【東大首席弁護士が実践! 誰でもできる勉強術】 (山口 真由著)

◆東大首席弁護士が実践! 誰でもできる勉強術(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/)
<ポイント>
 山口さんの勉強法は、ノートなどには一切まとめません。線やマーカーを引いたり、重要なワードを隠して読むようなこともありません。確認用に一部の問題集や過去問は使いますが、参考書やプリント等も使いません。ひたすら教科書を7回読むのが基本です。ただし、1度読んでから次回読むまでに1〜2日くらい間隔を空けるようにし、各回は違う読み方をします。
 ・1回目:まずは全体を眺めるだけ
 1回目は、まず、しっかり読まずに全体を眺め、漢字を拾います。このとき顔は動かさず、目線だけをサーチライトを当てるように左から右、右から左へとジグザグに動かします。内容は全く理解していなくても大丈夫、スピード重視です。
 ・2回目:確認しながら単語を拾う
 2回目は、1回目同様にテンポよくサーチライトを当てますが、漢字だけでなく数字も拾います。図板・表・縦書の部分はまだ読みません。
 ・3回目:拾い残しをさらっとゲット
 3回目は、1、2回目より照らす範囲が狭いレーザービームを当てるように、左から右、また左に戻って右へと通常の読み方をします。最初の2回で眺めたページをなんとなく思い出しながらもう少し丁寧に「好き」「嫌い」を意識しながら読みます。
 ・4回目:意味を拾いながら読む
 4回目は、テンポよく黙読します。図版や表はサラッと目で追いかけ、文章は普通に読んで、意味を拾っていきます。4回目は本文の意味を把握しながら、1行ずつ「左から右」→「左から右」と普通に改行しながら読み進めます。
 ・5回目:理解度が2割から8割に急上昇
 5回目は、大きく羽ばたく段階で、次に読むところの内容を予測しながら読みます。すると、それまで2割程度だった理解度が、8割くらいまで一気に上昇するようです。4回目まではさらっと眺めるだけで済ませてきた図版、表、縦書き部分も5回目では読んでいきます。この5回目ではじめて本文以外の部分を含めた教科書を全部通読するようにします。
 ・6回目:要領をまとめて頭に叩き込む
 6回目は、普通の黙読と要約しながら拾い読みをすることをセットにして、頭に叩き込んでいきます。ここでは、要約しやすいページとしにくいページが分かれます。まずは見開き2ぺージの左ページを普通に1行ずつ読んで終えます。その後、右ページに進む前に、あらためて左ぺージの頭からさらっと読み返します。こうすることで一度読んだ文章をあらためて拾い読みして、頭のなかで要約するのです。これを「普通の黙読×拾い読み要約」と称しているわけです。拾い読み要約で、サーチライトをあてながら眺めるときには、単語と単語を頭のなかでつなげながら読み進めるのがポイントです。(
 ・7回目:細かいところまで再現できるまで完璧にする
 7回目は、1ページを頭から読む前に、まずページ単位で要約します。そして、次に本文を1行ずつ黙読しながら、正しく要約できているかを「答え合わせ」していきます。1回目から6回目までと大きく異なるのは、1ぺージを頭から読む前に、まずページ単位で要約することです。そして、次に本文を1行ずつ黙読しながら、正しく要約できているかを「答え合わせ」していくのです。間違って覚えていないかをチェックしながら黙読していきます。この作業によって、内容を完璧に叩き込でいくのです。「記憶は確かかな」「あっ、ここは間違っていた」と記憶の状態を確認しながらたどっていくことで、最終的に記憶を正確に固めます。

●7回読んでもまだ完璧ではない場合は、8回、9回と読み続け、問題集は、少なくとも7回読みの後からやります。ちなみに、7回読むことが苦痛の場合は、「3回読み」という短縮版から始めるよう勧められています。この本から何を活かすか?この「7回読み勉強法」は基本的に、暗記科目用です。では、数学など、暗記だけでは通用しない科目は、どのように勉強するのでしょうか?それが「7回読み」の応用、「7回解き」。基本が大事なのはよくわかります。しかし、7回読みも7回解きも、教科書だけにそこまで時間を使って、効果がなかったときのリスクを考えると、実際にやるのは、結構、勇気が必要ですね。