明日、今年の世相を表す漢字が発表される。

◆明日漢字が発表される。一体今年の世相をどうあらわすのか。流行語大賞からすると、「今」「倍」なども候補かな?

◆寺島文庫リレー塾の最終回、寺島実郎「2014年への視座」に参加。場所は、東京駅丸の内の日本工業倶楽部2階。いつ話を聞いても、歯切れがよい。世界から日本をとらえることが多く、関心させられる。例えば、米中関係、ロシアの動きなど、日本のマスコミにはあまり取りあがられない話を聞くと感心させられることが多々ある。世界の人口が増える中で、日本の人口減少社会に対する話を聞く機会があると嬉しいのだが、まさに「脱少子化」をテーマにこれからの日本のあり様を政策科学の面で話を聞きたいものである。
(講演内容)
・日本のメディアに接しているだけではブラインドがある。日米中が揺れているこの時期に英国キャメロン首相が訪中し「チベットは中国のもの。中国の核心的利益については西側先進国の中でもっとも中国を支持者に」と発言。英国は20年ぶりに巨大核発電所を建設し2023年に完成させる。それはフランス・中国連合が受注。原子力によって得られた電気の固定買取制度を導入。「World in 2014」(ロンドンエコノミスト)がネットで見れるようになった。
・今の世界は無極化。全員参加型秩序。G7-G20-G0。ネットワーク型発展に向かう世界。相互依存の深まり。「World in 2013」では重要ファクターは米中関係と指摘。バイデン副大統領の防空識別圏問題発言は日米の温度差をあぶりだした変化球だった。民間航空機へのフライトスケジュール提出指示。米中関係は問題を抱えながらもトリウム原発シェールガスなどコミュニケーションを深めつつある。今の政権の如く、日米で連携して中国に向き合うという時代認識では間違う可能性あり。
NSC国家安全保障会議)発足と特定秘密保護法はパッケージ。NSCは1947年にトルーマン大統領が戦争をしないためにつくった組織。第二次大戦後、軍(業軍人)の増長を制御するためのもの。アメリカは特定秘密に対しては民主的な制御の仕組みとして国立公文書館がチェックする仕組みを運用している。第三者機関についての議論がこの法律の本質をあぶり出すだろう。日本は戦争のできる国へ向かおうとしている危険あり。
・日露関係は好転している。シェール革命によって欧州へのLNG/石油輸出は苦境。安定的需要のある日本に売りたい。「アジアのロシア」「ユーラシア国家・ロシア」。日本はすでに1割はロシアから、2020年には2割になる。30兆円の極東ロシア発展プログラムで化学・インフラ事業。北海道での日露のジョイント事業も始まった。ロシアが動き始め、環日本海構想が実体化してきた。地球温暖化北極海航路が活況。2012年60隻、2013年500隻とリアリティを持ってきた。2020年には欧州・アジアで3000万トンの物流になる。スエズ南アフリカパナマに比べ三分の一圧縮される。特に北東アジアにはインパクトが大きい。ロシア、カナダに続いて、中国が権益を主張し始めた。パナマ運河の拡張が2015年に終わる。6,7万トンクラスだったのが、10万トン以上の船が航行可能になる。これからは、北極海パナマ運河がポイント。
・2011年に11.9%で底を打った日米の貿易だが、2012年12.8%、2013年1-9月13.1%と持ち直してきた。アメリカの実体経済が良くなってきている。エネルギー(シェール革命)とIT(ビッグデータ)。中国は2011年に20.6%まで上昇したが反日デモ尖閣問題で下降しているがそれでも2012年19.7%、2013年1-9月19.6%、9月21.3%と20%あたりに張り付いている。大中華圏では30%でまだまだ大きな存在。
アベノミクスをみると、年末の状況は、株の上昇によるマネーゲーム礼賛と中韓に舐められたくないというプチ・ナショナリズムに酔っている。具体的には、引き続き11月27日までで、外人(ヘッジファンド)は14.9兆円の買い越し。日本人法人は6.2兆円の売り越し、個人は7.8兆円の売り越しで計14.0兆円。もし、日本人が持ったままでいれば日経平均は2万3千円まで上昇しただろう。東証の外人の保有率は3割を超えた。彼らは配当性向にうるさいので労働分配率は低下して恐れがある。売り抜く資本主義が、臨界点に近づいている。アメリカの出口戦略が近いという不安から、相対的に安全な日本への投資が行われている状況にすぎない。
実体経済をみると、輸入インフレ。2000年=100。2013年10月:素材原料247.3%、中間財116.5%、最終財87.2%(耐久消費財58.8・非耐久消費財107.6)。川上インフレ・川下デフレ。深刻な消費低迷。2012年10月をベースにすると、素材原料16.9%増、中間材5.4%増、最終財2.5%増(耐久消費財0.3減・非耐久消費財3.8%増)。この1年間で原材料は2割の価格高騰、最終財はインフレターゲットの2%のゾーンへ。勤労者家計への分配増へのタイムラグや切断、労働分配率上昇の意欲なしから、「格差と貧困」の問題を増幅。所得は増えない、物価は上がる。アベノミクスでも所得は増えていないが、原状である。来年の消費税増税をどう乗り切るかが大きな課題といえよう。
・成長戦略をみると、ビジョン計画ではなく実行計画が重要であり、まだ不足。それはプロジェクトデザインだ。中央リニアの前倒し。14年後に名古屋、それから18年後に大阪(9兆円)。7000万人の大ゾーンの誕生はアジアにとっても大きな意味。相模原。圏央道や外環道など首都圏が変わる。山梨。日本の国土軸を変えるプロジェクト。産業論からは中型旅客機、MRJプロジェクトが遅延。第二のシアトルはどこか。愛知・東海・岐阜の可能性。
・TPPは、日本最大の弱点である食料自給率を60%まで上昇させる。

