東京を歩く⑦「自然豊かな清澄庭園」。

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◆自然豊かな清澄庭園
 岩崎弥太郎も造成に携わった都心の憩い場で歴史散歩してみる。ブルーボトルコーヒーの1号店がオープンし、コーヒーの街としても注目を集めている清澄白河。東京駅から電車でわずか15分程度と、都内の中心に位置している清澄白河ですが、この場所には都心とは思えないほどに、豊かな自然がある。入場料の150円を支払って、入ると、自然の多さに圧倒される。周り一面に草木が咲き乱れていて、ここが都心であることを忘れてしまうほど。ちなみにここは文部科学大臣によって指定される、「東京都指定名勝」にも選ばれているそうだ。
 清澄庭園の歴史を辿ってみると、明治11年1878年)にまで遡る。当時のこの場所には、江戸の商人、紀伊國屋文左衛門の屋敷が存在していたと言い伝えられている。この紀伊國屋文左衛門ですが、正確な記録が残されていないらしく、まだまだ謎な点がとても多い人物なのだとか。そんな人物が住んでいた跡地とも言われるこの場所を、当時は既に荒れ果てていたにも関わらず、実業家であり、「三菱財閥」の創業者としても有名な岩崎弥太郎がまるごと買い取った。岩崎弥太郎と言えば、2010年にNHKで放送された「龍馬伝」の俳優・香川照之さんの演技が記憶に新しく、絶妙な演技がとても印象的でした。当時、岩崎弥太郎は三菱社員の接待や慰安を行う場所を作ろうと新たな建設に着手。明治13年には「深川親睦園」という当時の名前で完成まで辿り着いたそうで、立派な造りの庭園が造成されていた。その後、岩崎弥太郎の死後もこの工事は継続して進められ、明治を代表する庭園のスタイルである「回遊式林泉庭園」が誕生した。
 回遊式林泉庭園」の内部には、
 ・清澄庭園紀州青石
  一見、ただの普通の石かと思いきや、実は「紀州青石」であり、清澄庭園には名石と呼ばれるような代表的な庭石が多数置かれている。
 ・清澄庭園の大正記念館
  以前ここで大正天皇のお葬式が行われたことが名前の由来となっている。しかし、当時の建物は戦争で焼失してしまったため、現存している建物は平成元年に再建された。
 ・清澄庭園の泉水
  清澄庭園の中心に位置している「泉水」と呼ばれる池は、清澄庭園が作られたばかりの当時は、隅田川から水を引っ張ってきていたらしい。池の中には鳥や鯉、カメなどが泳いでいた。
 ・庭園の植物
  白、ピンク、オレンジと色とりどり。これほどきれいな花が咲いている場所は、東京都内ではなかなか無いかも。園内をゆっくりと散歩しているだけで、随分と癒されそうである。
 ・清澄庭園の鹿おどし
  高級料亭や日本の伝統的な場所にあるイメージですが、清澄庭園にもありました。水が流れ落ちる音と竹の当たる音が何とも風流。
 などである。時期によってはライトアップもあるらしい。
 ●名称:清澄庭園
 ●住所:東京都江東区清澄3丁目3-9
 ●アクセス:東京メトロ半蔵門線都営大江戸線清澄白河駅」から徒歩約5分

<11月28日生まれの先人の言葉>
寺田寅彦(物理学者、随筆家)
 ・健康な人には病気になる心配があるが、病人には回復するという楽しみがある。
 ・興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合がどうも多いようである。
 ・美術家は時に原始人に立ち返って自然を見なければならない。宗教家は赤子の心にかえらねばならない。同時に科学者は時に無学文盲の人間に立ち返って考えなければならない。
 ・疑うがゆえに知り、知るがゆえに疑う。
宇野千代(作家)
 ・追いかけてはいけない。追いかけないのが恋愛の武士道である。
 ・夢中で生きることが、生きていく目的。
向田邦子(脚本家・小説家)
 ・おかしな形はおかしな形なりに均衡があって、それがみんなにとってしあわせな形ということも、あるんじゃないかなあ。
 ・言葉は恐ろしい。たとえようもなく気持ちを伝えることの出来るのも言葉だが、相手の急所をグサリと刺して、生涯許せないと思わせる致命傷を与えるのも、また言葉である。
 ・水商売ってのは、七年やりゃ一人前になれるもんだけど、夫とか妻ってのは、七年じゃあ、ダメなのねえ。

<本の紹介>
・思い出トランプ(向田邦子著・新潮社)
 http://www.amazon.co.jp/%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%90%91%E7%94%B0-%E9%82%A6%E5%AD%90/dp/410129402X
 ・日常のふとした出来事から思い出される、ちょっと胸が疼くような話の数々。全部で13の短編集から成るが、本のタイトルまでオシャレな向田邦子。「月旦」「安普請」等々、普段聞き慣れない言葉がちらほら。彼女の文章の巧さはさることながら、日本語って素晴らしいと思わせてくれる本である。例えば、『大根の月』は、とある事故がきっかけで家庭内に様々な心苦しさが蔓延する話。不和を起こした家族は一時的に分離の道を選ぶ。父の無念さ、母の申し訳なさ、姑の息子と孫を想う歪な愛情、どこの家庭にもありそうなどれも共感できるものだから余計に胸が痛む。でも、本書中の「酸っぱい家族」最後の一文「この店にはもうひとつ、捨てなくてはならないものがある」何でしょう。 向田作品を読み返しているが、大人になったつもりだったが、まだまだ自分にはわからない機微なんだろうか。共感する場面もあるが、わからない場面もある。
 この作品の書評 http://ytera22book.hatenablog.com/entry/2015/04/09/%E3%80%90%E6%8A%89%E3%82%8A%E5%87%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%BF%83%E3%81%AE%E6%A9%9F%E5%BE%AE%E3%80%91%E6%9B%B8%E8%A9%95%EF%BC%9A%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
・流星ワゴン (講談社文庫・重松清著)
 http://www.amazon.co.jp/%E6%B5%81%E6%98%9F%E3%83%AF%E3%82%B4%E3%83%B3-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%87%8D%E6%9D%BE-%E6%B8%85/dp/406274998X