石原都知事が辞任表明=来月上旬にも新党、国政復帰目指す・維新と連携で「第三極」

 東京都の石原慎太郎知事(80)は25日、都庁で記者会見し、次期衆院選に向け、自らが党首を務める新党を結成し、国政に復帰する意向を明らかにした。同日、都議会議長に辞表を提出した。石原氏は、日本維新の会(代表・橋下徹大阪市長)との連携に前向きな姿勢を示しており、民主、自民に対抗する「第三極」の構築を目指す。新党は11月上旬にも立ち上げ、自身は衆院選比例代表で出馬する意向だ。
 石原氏は「きょうをもって知事を辞職する」と表明。後継に関しては、猪瀬直樹副知事の名前を挙げた。石原氏は現在4期目。任期半ばでの辞任については、「都民は理解してくれると思う。放り出すわけではない」と述べた。公職選挙法の規定では、辞職の申し出を受けた議長が選挙管理委員会に通知してから50日以内に都知事選が行われる。
 国政復帰の理由は、「明治以来続いている官僚制度をシャッフルしないと、国民が報われない。命あるうちに最後のご奉公をしようと思う」などと説明した。新党には、たちあがれ日本に所属する衆参国会議員5人全員が合流する見通し。石原氏は新党への参加者について、「予想外の人もずいぶんいる」と語った。今後、日本維新との連携協議も進める。
 石原氏は4月に表明した沖縄県尖閣諸島の購入問題への対応などを理由に、新党構想に一時慎重な考えを示していたが、結局、同諸島は国有化が決定。今月12日の記者会見では、新党結成の可能性について「あとは私の年齢と健康(次第)だ」などと発言。その後、健康診断の結果に問題はなかったことを明らかにしていた。    [時事通信社・2012年 10月 25日 22:02 JST