お江戸ルほーりー文化講座④ 江戸は大変?!〜八百八町の災害と復興〜に参加。

◆今日は、千代田区立日比谷図書文化館で行われたお江戸ルほーりー文化講座④ 江戸は大変?!〜八百八町の災害と復興〜に参加。江戸文化歴史検定1級を最年少で取得した江戸にくわしすぎる文化人タレント・ほーりーこと堀口茉純氏による「お江戸ルほーりー文化講座」第4弾。江戸時代は天下泰平と言われたものの、この265年の間に度重なる大火に富士山&浅間山の噴火、3度の大飢饉にコレラの流行、安政の大地震などありとあらゆる災害に江戸の町は見舞われました。しかし、復興は意外にも早かったのです。災害への幕府の対応、そして災害から生きながらえた庶民の知恵を、浮世絵などを用いて解説。災害から町を守る、命を守る方法を江戸から学ぶ。安政の江戸地震安政暴風雨、そして明暦の大火の三点のえどの災害と復興の様子を語る。
 9月28日(水)にお江戸ルほーりーこと堀口茉純氏を講師に迎え、お江戸ルほーりー文化講座の第4弾「江戸は大変⁈〜八百八町の災害と復興〜」が開催された。
 はじめに堀口氏は講演会のチラシに掲載した浮世絵「世直し拳」を紹介。鯰のようなオジサンと雷のようなオジサン、そして頭の部分が火になっているオジサンが、狐拳というお座敷遊びをやっているという愉快な浮世絵を紹介しました。(「世直し拳」国立国会図書館デジタルコレクション『地震鯰絵』より)
 まずは「地震」のお話です。「江戸地震大火方角付」という絵図を見ながら、安政2年10月(1855年11月)に起こった安政江戸の大地震について解説、直下型地震マグニチュードは6.9〜7と推定されています。夜に起こったため、火災が頻発し、絵図を見ると、江戸城の東側が真っ赤になっている様子が分かります。ただ地震からの復興は早く、地震直後に描かれた浅草寺五重塔の先端部分の九輪は曲がっていますが、地震翌年の夏に出された歌川広重の浮世絵『名所江戸百景』の「浅草金竜山」では九輪はすでにまっすぐに描かれていることに驚かされます。
 次は「雷(台風)」です。安政の大地震から1年を待たずして江戸を襲った安政3年の大風災。地震では1万人の死者が出ましたが、この大風災では10万人の死者が出たといわれています。江戸の主な風水害は134件にのぼるそうで、結構な頻度で洪水被害があったことが分かります。堀口氏が見せてくれたのは、その時の築地本願寺の様子。本堂の建物部分が崩れ、大屋根が地面に落ちています。しかしその傍らには大屋根の瓦をバケツリレーのごとく運んでいる老若男女が描かれています。「ご門跡がたいへんなことになった」と皆が駆けつけて作業をしている様子が分かります。幕府に何かしてもらうというよりも、自治意識が高かった江戸人。おかげで4年後には本堂が落成。当時の江戸の市街地を一望できるパノラマ写真には、元通りになった築地本願寺の本堂が写っていました。
 さて最後は「火事」。時代は幕末から一気にさかのぼって、江戸時代になって50年足らず、4代将軍家綱の時代。その時に未曽有の火事「明暦の大火」が起こりました。江戸人の非常時のコミュニティがしっかりしているのは、この経験があったからこそだと堀口氏は述べます。明暦の大火は3回にわたって出火。江戸の町の6割を焼失し、死者は10万人といわれる大惨事でした。
 4代将軍家綱はまだ幼く、保科正之松平信綱の幕閣が復興に奮闘。大名たちが町の人のために炊き出しをしたり、武家地でなく市街地の復興を優先させたり、火事で焼かれた江戸城天守は「無用の長物」として再建しなかったり(いまだに天守はありません)、また下総と武蔵をつなぐ両国橋もこのときできたそうです。それ以降、いかに暮らしやすいかという点に重きを置いて江戸の町は作られていったのです。
「江戸っ子は宵越しの金を持たない」、と言われますが、「ほんとうは持てなかったのでは」、と堀口氏は語ります。265年の江戸時代、江戸で大火は500件あったとのことです。“ある日火事でお金を失ってしまうかもしれない、だけど火事の多い江戸であっても、ここで暮らしたい。その中で生きるにはどうすればいいのか”
──江戸人の考え方を知ることによって元気、そして勇気がわいてくる。その土地の歴史を知ることで防災、減災につながると、堀口氏は締めくくりました。 会場の日比谷図書館文化館の企画展も常設展も面白かった。北斎先生の三国志の挿し絵、趙雲が阿斗を救いだすシーンらしいんだけど集中線の原型らし表現していた。

