日本で起きている変化そして声を上げはじめた人々

◆『風をよむ・日本で起きている変化そして声を上げはじめた人々』(2015年9月6日放送 8:00 - 9:54 TBS 「サンデーモーニング」より)
 8月30日、国会周辺を埋め尽くした安保法案に反対する集会、参加人数は主催者発表で12万人、警察発表で3万人以上、過去最大規模となった。とりわけ目立つのが大学生を中心とする若者たちの動き、この日、こうしたデモや集会は全国300か所以上で開かれた。海外メディアも注目、イギリスのBBCは「日本の若者は政治に無関心、無気力と批判されるが、彼らは目を覚まし、沈黙していられないと立ち上がったようだ」と報じている。振り返れば、1960年の安保闘争の際、反対の声が高まる中、ときの岸信介総理大臣は「声なき声に耳を傾けなければならない」と語った。
 1960年に起きた安保闘争、当時の岸総理は「声なき声に耳を傾けなければならない。今は声ある声だけです」と発言した。デモで叫ぶ声よりも声を上げていない人々の声を自分は聞く、そちらの声は安保条約に賛成だという。60年代、アメリカで起こった公民権運動の指導者として知られるキング牧師は「最も悲劇的なのは悪人たちの辛辣な言葉や暴力ではなく、善人たちの恐ろしいまでの沈黙と無関心である」と言葉を残している。
 デモ活動の高まりについてトークキング牧師の言葉について、声を上げない習慣のある日本人には特に突き刺さるなどと答えた。寺島実郎さんは、活動の高まりにより憲法改正のハードルが上がった、政権を一時奪取した民主党にも与党と同じ考えの者がおり受け皿となりえていないと答えた。浅井慎平さんは、政治家に元気がなくなっているように感じると話した。西崎文子さんは、デモの背後には熱心に政治を勉強する一般の人々も多い、選挙以外の政治参加の方法も確立されつつあるなどと話した。安田菜津紀さんは、東日本大震災の被災地では支援活動などから自衛隊を目指す人が多く、法案による自衛隊の活動への影響を懸念する声も生まれていると話した。中西哲生さんは、オリンピックを含めたすべての問題がつながっていると感じる、問題を他人事と思わず考えることが必要などと答えた。岸井成格さんはキング牧師の「沈黙は罪」という言葉を取り上げ、無謀な戦争を止められずいま政権の暴走に立ち向かうメディアの責任も問われるなどと答えた。

◆新宿・伊勢丹前のホコ天で、安保法案反対行動。(15時過ぎ)
 ・新宿、歩行者天国 ハンパない。30日の国会正門前を彷彿とさせる。新宿ジャック
 

<今日の言葉>
● 二―ル・アームストロング(アメリカの宇宙飛行士)
 ・いつも成功ばかりさせていたのでは、問題点があっても分からないままになってしまうだろう。

<季節のことば>
●秋の風 あれこれ。 雁渡、芋嵐、色なき風...などなど。風に色んな表現があります。季節の変わり目は体調を崩しがちです。(気象予報士三ヶ尻知子)
 ・「雁渡(かりわたし)」 雁が渡って行く初秋のころに吹く北風。
 ・「芋嵐」 芋の葉がふれあい音をたてて嵐めくこと。
 ・「色なき風」 華やかな色や、艶のないこと。
 三ヶ尻さんがオススメのモノは「バンダナ」今年の秋はポイントに「バンダナ」が流行の兆しだそうである。首元を温めると体感温度が2〜3℃上がるそうです。

<9月6日生まれの先人の言葉>
●西村京太郎(作家)
 ・人間、どこかで「何とかなるサ」って開き直ることがないとね。
 ・子供の頃、心のやさしい人にまで何故不幸が襲いかかってくるのか、不思議でした。今でも、この素朴な疑問は消えませんが、あるいは、不幸に堪えること、不幸と戦うことを、教えようという神様の心かもしれません。
岩城宏之(指揮者)
 ・上手くいっているのにどうして解散にこだわるのかというと、新しくする必要があるからです。時間がたつと楽員たちも、指揮者の僕もマンネリになっているかもしれないからです。
 ・何年やったかというのは誇ることではありません。ゴミがたまっただけなのです。何年記念なんてバカみたいだと思います。本当の伝統は昨日までのすべてを壊してもう一度作り上げて、たまたま3年前と同じになるというものでしょう。
黒岩彰(スピードスケート)
 ・五輪には魔物がいるという。でも魔物を作っているのは自分なのだ。作らなくてもいい魔物を心の中に作ってしまう。
岡崎朋美(スピードスケート)
 ・周りが勝手に限界を唱えるんです。もったいない。これからが面白いのに。