ダボス会議の安倍首相 日中関係めぐる発言の波紋。軍師官兵衛『新しき門出』。

◆『ダボス会議の安倍首相 日中関係めぐる発言の波紋』(2014年1月26日放送 8:00 - 9:54 TBS {サンデーモーニング 」より
 スイス・ダボスで行われた世界経済フォーラム年次総会・ダボス会議(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20140124/p1)で安部首相は韓国・朴槿恵大統領の講演を最前列で聞き、拍手を贈った。その後の自身の講演では、「アジアと世界の平和を繁栄にとって必要なのは緊張ではなく信頼」と述べ、講演後の質疑では、中国・韓国との関係について「対話の窓はいつも開いている」と話した。しかし、英・ガーディアン紙は、「安部首相は日本と中国の悪化した関係を第1次世界大戦前のヨーロッパになぞらえた」と報じた。これに対し菅官房長官は、「そういうことを起こしてはならないという明言」と述べ、中国の秦剛報道局長は「侵略の歴史からの逃避だ」と厳しく避難した。通常国会の施政方針演説では、経済優先に取り組む姿勢を示した安部首相だが、野党民主党海江田万里代表からは「この間の臨時国会も国会無視の暴走国会になった」と指摘された。
 通常国会で行われた施政方針演説で安部首相は、集団的自衛権について「“安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会”の報告を踏まえ、対応を検討する」と話し、さらに「連立与党は、政策の実現を目指す責任野党とは柔軟かつ真摯に政策協議を行う」と述べた。
 そして、スタジオトークで、寺島実郎は「戦後の歴史を踏まえてアジアをリードしていけるようなビジョンを持っているのか。日本が発信しているメッセージは富国強兵に戻りたいと思われているかもしれない。対話の窓を開けていると言いながらギクシャクする方向に持って行っているのは、今年大きく越えていかないといけない」とコメント。寺田真音は「日本の経済が世界から注目を浴びているのは事実。(安部首相は)自分の発言の慎重さが足りない」とコメント。目加田説子は「国際社会の中で、自分たちと同じ価値観を持っていないと何かあったときに一緒に行動を起こそうとはならないが、最近の安倍政権はその部分が揺らいでしまう危うさを感じる」とコメント。金子勝は「アメリカ政府は靖国参拝を繰り返すな、アジアの緊張関係を高めるなと申し入れている。戦争が起こりうるという考えが戦争への階段の始まりなので、そういう認識を絶たないと世界で孤立する」とコメント。岸井成格は「歴史認識は慎重でないといけない。あとで説明すればいいというのは大間違い」とコメント。

◆1月26日放映の軍師官兵衛『新しき門出』。
 永禄10年(1567年)、おたつの死からようやく立ち直った官兵衛も22歳。誰もが認める黒田家の跡取りとしての働きぶりを十二分に発揮していました。その頃、足利義輝暗殺以降、征夷大将軍の席を空席にしながら、一旦は覚慶(かくけい)と名乗り仏門に入って義輝の弟・義秋(後の足利義昭)は日本各地を転々としながら各大名に書状を送りつけ勢力拡大しながら虎視眈々と征夷大将軍の座を狙おうとしていました。そんなことは露知らず、足利義秋から書状が届いたと小寺政職は有頂天になっていたが、家臣・黒田職隆のところにも書状が届いていたことを知ると急に機嫌を損ない、職隆が謀反でも犯すのではと疑念を持つようになってしまう。この、疑念は政職に嫡男の斎(後の氏職)が生まれたことでさらに大きくなってしまいます。
 政職の職隆への謀反の疑惑を何とか払拭したいと頭を抱えている黒田家の面々。そんな中、政職の勧めもあって官兵衛の婚礼の話が舞い上がります。その相手は小寺家家臣・櫛橋左京亮の娘である力でした。左京亮も数々の官兵衛の功績を見てその能力の高さを見出し、快く了承していたのですが、息子の櫛橋左京進は常に官兵衛に敵意を持っていただけに、この話を快く思いません。結局、力に日々官兵衛の悪口を漏らし、力も官兵衛との結婚を拒絶し、一時は狂言自殺するという事件まで起こします。そんな中自ら私が嫁ぎますといったのが力の妹である光だったのです。実は、光と官兵衛はこの時既に面識がありました。それは、ある日のこと。城下で木登りをして降りられなくなり泣いている男の子を助けようとしていた姫と官兵衛は遭遇。どうやら男の子は、病気で寝込んでいる母のためにヤマモモの実を食べさせたかったらしい。
 その時、信長は稲葉山条を攻略し、岐阜城と改め、「天下布武」の言葉とともに、天下統一の為、将軍義昭を持ちたて、上洛する動きであった。
 職隆は家督を官兵衛に譲りわたし、官兵衛は光と婚儀をあげるのであった。
 
●<光(てる)とは官兵衛にとってどんな人物であったのか。>
 光(てる)は、1553年(天文22年)播磨国印南郡(現:兵庫県加古川市)に生まれ官兵衛のただ一人の正室として長年そばで支えてきた。官兵衛が愛し妻にしたのは光ただ一人で、まさに相思相愛の関係に合ったと言われている。正式な名は櫛橋光(くしはしてる(みつ))と言い、官兵衛と結婚した後長政・熊之助を産んでいる。基本的に闊達で自分の意見をはっきり言うことの出来る女性だったそうで、ある意味頑固な部分も持ち合わせていた。そのエピソードの一つとして、官兵衛・長政がキリシタンであるのに対して、光はキリシタンになることは無く、浄土宗を崇拝されていた。
官兵衛の妻となった光(てる)は、志方城主、櫛橋左京亮の娘として生まれました。現在の兵庫県加古川市志方町の観音寺がある場所に、志方城の本丸はありました。光は、優れた才知と人徳を兼ね備え、信仰心の厚い人物だったと伝わります。一説には、左京亮が官兵衛を見込こんで光を嫁がせたといいます。また、左京亮は櫛橋家に代々伝わるかぶとと具足を官兵衛に贈ったとも伝わります。


