「小説 中江藤樹(上・下)」(童門 冬二)から

◆中江 藤樹(なかえ とうじゅ、1608年4月21日(慶長13年3月7日) - 1648年10月11日(慶安元年8月25日))は、近江国滋賀県)出身の江戸時代初期の陽明学者。近江聖人と称えられた。郷里である小川村(現在の滋賀県高島市)で、私塾を開く。これが、藤樹書院である。1637年(寛永14年)伊勢亀山藩士・高橋小平太の娘・久と結婚する。藤樹の屋敷に藤の巨木があったことから、門下生から「藤樹先生」と呼ばれるようになる。塾の名は、藤樹書院という。やがて朱子学に傾倒するが次第に陽明学の影響を受け、格物致知論を究明するようになる。その説く所は身分の上下をこえた平等思想に特徴があり、武士だけでなく農民、商人、職人にまで広く浸透し江戸の中期頃から、自然発生的に「近江聖人」と称えられた。代表的な門人として熊沢蕃山、淵岡山、中川謙叔などがいる。(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130421/p1
◆小説を読むと、近江聖人と呼ばれていたが、その実はといえば、人と喧嘩はするし、人の言動に一喜一憂するし、まさに、勉強好きの普通の人である。
・わたしは四十五歳ぐらいまでは、まだまわりからどう見られるか、その毀誉(けなされたり褒められたりすること)を気にしていた。が、今は次第にその心が消えつつある(上p18)
・仙境とは・・・常世の国のことだ・・人間が不老不死になるだけでなく、人間が常に悪心や欲心を持たずに、他人のことを心配し合うという世の中のことだ(上p164)
・「人間が怒る時は、その怒りの真因は別なところにある」という言葉を改めて噛みしめてみた(上p273)
・不遇な境遇に陥ってはじめて、他人の本心を知ることができる(下p69)
・敵性を帯びた大名は全部遠くへ飛ばした。収入を増やして遠くへ飛ばすというやり方は、敬遠人事」といわれる。 今でもしきりにおこなわれる(上p73)
・城の勤務はこの頃大体四つ時(午前十時)から 八つ時(午後二時)ぐらいが標準だったという。それに昼飯を食うのだから、一体いつ仕事をするのかと疑いたくなるようなのんびりした状況だった(上p87)
・「身を修める」というのは、個人の努力である。この文章は、「個人の努力が、結局は天下を治めることにつながっていく」ということだ。そして、その段階を、「身を修め、家を斉え、国を治める」という行程を示し、さらに、ではなぜ国を治めるのかといえば、それは、「天下に明徳を明らかにするためだ」といい切る(上p142)
◆近江聖人 中江藤樹記念館
 近江聖人中江藤樹記念館は、高島郡安曇川町上小川にある藤樹神社の境内に滋賀県の"小さな世界都市づくりモデル事業"として補助金の交付を受け、昭和63年3月に開館されました。展示室には、昔の藤樹書院の模型、先生の書跡、著書、衣服、人形で表現した逸話、教科書、陽明学の系譜、また王陽明の出身地である中国よよう余姚市と安曇川町との友好事業が展示されています。また図書館には藤樹を研究された学者から寄贈された貴重な図書があり、藤樹研究者にとっては貴重な資料が揃えられています。収蔵庫には藤樹書院の蔵に保存されていた書籍、衣服などを預かり大切に保管されています。陽明園は、昭和61年(1986)から始まった王陽明先生の生誕地である中国浙江省余姚市と安曇川町との友好交流のシンボルとして、中国より資材を運び技術者に来てもらって建設した中国式の庭園です。藤樹書院藤樹書院は、先生のお屋敷に41歳の時、村人や門人達が建てたもので、ここで講義をされました。先生没後、門人達は、先生のしんしゅ神主(位牌)を祀り、命日には儒式の祭典を行ない、今日に至っており遺品も多く保存されています。『物から心の時代へ』と叫ばれる今日、心の学問、心学を説かれた中江藤樹の遺跡へ是非一度来られてはどうでしょう。(中江藤樹記念館 館長)
 ● 所在地 滋賀県高島市安曇川町上小川69番地
● 開館時間 午前9時〜午後4時30分
● 毎週月曜日・祝日の翌日・年末年始

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 ◆今日で内部監査終了。でも、課題を残したかも。今後内部的に十分説明できるようにしなければなるまい。仕事はしている。自宅で勉強をしている。でも、充実感が感じられない最近の様子。燃え尽き症候群?それとも将来への不安?いずれにしても気分を変えたいものですね。仕事をしていても、勉強をしていても集中力がなくなってきたのかもしれない。年齢なのか。

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