川口市安行、そして1歩を踏み出せば、確実にゴールに近づく。

●埼玉県川口市安行。江戸時代から関東ローム層の火山灰の土地をいかした「植木の里」として知られている。江戸の町が大火で焼けた時に、植木や草花を供給してきた安行には、今も植木職人たちが多く暮らす。彼らの営みは、高速道路建設や高層マンションが林立するなど街が姿を変えていく中で、緑として植木の街は生き続けている。安行に点在する植木職人の庭。500戸余りで、出荷するための樹木を育てている。その中で、「オープンガーデン」と名付けられ、誰でも自由に見て楽しむことができる庭がある。十勝石を使った造園があり、そこには小さな自然がある。およそ50。オープンガーデンのひとつ、中田彪さんが5代にわたって守っている庭では、珍しい植木を見ることができる。突然変異で生まれた「虎斑(トラフ)松」や「折り鶴松」など、希少な品種を「接ぎ木」などの技術を駆使して、子孫を残し守り継いでいる。かつて植物学博士の牧野富太郎さんも訪ねた。「植物は何年もかかって成長するものであり、木を労わって行くことが大事である。江戸時代から続く植木職人の9代目、郄山甫さんは、庭でおよそ100種の植木を育てている。苗木から育てて出荷するまで時間がかかるため、肥料を与えたり、枝を剪定したり、日々の手入れが欠かせない。丈夫な木を育てるために、太い根の皮をはぎ成長を止めて、新しい根を生やす「根回し」。植木が新しい土地で元気に育つように、慣れ親しんだ土を根に付けたまま運ぶ「根巻き」。数々の職人技がいまに残っている。植物が生きている姿をあらわすのは大変なものである。安行で、植木と並んで、江戸時代から盛んに生産されてきたのが、「切り花」の生産である。安行周辺では、100軒が花木を栽培しています。古くから行われてきたのが、「ふかし」と呼ばれる促成栽培。つぼみのついた枝を収穫し、20度の温室に入れて、1週間前後おき、つぼみの生長を促す。桃の花は、室内を真っ暗にして、葉の成長を抑え、花だけが引き立つように育てる。消費者である我々の手に届く頃に花が開くように、つぼみのまま出荷されている。このようにみると、川口市安行にはまさに、植木の心が残された街といえよう。

●1歩を踏み出せば、確実にゴールに近づく。苦しい時こそ歩を進めることが大事である。自分のげんかいに挑戦することは自分に向き合うことであり、前を向いて、一歩ずつ歩めば人間は成長するはずである。