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白鵬鶴竜との決定戦制し28度目V。横綱白鵬が14勝1敗で並んだ大関鶴竜との優勝決定戦に勝ち、2場所ぶりの制覇で歴代3位の優勝回数を28に伸ばした。

◆天気も良く、朝から洗濯・清掃・食事の支度に追われる。夕方自宅へ。また明日から仕事である。今週末には講演が予定されており、頑張っていこう。

◆『今の日本の若者について』
 約1年半程前、下村文部科学大臣は自身の公式サイトで『「自分はダメな人間と思う」中学生は、日本56.0%、米国14.2%、中国11.1%、韓国41.7%。高校生になると、日本65.8%、米国21.6%、中国12.7%、韓国45.3%』という、財団法人日本青少年研究所の「4ヶ国の中高校生意識調査」を紹介されていた。若くして「自分はダメな人間と思う」日本人がこれだけ多く、更には高校生になると中学生よりもその比率が10%程度増加するということで、もう信じられないぐらいに日本の若者は自尊ということが欠落している。
孟子』の「離婁(りろう)章句上八」にも「人必ず自ら侮りて然る後に人これを侮る…自分で自分を尊重せず、軽々しい言動をしたり、修養を怠ったりしていると、必ず人からも侮られるようになる」とあるが、やはり若い人の多くが自分で自分を侮っているという状況は大いに問題であろう。仮に自分が「あの人より劣っている」とか「あの国民より駄目だ」と思うのであれば、その対象の良い所を見出しキャッチアップしようとするというところに、その人の進歩があり成長があるはずであり、何故そうもネガティブに考えるのか残念でならない。出光興産創業者の出光佐三(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130822/p1)氏は終戦を迎えた二日後ほとんど全ての日本人が茫然自失としている中で、世界無比の「三千年の歴史を見直して、その偉大なる積極的国民性と広大無限の抱擁力と恐るべき咀嚼(そしゃく)力を強く信じ、安心して悠揚(ゆうよう)迫らず、堂々として再建設に進まねばならぬ」と発言されたようである。福沢諭吉(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130110/p2)流に言えば「独立自尊」である。「自尊」だけではなく、福沢諭吉が残した言葉には「互尊」という非常に大事な言葉もある。互いに譲る、互いに助けるという発想、そこには基本的に相手を尊重するという意識がある。出光さんの生涯言われた「人間尊重」は、まさに自尊プラス互尊です。そういう福沢諭吉の考えが影響している。 孟子が言うように「人必ず自ら侮りて然る後に人これを侮る」わけだから。
 まさに、「世界で個人としても通用する人間に」なって欲しいものである。 これだけ素晴らしい国であり企業なのだが、構成分子である日本人個人個人を引き出してみると、異文化の外国人と個人として友達付き合いをする人が極めて少なく、世界と繋がっていない。今世界ではITの猛烈な進歩や、英語が世界語として定着したこともあり、人々は国境に関係なく個人個人が益々直接繋がっている。内向きな日本人にはこのことはよく見えないのだが、この傾向は怒涛の様なものでもう後戻りしない。更に心配なのは、我が日本人が世界に個人個人のつながりがないということは、世界の個人個人の感情や常識と感覚がつかめないまま時が過ぎていくということだ。国単位、企業単位の箱の中だけに居ては、個人のつきあいから必然的に得られる感覚と相手のセンシティヴィティーを感じることが出来にくくなる。昨年暮れに安倍総理靖国を参拝されたことだ。国の為に散った200万有余の無辜の兵士の魂への感謝と総理の平和尊重の気持ちは、世界中に充分理解されているだけに、残念でならない。その気持ちは他の色々な形でも表示できるのに、この参拝は今の時点で必要なかったことであり、これに依って残念ながらこれからの日本の外交を難しくすると言われている。せっかく安倍総理の一年の政治が内外から大きく賛美されていただけに残念だ。何とか過去を認める勇気を持ち、A級戦犯の方々を分祀してから後に、堂々と靖国に行って頂きたかった。
 今の日本人がもっと成熟する為には、日本人であることを誇りにし、所属するチームを大事にしながら、同時に肩書やどこどこの誰様でなく、一人一人が国内でも国外でも魅力ある個人として通用するにはどうしたら良いかをよく考えてみる必要がある。自分の信念とプリンシプルを持つ、広い視野を持ち、異人も異文化も尊重出来る、個人としても友人になれる、日本語でも英語でも自分の信念を(それが異論であっても)明確に発信できる、そしてPut yourself in the others’ shoes(自分を相手の立場にも置いてモノが考えられる公正さ)等が不可欠だ。そして何より、自分の所属する組織の人間関係だけが全てでなく、プリンシプルや公正感、正義感、そして志の詰まった箱も、頭の中にもう一人の上司・相談相手として入れておくことが大事だろう。まさに、自尊の気持ちがあれば、世界に通用するはずである。

<昨年の今日>http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130126/p1