寺島実郎さんが語る「2014年という年の持つ意味」。安倍・オバマ 夕食会 “寿司” 会談の中身は… TPP、対中国 連携強化は?

◆去る4月17日から多摩大学でリレー講座が開講された。第一回は寺島学長による「2014年という年の持つ意味」。講演メモは次のとおり
・世界観と時代認識。外は広く、内は深い。全体知。トータルな知性、生きる構え。時代の解説ではなく価値に踏み込んでいる。思想・哲学・宗教など考え方の軸が必要。あるべき方向感。
・一つは「株が上がってめでたい症候群」。
・外人投資家(ヘッジファンド)は4月4日時点で15.7兆円ほど買い越し。。日本は機関投資家5.7兆円、個人投資家8.8兆円、計14.5兆円の売り越し。外人が買って、日本人が売り抜く構造。外人は年明け以降1.2兆円売り越してきたがまだ売っていない状況。バブル崩壊以降、日本人の資産家が没落。この株価上昇でギンザノミクス。
アベノミクスで通貨切り下げ。円安となったが輸出が伸びない、輸入インフレ、格差と貧困の拡大。
・欧州、ロシア、新興国はよくない。したがってまだ外人の株投資資金は日本に滞留。
・日本一人あたりGDPは3.9万ドル。世界23位、アジア3位。シンガポール5.3万ドル、ブルネイ4.3万ドル。香港3.8万ドル。貿易は赤字に。経常は4ヶ月連続赤字に。
脱工業化モデルで一人5万ドルにするにはどうするか。シンガポールモデル(医療・教育・カジノ、、)。デンマークモデル(5.8万ドル。IT・バイオ、)。観光立国、産業としての「観光。IR(インテグレイテッド・リゾート)。
・クリミア問題:石油130ドルと高騰。エネルギー制裁ができるかがカギ。EUは脱ロシアカードは切れない状態。日本はロシアのウクライナ併合で股裂き状態。
中国はリコノミクスで引き締め。ロシアには金は向かわない。日本の成長戦略を見極めている状態。
アメリカは実体経済が良くなってきている。金融引き締め。エネルギー革命(シェールガス・石油)とIT革命パート2(クラウドビッグデータ)。雇用量が増加。資金はアメリカに向かうか?
・日本の成長戦略が重要な局面。アベノミクスは外人主導の株高幻想に終わる可能性。ビジョン計画から具体策へ。観光立国、自動車以降の産業サイクル、食糧自給。
・一つは「プチ・ナショナリズム症候群。中国・韓国になめられやくないという意識。日本のイスラエル化お危惧。やっかいな同盟国化。日本に巻き込まれて米中戦争にならないか。2月10日の在日米軍司令官発言「軍事介入はしない」。アメリカの東アジア政策は影響力の最大化だ。中国とは米中戦争を避けるという合意。

◆安倍・オバマ 夕食会 “寿司” 会談の中身は… TPP、対中国 連携強化は
 午後7時に羽田空港に到着したエアフォースワンアメリカ大統領としては18年ぶりの国賓待遇の来日となる。交通規制が敷かれている中、オバマ大統領を乗せたリムジンだけが高速道路を走った。また、東京銀座では最高レベルの厳戒体制が敷かれ、道路は全て閉鎖された。オバマ大統領は都内ホテルに宿泊し、国賓には恒例の国会演説はしないとのこと。さらに、先月に中国を1週間訪れたミシェル夫人は、子どもの学校があるため、来日を見送った。オバマ大統領は都内のホテルに到着後、安倍総理との夕食会に向かった。
 オバマ大統領が訪れたのは、ミシュランで7年連続の3つ星という銀座のすし店「すきやばし次郎」。今回、日本側が居酒屋などを提案したところ、アメリカ側から同すし店を指定してきたという。同席者は佐々江駐米大使とケネディ駐日大使、日本版NSCの谷内事務局長とライス国家安全保障担当補佐官。政治ジャーナリストの後藤謙次氏によれば、日米同盟の固さを顕示し、世界共通語のすしを介在させるという意味では同盟関係をアピールする格好の舞台であると述べた。後藤氏は同席者から、安全保障問題について話題が上がるのではと分析し、TPPよりも日米同盟を優先する姿勢が窺えるとのこと。尖閣諸島などが日米安全保障条約の範疇に入るという日本の主張をどこまで米側は明らかにするかが今回の会談の焦点となる。また、TPP交渉を巡って、米のフロマン通商代表は予定よりも大幅に早く来日し、協議を図った。
 政府関係者によるときょう昼の段階でTPPで焦点の牛肉や豚肉などを含む大筋合意は困難な情勢で明日の日米首脳会談で発表する文書ではTPPの部分は白紙だった。甘利明TPP担当大臣がフロマン通商代表の会談で最後の詰めが話し合われたとみられる。フロマン代表との会談後甘利大臣は、安倍総理と1時間半に渡って協議した。また夕食会の際に、官邸サイドとしては安倍総理オバマ大統領が一緒に寿司をつまんでいる様子を撮らせたかったが、アメリカ側が断ってしまった。アメリカ側はTPP交渉が煮詰まっていないので、和気あいあいとした姿を見せたくなかったのかもしれないと、担当記者が分析した。
 「尖閣に安保適用」という見出しが読売新聞にある。あすの日米首脳会談後の共同文書のためいま事務方トップで最後の駆け引きが行われている。
 TPPについての共同文書はまだ真っ白であり、共同文書が発せられないかもしれないという厳しい状態だという。しかし今日のフロマン通商代表と甘利経済再生相との会議や先ほどのオバマ大統領と安倍総理の会食での内容は何も明かされていないので、サプライズ的政治判断が行われたと期待したい所。
 今日の会談の効果について、恵村さんは締め切りにむけてTPPの会議が加速とする締め切りの効果や言質を取る効果、仕切り直しの効果があるとしている。安倍総理オバマ大統領の先ほどの会食の写真。奥にはケネディ駐日大使と佐々江駐米大使が写っている。最後の文言の詰め、調整、攻防が行われている。

上村松園美術館>上村松園に会える未術館 http://www.burari-club.com/pages/deauj/deauj_uemura.html
上村松園 うえむらしょうえん (1875〜1949)は京都の商家に生まれる。女性の心と眼でとらえた気品ある女性像を描き、近代芸術としての美人画
完成させた女流日本画家。京都の商家に生まれる。女性の心と眼でとらえた気品ある女性像を描き、近代芸術としての美人画を 完成させた女流日本画家。1948年、女性として初めての文化勲章を受章している。
①全国初の日本画専門の美術館として昭和41年に開館。 収蔵する上村松園の作品/18点。山種美術館

<本の紹介>
・大中華圏―ネットワーク型世界観から中国の本質に迫るhttp://d.hatena.ne.jp/asin/4140815795

<昨年の今日> 「TPP反対」に大学教員870人が賛同した理由 http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130423/p1