『究極の分析技術で健康長寿社会を!だ液でがん・血圧でうつ病を発見』

●『究極の分析技術で健康長寿社会を!だ液でがん・血圧でうつ病を発見』 (2013年10月6日放送 18:30 - 19:00 TBS「夢の扉+」より)
 唾液によってがんを見分けることのできる夢の技術を発表した、慶応大学教授冨田勝の挑戦を追った。早期発見が難しい、すい臓がん。そんながんを僅かなだ液から見つける技術がある。先端生命医科学研究所で生まれたその技術は、冨田勝によるメタボローム解析。従来の技術では分析できる代謝物は数十種類だったが、メタボローム解析では数百種類の検査を行うことができる。その技術によってがんを発見することに活かしている。メタボローム解析は、診断が難しいとされるうつ病にも光を差そうとしている。川村総合診療院では、エタノールアミンリン酸から冨田勝が分析を行ってうつ病の判断に使用されている。通院中の患者は医師によって診査が変わるが、具体的な数値を見ることができるようになったと話した。現代の医療を大きく変えるかもしれないメタボローム解析は、冨田勝が学生時代にスペースインベーダーと出会ったことによって生まれた。コンピュータに魅せられた冨田勝は人工知能を研究し始め、ヒトゲノム計画と出会って、コンピュータから生命科学を解き明かすことを決意した。
 鶴岡市にゼロから新しい研究所を作ろうとした冨田勝は、“一軍は東京にいる”という雰囲気もあったがそれがエネルギー源になったという。鶴岡にしかない研究を行おうと、細胞の“代謝物”を分析できるよう、当時大手分析機器メーカーに勤めていた曽我朋義さんをパートナーにした。細胞の代謝物すべてを一度に分析できる装置を目指し、曽我は試行錯誤を繰り返し、2002年にメタボローム解析装置「CE-MS」を開発した。代謝物に高い電圧をかけ移動時間に差で振り分け、続いて落下時間でさらに細かく振り分ける。当初は冷ややかな反応も多かったが、冨田は揺るがなかった。2011年、研究チームは健康な人と肝臓疾患を抱えた人の血液をメタボローム解析したところ、ある代謝物の濃度に違いがあることを突き止め、9種類の疾患を判別することに成功した。世界中から鶴岡に研究者や企業が押し寄せた。
 メタボローム解析は農業を変える可能性も秘めている。鶴岡名産の「だだちゃ豆」を解析すると、ポップコーンの香り成分と同じ「2AP」という成分が特に多いことがわかった。JA鶴岡の今野大介さんは、よりおいしいものをお届けするため活用したいと話した。ほかにもお米の「つや姫」や日本酒も解析している。冨田勝の研究所を訪れた高校生の安達景都さんは、メタボローム解析を使い非アルコール性脂肪肝炎「ナッシュ」の研究をしていた。ほかにも地元の高校生を助手や研究生として採用する取り組みを行なっている。冨田は、鶴岡を世界が注目するサイエンス都市にすることを目指していた。8月、おととしから冨田勝が始めた「高校生バイオサミット」が開かれ、生命科学に興味のある高校生が鶴岡に集った。冨田は、研究とは楽しいということを知らしめたいと話した。ナッシュの研究をしていた安達さんも表彰を受けた。研究に取り組んだ高校生の安達さんや、鶴岡市長・榎本政規さんのメッセージを聞いた冨田は、まだこれからだと思うが喜んでくれるのは本当にうれしいと話し、やってるからには成功例になったらいいと思うと話した。冨田たちは、市民1万人の血液と尿をメタボローム解析し追跡調査することで将来に役立てるビッグプロジェクト「鶴岡みらい健康調査」をスタートさせた。

<今日の出来事>
・20年に一度の「神様の引っ越し」 伊勢神宮 外宮で「遷御の儀

(10月6日生まれの偉人)
◆平田 篤胤(ひらた あつたね、1776年10月6日(安永5年8月24日)-1843年11月2日(天保14年閏9月11日))は、江戸時代後期の国学者神道家・思想家・医者。出羽久保田藩(現在の秋田市)出身。成人後備中松山藩士の兵学者平田篤穏の養子となる。元服してからは胤行、享和年間以降は篤胤と称した。号は気吹舎(いぶきのや)、家號を真菅乃屋(ますげのや)。医者としては玄琢を使う。死後、神霊能真柱大人(かむたまのみはしらのうし)の名を白川家より贈られている。復古神道古道学)の大成者であり、荷田春満賀茂真淵http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130424/p1)、本居宣長http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130621/p1)とともに国学四大人(うし)の中の一人として位置付けられている。

<昨年の今日>http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20121006