「ルネッサンス」(カルロス・ゴーン著・ダイヤモンド社)から

 1999年にNRP(ニッサンリバイバルプラン)を発表し、立ち直って、直後に読んだ一冊です。現在、日産は2008年のリーマンショックで一時赤字になりましたが、それ以外は黒字を維持しています。工場閉鎖や取引先見直しにより日産は甦ったのです。
・従業員や家族の問題があったため、工場閉鎖という選択肢は見送られ続けていた。・・1999年10月18日、NRP発表時に私はこう言った。「実際に痛みを伴うことは承知のうえです。しかし、たとえいかなる痛みを伴おうと、工場閉鎖は残った工場の生産性と費用効率の著しい向上をもたらすことでしょう」(p183)
 ゴーンさんの経営の特徴は、自分を含めた経営陣に求める「緊張感」だと思います。結果がでなければ退場。会社に価値をもたらすことができなければ去れ、ということです。
・日産に価値をもたらすことができなくなれば、そのときが会社を去るときである。会社にどれだけ貢献できるか−それがすべてである。関連会社の社長が結果を出せなかったら、責任をとってもらい、結果を出せる人間と交代する というのがビジネスの世界のやり方だ。(p169)

・まず耳を澄ませなさい。考えるのはそれからです。大事なのは、自分の考えを可能な限り分かりやすい方法で表現するよう努め、何事も簡潔にし、自分でやると言ったことは必ずやり遂げることです。p22)
・まずはプロセスをきちんと踏まなければならなかった・・高コスト体質を改善し、債務を削減し、製品開発に投資し、ブランドを確立し、マーケティングや営業を整備し、■■■を活性化し、合理化する。順位に沿ってこうしたことに着手し、考えられることをすべてやり遂げたあとで、ようやくマーケットシェアの成長が望めるのである(p65)
・ただ「早くやってくれ」と頼むのではなく、「わが社はこの問題を克服したいと思っている。一緒に問題解決のための仕様を決め、 手順を確立したいから協力してほしい。それができたら、いちばん良い方法で実施してもらいたい。そのための援助なら、わが社は惜しまない」と頼むべきだ。(p126)

 ゴーンの日産、今ディーゼル乗用車をフランス中心に販売していうようである。ツダも参入するみたいである。これからどうなる日本の乗用車業界は?