今年の棚卸から来年以降の計画へ。 仕事には基本が大切である。

 「自分探し」より今は今年の計画を検証する時期かも。霜月11月になりあとわずか。今年の計画の実現をめざすべきであるが、不完全な結果かも。来年以降の計画も十分考えて行くことも大事かな。まずは、今年の棚卸をしていくとともに、僅かでもいいから、来年に続くための努力が必要かもしれない。

 ● 「勝ち続ける経営」原田泳幸著を読み返す。
 アップルコンピュータ・ジャパンから日本マクドナルドに転身し、7年連続マイナスから7年連続のプラスというV字成長に成功した原田泳幸社長。彼がどんな局面でどう考えたのかが、非常にわかりやすく簡潔に書かれている。まねしたいぐらい参考になる。読んでやはり感じたのが、基本の大切さ。仕事はまず基本である。貧すれば鈍すで、業績不振の時は焦ってあれこれ手を出して、結果、さらなる失敗に陥ることが非常に多いということに気をつけなくてはいけない。自分たちでなければ提供できないものは何か?ということを突き詰め、その強みをもっと生かすために、どんな革新的なことができるかをさらに突き詰めて考えていくことこそ、一番大切なのだということが、よくわかりました。それが「らしさ」の追求でした。
 特に興味深く読んだのが、コーヒーの味の追求のところ。コーヒーは、頭打ちの既存の商品の売り上げを補う第2の柱ではなく、あくまでも経営を支えているビッグマックなどの重要商品(=金のなる木、キャッシュ・カウcash cow)を、より多く売るための手段という位置づけだということ。ビッグマックをより多く売るためには、顧客の来店頻度を上げる必要があり、そのために世の中でよく摂取されているコーヒーに目をつけ、直近で"飲みたいコーヒーNO.1"に選ばれるほどの味と香り、そして値段付けを追求したとのこと。思惑は当たり、コーヒーの売り上げが増え、ビッグマックなどの売り上げも上昇していったとのことでした。
 あともう1つ心に残ったことは、デフレ時代の中、価値と価格を上げる戦略こそ、生き残る道だと言われていることです。消費者は日常消費品については、価格に非常に敏感になっているが、一方では、何か自分の心をワクワクさせてくれるものには、対価を払ってくれる傾向にあるということを基本に据え、顧客の期待を越える商品を送り出し、価値と価格を上げていくことにしか成長は無いということでした。
最近ヒットしたメガマックという健康志向と逆行するような製品、米国の地名の名前をつけ、米国のご当地自慢の味(テキサス、ニューヨーク、カリフォルニアなど)が新鮮なビッグアメリカはそんな発想からの商品だそうです。
 経験に裏打ちされた筆者の言葉は、非常に重みがあり、そんなことわかっているけど、理想論だよと読者言わせない説得力があります。ハッとさせられました。 対象がマックということもあり、非常にわかりやすいです。教えられる本です。