羽村取水堰(玉川上水取水堰)

<今日の江戸学>
◆東京羽村多摩川河畔にある、承応2年(1653)通水の羽村取水堰玉川上水取水堰)は、東京都羽村市にある多摩川の堰。玉川上水の取水口(水源)である。正式名称は東京都水道局羽村取水堰。東京都水道局が管理している。1654年(承応3年)、玉川上水開削時に設置される。現在の形態になったのは1900年(明治33年)。この堰は固定堰と投渡堰(なげわたしぜき)の2つの堰で構成されている。投渡堰とは堰の支柱の桁に丸太や木の枝を柵状に設置する方法であり、大雨時に多摩川本流が増水した場合、玉川上水の水門の破壊と洪水を回避する目的で、堰に設置した丸太等を取り払って多摩川本流に流す仕組みになっている。この仕組みは堰が設置された1654年(承応3年)からほぼ変わらず現在に至っている。固定堰と投渡堰の境には、かつて江戸(東京)へ木材を運ぶために設けられた筏の通し場が設置されている。この羽村取水堰から玉川上水土手の約1kmの間は桜の名所でもある。堰の脇にある水神宮(玉川水神社)の境内には、水門や堰堤の管理事務所だった羽村陣屋の門が残る。水神宮は、私財を擲って工事にあたった玉川庄右衛門・清右衛門兄弟が建立。また、当所には玉川上水の開削を請負ったといわれる玉川兄弟の銅像が建立されている。