北国街道、そして小諸。パナマ文書、21万社の情報公開。

◆北国街道(ほっこくかいどう)は日本の街道である。江戸幕府によって整備された脇街道で、北国脇往還(ほっこくわきおうかん)、善光寺街道(ぜんこうじかいどう)などとも呼ばれている。追分で中山道と分かれ、善光寺を経て直江津北陸道に合流する。「北国街道」 はロマンを感じさせる。 しかし、北国街道というと、通常、中山道鳥居本宿から長浜、木之本を経て、栃ノ木峠を越えて越前に至る街道を思い浮かべる人が多い。街道の名はさまざまにあり、中山道追分宿から越後の高田宿までを北国街道と呼び、高田から先、北陸三県経由で近江の中山道鳥居本宿までを北陸道と呼ぶ。そもそも、「北国」 とは何か。辞書で調べてみると、「北陸道の諸国」 という。そもそも、街道の呼び方は、しっかり管理された五街道をのぞけば、かなりまちまちで、この道を行けばどこそこに行ける、という程度の意味で使われたようだ。だから、同じ街道でも、土地によって呼び方が違うことが多い。 北国、すなわち、加賀や越前に行く道なのだが、越後では高田から西の北陸道を、もっと直接的に加賀道とか加賀街道というらしい。軽井沢から善光寺を経て越後高田へ続く脇往還、北国街道の宿場として栄えた長野県小諸。富裕な城下町にして宿場町「小諸宿」。小諸城を中心とする城下町。宿場としての機能が加わることで商業もめざましく栄え、江戸中期には東信濃随一の経済圏を形成。特に醸造業は信州の最先端にあった。街道沿いの商家に往時の面影が色濃く残る。
 小諸の町は、千曲川の段丘の上にある坂の町である。島崎藤村ゆかりの地で、作品にたびたび登場する。「千曲川のスケッチ」 には、「一体、この小諸の町には、平地というものがない。 すこし雨でも降ると、細い川まで砂を押し流すくらいの地勢だ」とある。同じく、「小諸はこの傾斜に添うて、北国街道の両側に細長く発達した町だ。 本町、荒町は光岳寺を境にして左右に曲折した、主なる商家のあるところだが、その両端に市町、与良町が続いている」 とも書かれている。 その本町に、実は小諸宿の問屋や本陣がもともとあったのだが、寛保2年(1742年)に起きた千曲川水系最大で、後に「戌の満水」 といわれる大洪水で本町が流失してしまったそうだ。そのため、本陣や問屋は市町に移ったそうだ。 
 「満水」 という言葉が洪水を意味するとは知らなかったが、その 「満水」や 「洪水」 は、どうやら大きな 「土石流」だったらしい。火山周辺特有の地質がもたらしたもので、浅間山による災害だったのかもしれない。 天明の大噴火(天明3年、1783年) よりかなり前の災害だったが、この時代、噴火活動が活発で、再三の降灰もあったようだ。谷も、たびたびの大水で削られて深くなったのだろうか。東海道の富士山噴火による大打撃や、中山道の、木曽三川の度重なる出水など、どこも自然の猛威にさらされてきたが、この北国街道でも、千曲川水系の水害によって、小諸だけでなく多くの宿場が被害を受けたことが、いくつかの宿の歴史に示されている。城下町でもあり、街は独特の趣を残している。
 小諸市立歴史資料館は、1800年前後に建築されたとされる本陣上田家主屋を移築して開館。本陣主屋(http://komoro-honjin.com/)は、小諸宿を通る参勤交代の大名などが休泊した建物で、旧部材を可能なかぎり使用し、間取り、寸法なども当時に忠実に移築再現されている。

パナマ文書、21万社の情報公開=ソフトバンク伊藤忠の名―国際報道連合
 【ワシントン時事】タックスヘイブン租税回避地)に関する「パナマ文書」の分析に当たる国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ、本部ワシントン)は9日午後(日本時間10日未明)、タックスヘイブンに設立された約21万4000法人の情報をホームページで公開した。
 ソフトバンクのグループ会社や伊藤忠商事、丸紅などの名前を含んでおり、実態が不透明なタックスヘイブンを日本企業が幅広く利用していることが明らかになった。
 公開されたのは英領バージン諸島や米ネバダ州、香港をはじめとする21カ所の登記情報など。日本関連では設立された24の法人のほか、400近い出資者などの名前があった。ソフトバンクは取材に「中国企業の要請で出資したが、撤退した」と答え、伊藤忠と丸紅は「適切に納税している」と説明した。インターネット通販大手の楽天UCCホールディングス(本社神戸市)の代表らの名前も公表されたが、いずれの関係者も適切な税務対応を講じたと強調した。
 タックスヘイブンは税率が低いほか、法人設立手続きが容易とされ、多くの企業が節税以外の目的でも利用している。日本では利用者が適切に所得などを申告すれば、脱税に当たらない。
 パナマ文書をめぐり、アイスランドのグンロイグソン首相が4月に資産隠し疑惑で辞任。ロシアや中国などの有力者の不透明な資産運用も取り沙汰された。現時点で日本の政治家の名前は確認できていない。ICIJは情報公開で幅広く協力を求め、実態解明を進める意向だ。(5月10日 時事通信)