12月12日清水寺で発表される。今年の漢字一文字は何だろうか。

<今日の江戸学>
◆文化4年(1807)12月4日、幕府は天文方の高橋景保に洋書をもとに世界地図を作成するよう命じました。景保は長崎の通訳馬場佐十郎のサポートを得て、翻訳を進め、2年後には永田善吉に銅板を刻ませました。その後も景保は地理学の発展に貢献し、父至時(よしとき)に学んだ伊能忠敬の実測地図も忠敬の死後、景保の手で完成させました。景保は地理学への造詣のもと、シーボルトに日本地図を渡した。
 高橋景保とは・・・文化元年(1804)、父の至時(よしとき)のあとを継いで20歳で幕府の天文方となる。書物奉行も兼ねる。西洋の学問の調査・翻訳のため蕃書和解御用(ばんしょわげごよう)を天文方に設置。ショメル(Chomel, Noel, 1632-1712)の百科事典の翻訳を進めた。語学にすぐれ、海外事情の摂取につとめたが、シーボルト事件で投獄され、獄中で病死した。享年45歳。
 ドイツの医学者シーボルト(Siebold, Philipp Franz von, 1796-1866)は、文政6年(1823)に長崎出島のオランダ商館員として来日、長崎郊外の鳴滝に塾を開き、日本の蘭科医に医学を教えた。文政9年(1826)には江戸におもむき、多くの蘭学者と交わった。その間、日本の調査のために資料を精力的に収集したが、景保が国外持ち出し禁止の日本地図をシーボルトに贈ったことが発覚し、シーボルトは幕府によって文政12年に国外追放された。


◆『たった一言で人を動かす 最高の話し方』矢野 香著について
 「間」について、掘り下げ、「結論から話す」「大事なポイントは3つにまとめる」「質問する」等々の話し方をしていても、あまり効果がないが、この「間」を入れてこと、具体的には「一文一息」であり、一息で話せるくらいのワンセンテンスが、伝えるためには効果的であると著者は述べている。。
【ポイント】
1.積極的に自分から「間」をつくる
 「間」はとるものではなく、意図的につくるもの。聞き手の反応を見ながら「間」をとるのではなく、「聞き手に反応してもらいたい場面」で、積極的に自分から「間」をつくる。領いてもらいたい場面で「間」をつくる。考えてもらいたい場面で「間」をつくる。
2.マーク・ザッカーバーグのスピーチにおける7つの「間」
(1)始まりと締めくくりの「間」
(2)話の転換の「間」
(3)強調の「間」
(4)考えさせる「間」
(5)人を感動させる「間」
(6)聞き手を味方にする「間」
(7)余韻の「間」
3.「間」をつくるための「一文一息(いちぶんいっそく)」
「一文一息」とは、一文=ワンセンテンスを一息で、息継ぎせずに話すことです。この「一文一息」は、「間」をつくるために最適な話し方と言えます。一文の文字数が長いと文の途中で息継ぎをしてしまいます。それでは、意見や主張の内容が伝わりにくくなり、メッセージも弱くなってしまいます。聞き手にわかりやすく、力強く伝えるには、一文をなるべく短くして一息で話すことが必須です。一文を短くして一息で話し、言い終わったところで息を吸います。この息継ぎが「間」になります。
4.つなぎ言葉で人を引きつける
 つなぎ言葉の後に「間」をとることで、聞き手はその後の話のつづきを待ちます。さらに種類によって、話し手が次に何をしたいのか、心の準備ができます。「〜と一般的には書われています」「しかし」「今回わかったことは」
 このように逆接のつなぎ言葉を使うと、聞き手は、一般的に言われていることは違うんだと続きの話を期待します。「ところで(「間」)」を使えば別の話題にいくんだなと気持ちをきりかえることができます。「つまり(「間」)」では、ここまでの内容をまとめてくれることを期待します。ここからあわてて真剣に聞く人もいるかもしれません。
5.会話は「間」で制する
 会話の乱打戦では、他の人が話し終えるのを待っていたら、いつまでも自分の出番は回ってきません。話がどんどん進んで、会話に入るタイミングがなかなかつかめないこともあります。
 そこでターゲットを絞ります。商談や会議の場では、大体一番よく話す人は決まっています。その人がターゲットです。たとえば、「具体的にはどのような対策をお考えですか?」と、ターゲットに質問を投げかけます。
 相手が答えている最中は話すリズムに合わせて相槌を打ちながら聴きます。一通り回答が得られたなら、「とてもよくわかりました。ありがとうございます」と相手が他の話を始める前に止めます。そして、「間」をおかずに「当社がご提案する法人向けのサービスを加えていただくと、今うかがった案をさらに短期間ですすめることができます」と、自分の話したい本題に移す。