2014年の景気は。

◆今年も残すところあと僅か。来年2014年はどうなるであろうか。昨年12月に行われた総選挙で安倍内閣が発足し、今年はアベノミクスが始まった。前年11月に80円程度だった円レートが、今年5月には月平均で100円を超える水準にまで円高修正が進んだ。黒田日銀総裁による「異次元緩和」もあり、株高も進みました。5月下旬以降、調整局面もあったが、東証時価総額は昨年の安値から約180兆円増加。株式は富裕層が多く保有しているから、「資産効果」から百貨店では宝飾品や高級時計が前年比で20%程度売り上げが伸びた。
 また、公共事業も補正予算を含め10兆円程度執行中で、さらには、消費税増税前の駆け込み需要もあり、建設業も、人出不足が顕著になるほど好調な状況である。失業率も4%にまで改善し、有効求人倍率も1倍に近づいている。都市部などでは1倍を大きく超えるところもある。企業業績も全体的には好調で、最近の日銀短観では、「飛行機の後輪(着地するときは最初だが、離陸するときは最後という意味)」と言われる中小企業の景況感もかなり改善された。来年4月に引き上げられる消費税増税の3月末までは駆け込み需要もあり、この景気が継続するであろう。
 ただし、懸念材料もたくさんある。一つは、いまだに一人あたりの平均賃金が全くと言って良いほど上がっていない。これでは、株高が止まったときに、持続的に景気が拡大することは望み薄です。せっかく上がりはじめた消費者物価も、上昇が止まってしまう。政府が執拗にまで賃上げを経済界に要請するのはそのためである。企業全体の収益が上がっていない証拠であり、株価上昇の実体経済が伴っていないことの証しである。さらには、円安により、輸入物価が上がり、毎月1兆円以上の貿易赤字が続いている。円安になっても輸出額が輸入額の伸びに届かないのが実情。4月には、消費税が3%上がる。政府は消費税率上げによる景気低下に備えて、5兆円程の景気対策を行うが、このまま賃金の上昇がなければ、景気への影響は大きなものになるであろう。
 さらには、麻生財務大臣は来年7−9月のGDPを見て、2度目の消費税率上げを決定すると言っている。4−6月のGDPは、消費税率上げやその前の1−3月期の駆け込み需要もあり、大きく落ちることはまちがいないであろう。その結果、7−9月のGDPは高めに出る可能性が強く、それをベースに消費税率上げを決定するつもりだろうが、日本経済の景気が一層落ち込んしまうであろう。消費者物価は現状、前年比で1%近くまで上昇。しかし、この先、前年比で見た場合には円安の影響が消えていくため、給与が上がらなければ来年春先あたりから、徐々に物価上昇率が低下する。日銀は二度目の緩和策を行わなければならない。米国の景気が比較的堅調なのが日本経済には好材料であるが、給与が上がるかどうかが、2014年の日本経済を占う上で非常に大きなポイントであることは間違いなく、現状をみると厳しい予感が。成長戦略と言うことばだけが先行し、具体的な計画が示されていない。まさに、空論の繰り返し。過去の甲午の年をみても激動の年のような感が否めない。甲午の来年は、大きな激動の年になることが不安である。良い方向に流れればよいのだが。

(12月26日生まれの偉人)
◆菊池 寛(きくち かん、1888年明治21年)12月26日 - 1948年(昭和23年)3月6日)は、小説家、劇作家、ジャーナリスト。文藝春秋社を創設した実業家でもある。本名は菊池 寛(きくち ひろし)。第3・第4次「新思潮」同人。大正7年「忠直卿(ただなおきょう)行状記」などの明確なテーマをもった小説でみとめられる。9年「真珠夫人」をかき,通俗小説に転じる。12年雑誌「文芸春秋」を創刊し、のち芥川賞直木賞菊池寛賞を創設。芸術院会員。昭和23年3月6日死去。61歳。香川県出身。京都帝大卒。本名は寛(ひろし)。ほかに戯曲「父帰る」,小説「恩讐(おんしゅう)の彼方(かなた)に」など。
 ・『悪妻は百年の不作であるという。しかし、女性にとって、悪夫は百年の飢饉である。』
 ・菊池寛記念館 http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/646.html
◆毛 沢東(もう たくとう、マオ・ツォートン、1893年12月26日 - 1976年9月9日)は、中華人民共和国の政治家、軍事戦略家、思想家。字は詠芝、潤芝、潤之。筆名は子任。初代中華人民共和国主席中国共産党の創立党員の1人で、長征、日中戦争を経て党内の指導権を獲得し、1945年より中国共産党中央委員会主席を務めた。日中戦争後の国共内戦では蒋介石率いる中華民国を台湾に追いやり、中華人民共和国を建国した。以後、死去するまで同国の最高指導者の地位にあった。
 現代世界史において大きな業績を遺した人物とみなされており、タイム誌の「20世紀の重要人物(Time 100: The Most Important People of the Century)」の1人に名を連ねている。毛は、思想家、戦略家として評価されており、詩人としても名高い。
 一方、毛の政策については現在でも議論の対象となっている。研究者は、毛の引き起こした大躍進政策文化大革命のような、文化、社会、経済、外交に重大な損害をもたらした問題について非難するとともに、彼の政策による犠牲者を数千万と推定する。そして、マルクス主義ソ連社会主義を中国社会に導入しようとした毛の政策は、産業の面において、結局失敗に終わったと論じる。

<昨年の今日>http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20121226/p2 http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20121226/p1