◆江戸検への道。試験日まで36日。
<今日の読書記録>
江戸城  読書中
・幕末維新 読書中
・徳川15代 完了
・江戸博覧強記 ⑨ 読書中

◆寺島文庫リレー塾2016「世界秩序の変革期−−日本の正しい道を考え抜く」第一回、寺島実郎さん。
・2016年夏というメモを。寺島文庫はサバイバルをかけたフィールドワークのための文献研究の結果。ボルティング(脱皮)のストーリー(企業−国家−グローバルへ)。インテリジェンスとは課題解決型の情報活動。
・2016年夏:米国・欧州・アジア。気づきとつながり。・情報環境の変化とグローバルジハード。米国はテロ対策で1兆ドル(100兆円)を支出。
・欧州:イギリスのEU脱退(BREXIT)はシルバーデモクラシーの結果。43歳が分かれ目。若年層はEU残留、高齢層はEU脱退。シティはどう動いたのか?オープン系金融はEU残留支持だが、シャドー系金融は脱退支持。理由はEUの透明化・金融取引税に嫌気。GDPの4倍のマネーゲームという現状。身の丈を超えた肥大化したマネーをどう制御するか。
・米国大統領選。トランプ70歳、クリントン69歳。シルバーデモクラシーの象徴。・ビル・クリントンの1999年のグラススティーガール法(金融と証券の垣根をとる)の廃止で金融工学が盛況になり、2008年のリーマンショックオバマ政権はリーマンショックイラク戦争反対で登場。・トランプ:不動産王。金メッキ。信条はディール(取引)。ジャパンバッシャー(7割が日本側負担という現実)。暴言。率直のイメージ。・ヒラリー:NYCを基盤。ウオールストリートの影響。知日派の安保マフィア(アーミテージなど)が取り巻く。
・米国:成長率は2%台と高い(化石燃料革命・IOT)が、貧困率が上昇中。2000年11.3%、2014年14.8%。白人も12.7%、これがプア・ホワイト。サンダース減少を生んだ。
・経済政策:反TPPで一致。グラススティーガル法の復活か。
・日本:2016年のテーマ「宗教とマネーゲーム」。
宗教戦争は妥協なき戦いとなる。宗教に寛容な日本人は「宗教間の対話」を主張すべきだ。(世界宗教者平和会議で基調講演)
・65歳以上が3割。いずれ4割に。有権者の5割、投票者の6割になる。老人の政治へ。下流老人の増加。65歳以上の平均では一人2500万の貯金、しかし65%は1000万以下。有価証券の72%は65歳以上が保有しており株の上昇に期待。それがアベノミクス支持になる。株はGPIF・ETFなど公的マネーが支えている。39兆円(安倍政権で25兆円)。上場企業の4分の1が筆頭株主が公的マネーという結果。健全な資本主義とはいえない。何でもあり。後代に負担。
・40歳から60歳の壮年世代がひどくなっている。勤労者世帯可処分所得は、1997年のピーク時から20年間月7万円(年刊84万円)の減少。当時40歳で現在60歳の人は1600万円が消滅。