日本を爆発させる“大ボラのススメ”

◆「日本を爆発させる“大ボラのススメ”」(2014年7月31日放送 22:00 - 23:24 テレビ東京カンブリア宮殿」より)
 村上龍小池栄子はこれまでの放送で印象に残っていることを述べた。そして孫社長は大法螺のススメについて、高く掲げた目標を最初に語り、願望が強くあればアイデアとサポートしてくれる人が現れるとコメント。
 ソフトバンク孫正義社長は小学生時代に事業家になったらプロ野球球団ぐらい持たなければならないと語っていたという。それから30数年後にダイエーホークスを200億円で買収した。1981年にソフトバンクを設立し、事業家としてスタートを切った。従業員は孫とアルバイト2人のみだったが売り上げを豆腐のように数える、丁を兆として数えるになりたいと語っていた。2005年に売上高1兆円を突破。さらに会社の利益を兆で数えたいと4連続赤字続きの中で明かしていたが、設立33年で達成した。孫正義社長はボーダフォン・ジャパンを約2兆円で買収した頃、携帯電話事業への参入を発表した。NTTドコモKDDIという携帯電話の契約率で圧倒的なシェアを誇る企業がいたなか、10年以内にドコモを越えなければ腹を切ると宣言。スティーブ・ジョブズとの交渉の末にアップルのiPhone発売にこぎ着け、シェアを拡大。13年にはアメリカにおいて携帯電話3位のスプリントを買収し、売り上げ、純利益ともにドコモを超えた。現在はトヨタを抜き、日本一となるなどの大法螺を語っている。
 ソフトバンク孫正義社長は企業を巨額で買収する際に失敗したらどうしようという悲壮感を感じていて、ボーダフォン買収の際には資金が圧倒的に不足していたという。またドコモ超えが無理なら腹を切るとの発言は事前に想定していなかったが、やる以上はそれ相応の覚悟を見せたかったという。社長は言葉に出すことで耳に伝わり、言った以上はやらなきゃという気持ちになるとコメント。
 ソフトバンクは最も繋がらない携帯と言われていたが、孫正義社長は何処でも繋がる携帯にすると語っていた。そして電波が届きにくい場所に基地局を設置するなど、電波問題に取り組んできた。繋がりにくい場所は田舎だけでなく都会にもあり、膨大な通話履歴から算出したビッグデータでその位置を割り出して小さな基地局を設置するなど改善に役立ててきた。そしてLTEスマホの接続率で1位に踊りでた。ソフトバンク孫正義社長は国内10ヵ所以上に太陽光発電所などを設置し、2万4000世帯分の電力を発電するという目標を掲げてきた。来年度末には目標を達成できる見通し。さらに「孫正義のエネルギー革命」で綴っていた、モンゴルの風と太陽で発電した電力をアジア全体で賄うという構想があるという。ソフトバンク孫正義社長はモンゴルで発電した電力をアジア全体で賄う構想について、100年以内に実現できるだろうとコメント。そして数百年に渡る規模のビジョンを持って、政治家同士は話し合うべきだと語った。さらにソフトバンクの更なる規模拡大を目指していて、小学生に時に感じたワクワクやドキドキが今もあり、情報産業は巨大なテーマでもあるという。
 アメリカ・シリコンバレーにはアップル、インテルフェイスブックなどが軒を連ねているが、現地ではロボットの開発と販売を目指すオロジックというベンチャー企業の噂話でもちきりとなっている。自慢はロボット型音楽プレーヤー「A.M.P」。こうしたなか、手術用ロボット「ダヴィンチ」の開発を行うインテュイティブ・サージカル、オリガミ・ロボティクスのシック社長によるとロボット企業がグーグルに買収されているという。グーグル本社では高い技術力を持ったロボット企業を相次いで買収していて、早稲田大学 先端生命医科学センターの高西淳夫教授によると更にロボット研究者を招聘するらしいとの噂からロボットを操作する基本ソフトを先駆けて開発するのではと推測している。ソフトバンクではあるプロジェクトが進められていて、厳重なセキュリティの下、数百人の技術者が携わっていた。それは「pepper」という、一般家庭向けに販売されるコミュニケーションロボットで、専用アプリで機能の追加も可能となる。技術者の多くはソフトバンクが過去に買収したアルデバランなどの海外エンジニアで、社長は利益が上がらなくともロボットを受け入れてもらうことを目的としていた。そして先月に「pepper」が報道陣に発表され、社長はパソコン1台の値段で発売すると述べた。      