『社長の勉強法』(國貞文隆著・メディアファクトリー新書) に学ぶグロービス・グループ堀代表の読書法

 今日の本は、8人の社長さんの「オリジナル学習法」をまとめたものである。アマゾンの内容紹介をみると、『社長は必ずオリジナルの勉強法を持っている! 時代を読み、大きな決断をし、人を束ね、結果を出している8名の社長たち。彼らの知のパワーを支えている日々の勉強法をあますところなく公開する。本書に登場するのは時代を引っ張る現代の名社長たち(ビームス・設楽洋/グロービス・堀義人/エニグモ・須田将啓/クロスカンパニー石川康晴/ブックフィールド・荒井裕樹/コモンズ投信・渋澤健ほか)。彼らが工夫を重ねて編み出し、「ビジネスに効く」と自信を持って語るメソッドの中から、自分に合うものを取り入れれば、あなたの仕事が変わり、人生が変わる!』
 私が興味を覚えたのは、『疑問をもった分野の本を濫読する』方法である。グロービス・グループ堀代表の読書法である。堀さんは疑問をもつと、何が正しいか探求するために、まずはその分野の本を5〜10冊は読む。すると、結局は論者や識者それぞれに異なる主張があることがわかってくる。そのバラバラの見解や主張のなかから、最も自分の頭がすっきりする論を選び、それをべースに自分のロジックとして組み立てていく。哲学、宗教、歴史、あらゆる分野に対して同じやり方をする。普通のビジネスマンでも経済は知らなければいけないし、海外で仕事をするなら、世界の歴史や地理を知らなくてはいけない。部下ができたら、人間というものを理解する必要もあるし、組織をどうやって束ねていくかも考えねばならない。堀氏の場合は自分なりの考え方が身につくまで、疑問をもった分野の本をとにかく濫読していまの自分自身をつくってきた。10冊とはいかないが、自分自身も3〜5冊程度は同じテーマの関連書を読むことがある。一夜漬けではないが、ある程度の知識の集積はできる。さらに、堀さんは『本は汚し、手書きで内容をまとめる。』である。私も読書ノートを自分のノートにメモしている。メモを読み返し、清書をしているが、堀さんはさすがである。読むときは本を汚す。思ったことを書き込んだり線を引っ張ったりして、最後の最後まで読み込むのである。書き込みや線が増えれば増えるほどよい本で、それが何もないものは容赦なく捨ててしまう。いい本に出会ったら、手書きで読書ノートに1〜2ページで内容をまとめてみる。たとえば堀氏は1年間ほど安岡正篤内村鑑三プラトンソクラテスデカルトなどの哲学や古典を集中して読み込んできたという。私みたいに教養が不足する人間には、この方法を真似てみるのも有効であろう。1年も続ければ驚くほど内面が深まる。でも、この年齢では遅すぎたかも。でも、情報ストックのために、頑張ってみよう。