他人から吸収することで学んでばかりいると、自分からは積極的にものごとを考えなくなる。(池田菊苗)

寺島実郎さんは語る。「貿易問題について」
・TPP:環太平洋の自由化のスキーム。FTA(自由貿易協定)はユダヤ人の発明。1985年の米・イスラエルが最初、1991年には米・カナダ。1992年にはメキシコを加えた北米自由貿易協定。当時の日本の通産省ハバイ(2国)からマルチ(多国間)の流れという認識でWTOに傾斜。自分は日米自由貿易協定を提言していた。またバイもマルチもという意見だった。ところが二国間協定の流れになってきた。日本は遅れたためEPA(包括的経済連携)という言葉を使って巻き返しに入った。現在、15カ国とEPAを結んでいる。TPP参加国のうち7か国とは二国間協定を締結済)。ところがアメリカは2102年に冠国とFTAを結び、それで打ち切った。日本は実質的な日米自由貿易協定であるTPPに入らざるを得なくなった。
・2013年時点で、TPP参加によって3.2兆円のGDP押し上げ効果との試算。自動車関税2.5%で韓国に押されている。「大筋合意」との説明だが、2.5%は20年続くことになったし、400品目の自由化で39%の食糧自給率はこのままでは30%を切ることになる。コメの自由化のミニマムアクセスでは現在77トンに加え、米豪から7.84トンが加わり、計85万トンの輸入米となる。これをどうするのか。ODAで途上国にという案まで。疲労困憊による合意。
・韓国は大統領府は産業界に「農業を支えよ」という指示をだしている。工業界の技術・人材・資金を使ってバイオ農業などに。今頃政府は総合対策などと言っているが10年遅い。産業と農業の連携が必要だ。日本の「食」を支えて、むしろ自給率を上げるような方向へ。
クリントン次期大統領候補がTPP反対と意思表示するなど不透明。複雑骨折。
・貿易立国の日本にとって貿易のルールづくりはサバイバルファクターだ。

<10月8日生まれの先人の言葉>
●池田菊苗(化学者)
 ・他人から吸収することで学んでばかりいると、自分からは積極的にものごとを考えなくなる。
宮沢喜一(第78代内閣総理大臣
 ・政治家というのが、そういう特殊な人間であってはいかん。と思うのです。むかしのギリシャみたいに、市民みんなが、当番でもって代議士になり、大臣になったりする、そういう性質のものとして考えるようになるべきだ。