スタジオには2015年2月に発売予定のソフトバンクのロボット「Pepper」が登場し、村上龍小池栄子トークした。孫正義社長はまだ幼稚なレベルだがCPUの処理能力など様々な要素技術が整ったので開発への挑戦に踏み切ったという。投資総額は200億円で、小さな子供がいる家庭に兄弟、友達代わりに使って欲しいとコメント。今後改良が進めば、自らの意思を持って成長し、進化していくことができるという。東京・江東区日本科学未来館では人間と見紛うばかりのロボットが展示されていて、製作したのは大阪大学石黒浩教授。大阪タカシマヤでは販売員 ミナミが展示され、落語の席では桂米朝の動きをモチーフにした米朝アンドロイドが落語を行っている。石黒教授はいかに人間に似せるかこだわっている。1970年代に大学でロボット研究が開始し、1999年にソニーが「AIBO」、翌年にホンダが「ASIMO」を発売するなど各企業もロボット研究に乗り出した。その後はロボット事業から撤退するなど企業はビジネスとして成り立たせることはできなかったが、石黒教授は「カップヌードル ロボタイマー」などを開発し利益を出している。ヴイストンではそんな教授の技術を使った一般向けロボットを開発していて、ロボカップで5年連続優勝を誇るロボットが稼ぎ頭となっている。そして大阪大学の基礎工学研究科では人間と見紛うばかりのロボットが開発されていて、特殊な器具を装着した人間の動きにシンクロする。さらにロボットと操作する人間の感覚も同調している。スタジオには大阪大学石黒浩教授が登場し、ソフトバンク孫正義社長と初対面を果たした。さらに人間とアンドロイドが繋がり、人間と見紛うばかりのロボット「ジェミノイド」が用意され、孫社長も興味を示していた。そして小池栄子はロボットに乗り移るためのブースに移動し、特殊な器具を装着するとロボットは小池の動きに同調するとともに社長らに触られた感覚が操作する小池も感じていた。
 スタジオには赤ん坊のようなロボット「テレノイド」が登場し、操作室に移動した村上龍は特殊な器具を着用。小池栄子が頭を撫でると村上は触れられている感覚がすると述べた。さらにロボットの音声は変えることができる。大阪・茨木市にある特別養護老人ホーム 春日荘では中期以上の認知性患者が暮らしていて、患者が内気がちになるのが問題点となっている。だが遠隔操作できるロボット「テレノイド」が導入されると患者が積極的にコミュニケーションを取るようになり、人間と対面した際には緊張して話せないことも打ち明けているという。研究はドイツやイタリアなどでも進められている。
 ソフトバンク本社では吉本興業でエンターテイメントアプリを開発している担当者が集まり、先ごろ発表されたロボット「pepper」に芸を仕込んでいた。プログラミング経験者でない担当者でも簡単にプログラミングして動きを操作できるなど、体験者の話ではHP開発よりも簡単だという。石黒浩教授は日本のようにロボット研究とビジネスを分けることはおかしいと思っていて、新しいことをやることにおいて関係ないとコメント。さらに教授の周囲の研究者はロボット「pepper」を買いたいと話していて、市場に出れば加速度的に人工知能の開発が進められるだろうとコメント。社長もパソコン1台で変える値段や誰でもプログラミングできるシステムにこだわることで研究開発も進むと推測している。ソフトバンク孫正義社長は中国のように労働人口が多いことは日本にとって国力の差に繋がるが、日本で産業用の人型ロボットが開発されたあかつきには生産工程のあらゆる部分で活躍し人材をカバーするラストチャンスとなるだろうとコメント。鴻海精密鉱業のテリー・ゴー氏によるとiPhoneはロボットでないと生産できないほど精密になっていて、社長はロボットが人間を超え始めていると感じたという。また石黒教授はロボットが日本で開発された背景には日本のロボット産業の強みがあると語った。そして社長は30年以内には一家一台はロボットがあるだろうと述べたが、教授はゲームなどの普及速度を考えると更に早い可能性はあると語った。
 収録を終えた村上龍は、「放送400回目の記念すべきゲストの孫正義社長は次々とホラを実現させて多様性と可能性を示し続けている。そして人型ロボットが人間と共存するというフロンティアに向けて今も走り続けている。今後もそういった冒険を番組では注視し続ける」と振り返った。