「主座を保つ」とは。(松下幸之助[一日一話]より)

◆指導者というものは、どんなときでも、自分みずから、“このようにしよう”“こうしたい”というものは持っていなくてはならない。そういうものを持った上で他人の意見を参考として取り入れることが大事なのであって、自分の考えを何も持たずして、ただ他人の意見に従うというだけなら、指導者としての意味はなくなってしまう。要は指導者としての主体性というか主座というものをしっかり持たなくてはいけないということである。主座を保ちつつ、他人の意見を聞き、ある種の権威を活用していく。そういう指導者であってはじめて、それらを真に生かすことができる。(「松下幸之助[一日一話] 6月2日 主座を保つ」から転載・引用)
 まさに、「主座とは自らの拠って立つところを明確にし、主体性をもって事に当たること。」である。衆知を集めることとは対極にある言葉かもしれないが、もし、主座がなければ、人の言うことに一々右往左往してしまうことにもなりかねない。やはり、衆知を集めていくためにも、自らの判断基準や立脚点をはっきりさせた上で、人の意見に耳を傾けていかなければならない。すでに自分の考えは、ほぼ決まっている場合でも、周囲の意見をよく聞いて、物事を判断すべき。将に生涯を通じて、素直な心で情報を吟味して、結論を導いていく努力が自らに求められている。「君の明らかなる所以の者は、兼聴すればなり。その暗き所以の者は、偏信すればなり。」(『貞観政要』)という言葉がある。兼聴とは多くの人の率直な意見に耳を傾け、その中から、これはと思う意見を採用すること。偏信とは1人あるいは2-3人の言うことだけを信用することだと故・山本七平氏は解説している。将に、兼聴とは衆知を集めることに他ならない。とかくリーダーは裸の王様になりがち。そうならないためにも、主座を保って、素直に衆知を集める努力をしていかなければならないのであろう。
 リーダーというのは、何を持って組織を引っ張っていくのか?
 ・ヴィジョン(方向性)、コンセプト(テーマ)を自ら定めることができる
 ・そして、他人の話を聞いて考え方の中心軸が右往左往しない(ブレない)
 ・しかし、他人の意見を(肉付けとして)柔軟に取り入れることが出来る。
 自分の考えを持っている人に部下はついて行きたいし、信頼がおけるのだと思う。また、チームに一体感を持たせ成果を出すことが出来るはず。いかに、自分と組織の向いているベクトルが同じにするのか。どう部下の気持ちを揺り動かすのか。このリーダーシップの発揮は、まだまだ難しいものである。

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<今日のニュース>
◆過激派組織ISがネット上に公開。
 過激派組織ISがインターネット上に公開した博物館や遺跡とみられる場所で戦闘員が次々に展示物の石像などを破壊している様子が流れた。文化財の保護を行っているユネスコは破壊行為を非難するとともに被害の確認を急いでいる。
◆あす明け方にかけ 雪・風強い状態続く。
 発達した低気圧の影響で北日本では雪をともなって非常に強い風が吹きところによって吹雪となっている。雪や風の強い状態はあすの明け方にかけて続く見込みで暴風雨や高波などによう交通への影響に警戒が必要とされた。北海道ではあす夕方までに最大60センチの雪が降る予想で大雪や猛吹雪による交通障害や高波などに警戒が必要。
求人倍率 ”ほぼ横ばい”。
 先月の有効求人倍率は、東京は前月比増減0、群馬が0.03ポイント低い1.17倍などほぼ横ばいだった。厚生労働省は、関東地方の求人倍率は高い水準を維持しており、雇用情勢は堅調に推移しているとしている。

<2月27日生まれの先人資料館>
●白鳥省吾記念館 http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/12,0,79,html
  
<2月27日生まれの先人の言葉>
●白鳥省吾
 ・万感の書を読み千里の道を行き生死を天に任じ世界の山河に放吟す。
長谷川一夫
 ・芝居も踊りも好きな人に見せるように演じなさい。
豊田章一郎
 ・ものの事実は手でつかむことだ。読むだけ、見るだけではわからない。
 ・設備が同じでも、もっと効率的に作れないのか。それと、腕を磨くことには無限の可能性がある。