◆TBS世論調査から(2013/12/7・8)
 ・「総理大臣にふさわしいと思う政治家は?」という設問に対して、
 安倍晋三現総理 13%
 小沢一郎 10%
 小泉進次郎 7%
 石破茂 3%
 海江田万里 0% という結果が出ました。
 http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20131207/q4-2.html
 ・、安倍内閣の支持率は13.9ポイント下落、不支持率は14.3ポイント上昇。合計すると28.2ポイントの変動です。
 http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20131207/q1-1.html
 ・特定秘密保護法成立については、他の方も投稿されているように、
 評価する 28%
 評価しない 57%
 http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20131207/q2-1.html
 となっています。この世論調査がすべてではないが、何かが動き出した感がします。
 *生き生き箕面通信「小沢待望論がじわっと浮上」http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/ab9ac2635c86552782aeac903dd17973という意見もありました。

(今日の出来事)
・維新東国原議員、離党・辞職。都知事選への立候補か?
・日本有線大賞は氷川きよし「満天の瞳 (ほし)」に決定。
最高裁が初の判断 性別変更の男性「父」と認める。性同一性障害のため女性から男性に性別を変更した東大阪市の男性が、その後結婚した妻と第三者の人工授精で子供をもうけるも戸籍の「父親欄」を「空欄」にされ、男性は訂正を求める審判を申し立てたが一、二審は「男性としての生殖能力がないのは明らかで夫婦の子とはいえない」と退けた。最高裁判所は今日までに「性別を男性に変えた人は夫として婚姻することができ、その妻が子供をもうけたときは父親とされるべき」とした上で一、二審を取り消し申し立てを認める決定をした。
・“匿名サンタ”が本 寄贈。北海道・釧路市阿寒町にある釧路市立阿寒小学校など3校に約1000冊ずつ、合わせて約3000冊の本が匿名のサンタクロースから贈られた。カトウ書館・加藤操代表は、きちっとした方で、三國連太郎さんのような品のある方だと語った。

