「弱気は最大の敵」(津田恒美)

津田恒美(元広島東洋カープ投手)
弱気は最大の敵
 猛虎打線の中心であったランディ・バースに「打てるものなら打ってみろ」という気概でストレート勝負を挑んだ炎のストッパーである。高校時代は「ノミの心臓」と言われたが、指導者から「弱気は最大の敵」と教えられ、座右の銘として、ストレートで真っ向勝負を挑んだ投手であった。32歳の若さで病魔に襲われ、この世を去った伝説の投手である。闘志を剥き出し、ピーク時153km/h(6月28日にマーク)の剛速球と縦横の鋭いカーブを武器に相手打者に敢然と立ち向かう姿は、『炎のストッパー』と形容された。
 初代の広島市民球場にはその功績と人柄を讃え、「直球勝負 笑顔と闘志を忘れないために」の文章が浮き彫りにされたメモリアルプレート(津田プレート)が設置されていた。同球場に設置された個人の記念碑は、連続試合出場記録を樹立した衣笠祥雄に次いで2人目。現在、このプレートは2009年に開場した広島の新本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島に移設されている。