『最強の人生指南書 佐藤一斎「言志四録」を読む』(齋藤 孝著・祥伝社新書)から。そしていよいよあと6週間。.

◆本書は西郷隆盛が座右の書としていたことでも有名な、幕末の儒学者佐藤一斎の『言志四録』から、著者である齊藤孝さんが<仕事術><人間関係・リーダー論><学習法><人生論>に関する言葉を100個セレクトした本である。その中で印象に残った文書を取り上げたものである。

・才能よりも包容力を持て。
・才有りて量無ければ、物を容るる能(あた)わず。量有りて才無ければ、亦事を済さず。両者兼ぬることを得可(うべ)からずんば、寧(むし)ろ才を舎(す)てて量を取らん。(言志晩録・125)
・人は才能があっても、度量がなければ、人を包容することはできない。反対に度量があっても才能がなければ、事を成就することはできない。ところで、才と量との二つを兼ね備えることができないとしたら、いっそ才能をすてて度量のある人間となりたい。

・アウトプットを考えながらインプットせよ
・凡そ教(おしえ)は外よりして入り、工夫は内よりして出づ。内よりして出づるは、必ず諸(こ)れを外に験(ため)し、外よりして入るは、当(まさ)に諸(こ)れを内に原(たず)ぬべし。(言志後録・5)
・すべての教は外より入って来るものであり、工夫は自分の内から考え出すものである。それで自分の内から考え出したものは、必ずこれを外で験して正しいことを実証すべきである。また、外からの知識は、自分でその正否を検討すべきものである。これは、外から教えを受けたら必ず内側でチェックし、内側で工夫したことは、必ず外で実際に試して見なさい、という教えです。アウトプットを前提としてインプットしたほうが、絶対に室の高いものになると思っているからです。インプットとアウトプットは、分けて考えるべきものではないのです。

・学問に不可欠のものを一字で表すと
・学を為すの緊要は、心の一字に在り。心を把(と)って以って心を治む。之を聖楽と謂う。政(まつりごと)を為すの著眼は、情の一字に在り。情に循(したが)って以って情を治む。之を王道と謂う。王道、聖楽は二に非ず。(言志晩録・1)
・学問をするに当って、最も大切なことは、「心」という一字にある。自分の心をしっかり把握して、これを治める。これを聖人の学というのである。政事(まつりごと)をするに当って第一に眼を着けるところは、「情」という一字にある。人情の機微に従って、人々を治める。これを王道の道という。これら王道の道と聖人の学とは実は一つであって、二つではないのである。

・信用があればできないことはない
・信を人に取ること難(かた)し。人は口を信ぜずして躬(み)を信じ、躬(み)を信ぜずして心を信ず。是(ここ)を以って難(かた)し。(言志録・148)
・人から信用を得ることは難しい。いくらうまいことをいっても、人は言葉を信用しないで、その人の行いを信ずる。いや、本当は行いを信ぜずに、心を信ずるのもだ。心を人に示すことは難しいのであるから、信を人に得ることは難しいことだ。現代においても人から信用を得るのは難しいことですが、佐藤一斎が生きた時代は、今以上に「信」という一字が重さを持っていました。社会では私たちは常に「信」を問われています。でも、自分で思っている以上に、人はその人の信を測っています。

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◆今日からまた仕事再開。午前中にまた販促キャンペーンを実施。少し寒かったかな。いよいよあと6週間。

<同時代史>
内閣府が発表したGDP国内総生産の成長率は、物価の変動を除いた実質で、去年10月から12月期が0.3%のプラス、年率では1%の伸びとなり、2.7%の民間予測を大幅に下回った。生産拠点が海外に移転していて、日本から輸出が増えにくい構造になっていることが原因。

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