(12月11日生まれの偉人)
◆大倉 和親(おおくら かずちか、1875年(明治8年)12月11日 - 1955年(昭和30年)7月1日)は、明治期の実業家。大倉孫兵衛の長男で日本陶器合名会社(現・ノリタケカンパニーリミテド)初代社長。東洋陶器(現・TOTO)や日本碍子の社長、伊奈製陶株式会社会長も務めた。大倉孫兵衛の長男。明治27年伯父森村市左衛門の商社森村組にはいり,欧米で白色硬質磁器を研究する。37年父や森村が設立した日本陶器(現ノリタケ)代表社員(のち社長)。ノリタケチャイナの名を世界にひろめる。分離設立の東洋陶器(現東陶機器),日本碍子社長もかねた。昭和30年7月1日死去。79歳。東京出身。慶応義塾卒。
 ・公益財団法人 大倉和親記念財団 http://www.okura-kazuchika.or.jp/
 ・大倉 和親 - 北九州イノベーションギャラリー http://www.kigs.jp/db/kouken.php?kno=36&mno=15&PHPSESSID=
◆瀬沼 夏葉(せぬま かよう、1875年12月11日 - 1915年2月28日)は日本の小説家、翻訳家、教師。本名は瀬沼 郁子(旧姓:山田)。アントン・チェーホフを初めて日本に紹介した。実家が高崎正教会の信者の草分けで,ニコライ女子神学校を修了。このころ教会の婦人矯風誌『裏錦』(1892〜1907)に多数寄稿。婦徳の養成を唱道するが,その一方で「女子は卑しきために男子に従ふにあらず」と男女の優劣なきことを主張。ロシア文学に感動し,のち夫である瀬沼恪三郎よりロシア語を習得する。また尾崎紅葉http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130110/p2)の弟子となり,夏葉の号で師との共訳でチェーホフの作品を紹介。日本初のロシア語からの直接訳でチェーホフを正確に翻訳した先駆者としての意義は大きい。晩年『青鞜』の賛助員として婦徳の呪縛から自己を解放せんと果敢に生きるが早世した。訳書に『チエホフ傑作集』(1908)などがある。
◆東海林 太郎(しょうじ たろう、1898年(明治31年)12月11日 - 1972年(昭和47年)10月4日)は歌手。ロイド眼鏡・燕尾服を着用し直立不動の姿勢で歌う、戦前を代表する歌手。第2次大戦前に人気の高かった歌謡曲歌手。秋田県出身。早稲田大学商学部卒業後,大陸に渡って満鉄に勤務,同付属鉄嶺図書館長となったのち職を辞して上京,下八川圭祐にクラシックの声楽を学ぶ。1933年《時事新報》主催のコンクールに入賞し,キングレコードに入社したが,34年2月,新興のレコード会社ポリドールから《赤城の子守唄》を出したところ大ヒットとなった。この曲は松竹の同名時代劇映画の主題歌で,やくざを主人公とし,1番の歌詞が4行から成るその各行に1回ずつ〈泣く〉という語が使われる(佐藤惣之助作詞,竹岡信幸作曲)という,それまでの歌謡曲にもなかったほど日本的な孤独感,悲愴感を強調したもので,いわゆる演歌調歌謡曲の嚆矢となった。

<本の紹介>
・勝つための確率思考http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E5%8D%92%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E7%8E%8B%E8%80%85%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E5%8B%9D%E3%81%A4%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%A2%BA%E7%8E%87%E6%80%9D%E8%80%83-%E6%9C%A8%E5%8E%9F-%E7%9B%B4%E5%93%89/dp/4046000317
・『青鞜』人物事典―110人の群像 http://d.hatena.ne.jp/asin/4469012661

おとなり日記
・2013-12-09 ニュースの真相 http://d.hatena.ne.jp/rebel00/20131209
・2013-12-10 Nabe Party 編集者のブログ http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20131210
・2013-12-10 shuueiのメモ http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20131210
・2013-12-11 生き生き箕面通信「小沢待望論がじわっと浮上」http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/ab9ac2635c86552782aeac903dd17973

<今日のトラックバック
翡翠輝子の招福日記 2013-11-24 「2014年は60年に一度の甲午(きのえうま)の年」  http://d.hatena.ne.jp/bob0524/20131124/1385256357

<昨年の今日> http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20121211/p1