空気を「変える」ために。そして、本日「マネジメント研修」講師。

◆空気を「読む」より「変える」ためにどうするのか。
 良く会議等で「空気を読む」と言われることがあるが、リーダーとしては、どうなのであろうか。「悪い空気」に迎合することなく、「空気を劇的に変えて」チームに勝利への闘争心を生み出すことも大事。伝説の名将モウリーニョは、選手個人を責めるよりも、チームの「空気」を激変させてプラスの影響力を全員に浸透させた。「空気を読む」ことが良いとされがちですが、それは「流されているだけ」と言えるかも。(参考『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法 』鈴木博毅著・マガジンハウス http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%A9%BA%E6%B0%97%E3%80%8D%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%81%A6%E6%80%9D%E3%81%84%E3%81%A9%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%AB%E4%BA%BA%E3%82%92%E5%8B%95%E3%81%8B%E3%81%99%E6%96%B9%E6%B3%95-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E5%8D%9A%E6%AF%85/dp/4838725558)言うまでもなく本書が言う「空気」とは、しばらく前に流行った「KY(空気が読めない)」の「空気」のこと。例えば、連敗中のスポーツのチームを覆う重々しい「雰囲気」や、結論が最初から分かっている会議の「暗黙の了解」など。重々しい雰囲気を払拭すれば勝てるチームになれる。暗黙の了解を作り出せれば結論を自由に導き出せる。このように「空気」を変える方法が分かれれば、本書のタイトル通りに「思い通りに人を動かす」ことができる。
 ●新しい「問い」を設定する
 2005年に新設されたプロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスの初代監督は田尾氏でした。1年目は結果が出ず、球団から監督へ「2年目を迎えるにあたって、どのようなチームを作ろうとしているか」というレポート課題が出たそうです。田尾監督は「戦力(選手)が足りない」と結論づけました。これに対し、野村克也氏は「どうすれば足りない戦力で戦えるのか?」という問いを設定したそうです。それを見た楽天球団が野村監督にチームを託す決断をし、電撃的な監督交代劇となったのだとか。そして「どうすれば足りない戦力で戦えるのか。楽天を将来どのようなチームにすべきか。そのためには何が足らず、何がどれだけ必要でどれくらい時間がかかるのか。この「問い」を立てることで、当時の楽天にあった「勝てない空気」を少しずつ「勝てる空気」に変えていくことに成功した。
 「ジネス上のリアルな課題に対して、「問い」は固定されたものではありません。問いを上手に書き換えることで「空気を健全な方向に動かす」ことができ、議論を活発化させて、問題をより適切な形で解決できることにつながるのです。」(P.120)
会議などで空気を変えたいとき、新しい「問い」を立ててみましょう。
 ●「レッテル」をはがす
「軟弱者」「仕事ができない人」「他人の話を聞かない人」などのレッテルを貼られた人については、私たちはそれ以上の要素、それに反する「勇気ある部分」 「仕事ができる要素」「一部の意思疎通のうまさ」などを、実際に検討することがほとんどない。レッテルが間違っていることを”検討しない”誘導にか かっている。たとえば、競合他社に貼っていた「ライバル」というレッテルを「仲間」に貼り替えると、新たなチャンスを生み出せるかもしれません。
 ●選択肢を増やして可能性を高める
『①選択肢を3倍に増やし、選択肢の形を大きく変える。定された選択肢の「空気」から開放されるためには、まず選択肢の数を無理にでも増やす努力を。
②相反することを「両立できる」と決めて挑戦する。品質とお手頃価格は両立させることが難しいと思われている要素だが、その両立ができたレストランは大成功する。えて「両立できる」と仮定することで、これまでにない挑戦的な選択肢を作ることができる。』(P.232)選択肢を増やすためには「判断を先送りし、他者の意見を一旦受け止める」ことが重要。
 ●「空気」を動かすためのキラーフレーズ
 空気は、ほんのひと言で大きく変わる。その中から、使ってみようと思ったのはフレーズは
  ・「こんなとき、ほかの人ならどうしますか?」
  ・「最終的に何を達成すべきですか?」
  ・「例えば、こういう方法も可能ですか?」

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◆今日は朝から羽田に向かう。島根県でマネジメント研修で講演を行った。山田方谷、使命、今日の日本経済状況。自らの役割。進行官吏、人材育成など多岐にわたって話をする。特にビジネスコミュニケーションの重要性を強調。夕方研修生と懇談。


<昨年の今日>http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130130/p1