「あいつより 上手いはずだが なぜ売れぬ。」(森光子)

<5月9日生まれの先人の言葉>
岡野喜太郎
 ・波乱の多かった95年間の生涯を顧みて、つくづく思うことは、私の一生は毎日毎日が真剣勝負のようなものであったということである。
 ・貯金は人を自立させ、家を繁栄させ、国家を隆盛に導く早道であると、私は信念を持っています。
 ・人のやることは何でもやる。人よりはよくやる。決して人に負けない。それが私の信条であった。また、もって生まれた気性でもあった。子供のときから道で前の方を歩いている人を追い越すことに興味を持ち、幾人も幾人も追い越すと、それはひとつの喜びであった。
 ・経営といっても何も難しいことではない。それは平凡に徹することである。私のような何の学問も経験もない者でもなんとかやってきたのである。煎じ詰めれば「入るを計って出を制する」一軒の家の経営と同じである。
●森光子
 ・小さいうれしいことをふくらませていこう。
 ・すべてに100%やりたいけれど、それは無理だから、女優だけ選んだの。
 ・人生は精いっぱいがんばって生きるのよ。人生とはぴんぴん生きてれば、ころりと逝くものよだから安心して毎日ガンバルことです。
 ・あいつより 上手いはずだが なぜ売れぬ。
 ◆「森光子一座記念館」http://www.morimitukoichiza.com/
 加賀IC近くの"月うさぎの里"から約20分ほどで山中温泉に着く。その細長い温泉街を走っていくと、ほぼ中心部あたりの通りに面したところに"森光子一座"という幟が立っているビルがある。このビルの一階が「森光子一座記念館」で、元信用金庫だったところをそのまま利用しており、記念館としては急ごしらえの印象がある。
 入口から時計回りの順路に従っていくと、(でんぐり返しで有名な)木賃宿のセットや(ラストシーンの)毛布をかけて座卓に寄りかかる場面のセットなど、放浪記の舞台のセットが再現され、写真,衣装などが展示されている。
 次に「貴賓室」と書かれた部屋があり、ここには「国民栄誉賞」「文化勲章」の賞状やメダルが展示されている。日本アカデミー賞レコード大賞の賞状やトロフィーなどもあり、国民栄誉賞受賞時に着た着物まで展示されていた。
 その次の部屋では、森さんの楽屋が、全て実物で再現されている。入口には中村勘三郎さんから贈られた「楽屋のれん」が飾られ、ジャニーズのアイドルたちのサイン入りの「イオン発生器」などもある。化粧道具など細かいものまで再現され、今でも鏡台の前に森さんが座っているのではと錯覚するほどよくできている。
 最後の部屋はミニシアターになっていて、デビューから晩年までの森さんの活躍を映像で見る事ができる。そして中央の入口近くに戻ると森さんの等身大の着物を着た像(顔がないが)があり、握手することができる。意外に小柄で手も小さい。こんな小さな体で92歳まで頑張ったんだと改めて感心させられた。全体として、森さんの舞台(特に放浪記)を中心に女優としての活躍を表現し、国民栄誉賞等の栄誉を受けた彼女の輝かしい経歴を顕彰している。敢えて注文をつければ、放浪記で主演を務める以前の若い頃の経験や苦労、戦地や進駐軍キャンプ回りの歌手時代の事や結婚・離婚などについては一切触れられておらず、人間・森光子(村上美津)の記念館としては、少し物足りない印象であった。

<今日の名言>
ベンジャミン・フランクリンアメリカの物理学者で政治家)
 ・人間の幸福というのは、滅多にやってこないような大きなチャンスではなく、いつでもあるような小さな日常の積み重ねで生まれる」

<季節のことば>
・蜃気楼
 春の季語にもなっている「蜃気楼」。有名な名所は、富山県魚津市。 蜃気楼が現れる気象条件は、晴れて風の弱い日。海の温度と空気の温度差がある時に、光が屈折して、遠くの景色が見えたり、逆さまになったりする。ちなみに東京湾でも見られる。冬に見られるということで、一度見てみたいもの。


<今日の雑感>
・体調はまだまだ不十分。なんとかこの週末でなおしたい。この週末はゆっくりと過ごしたいものである。