今日は3月2日である。そして、『震災ビッグデータから “首都パニック”を回避せよ』

◆3月2日生まれの有名人・偉人は、米内 光政、坂本 繁二郎、岡田 茂、堂本 尚郎、和田 一夫、小松原 庸子 、藤木 悠、末次 利光、横内 正明 、三遊亭 小遊三、松下 賢次 、浅川 初美、剣 幸、吉沢 京子、魚住 りえ 、島崎 和歌子などである。

◆亡羊忌。今日は昭和期の詩人・村野四郎の1975(昭和50)年の忌日。詩集『亡羊記』に因み、「亡羊忌」と呼ばれる。(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20131007/p1

◆戦後の「3月2日}の歴史
 1953年吉田首相の「バカヤロー」発言により衆議院で首相の懲罰動議が可決。 1956年モロッコがフランスからの独立を宣言。1958年イギリス連邦南極横断探険隊が初めて南極大陸横断に成功。1962年ビルマでネ・ウィンの軍部無血クーデターに成功。大統領に就任。1967年前月に解任されたスカルノに代って、インドネシア暫定国民協議会がスハルト議長を大統領代理に決定。1969年珍宝島事件。中国・ソ連国境の珍宝島(ダマンスキー島)の領有をめぐり中ソ両軍が衝突。1969年英仏共同開発の超音速旅客機コンコルドが初めて試験飛行を実施。1972年NASAが惑星探査機「パイオニア10号」を打ち上げ。1976年北海道庁のロビーで時限爆弾が爆破。職員2人死亡。1978年前年に死去したチャップリンの遺体が盗難される。1981年中国残留日本人孤児47人が肉親探しの為、初めて正式に来日。16日までに26人が身元判明。1982年韓国政府が第五共和政1周年を記念して金大中政治犯2863人の恩赦を発表。1983年それまで日本とヨーロッパだけで発売されていたコンパクトディスク(CD)とプレイヤーが全世界で発売開始。1987年シャープ・松下電器・アイワがDAT(ディジタルオーディオテープ)を発売。1989年欧州共同体(EC)環境相会議がフロンガスの生産・使用の2000年までの全面停止を決定。1991年札幌でアジア初のユニバーシアード冬季大会が開幕。2000年アフガニスタンイスラム原理主義勢力・タリバーンが、バーミヤンにある大仏の破壊を開始。2001年大阪〜青森の約1000kmを走る特急「白鳥」がこの日限りで廃止。2005年土佐くろしお鉄道の終点・宿毛駅に特急列車が高速のまま進入。運転士が死亡。4月6日まで列車が運休に。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆疲れたこともあり、今日は珍しく自宅でゆっくりと過ごす。そして「官兵衛」はhttp://d.hatena.ne.jp/emitemit/20140304#1393932981
 夕方家族4人で中華料理店。(大三元http://tabelog.com/tokyo/A1312/A131201/13007985/)へ
 ブログ通算690日目である。まもなく今月中で700日を超えそうである。

◆『震災ビッグデータ File.3 “首都パニック”を回避せよ』(2014年3月2日放送 21:00 - 22:00 NHK総合NHKスペシャル」より)
 東日本大震災の際、首都圏の大混乱を克明にとらえたビッグデータが残された。携帯電話の位置情報を解析し、浮かび上がる「異常密集」。当時のツイッターの膨大な記録にはパニック寸前に陥るつぶやきが多かった。東日本大震災による被害で2人が死亡し、31人が重軽傷を負った九段会館(東京・千代田区)のホールでは専門学校の卒業式が行われていた。地震発生から12分後に撮影された映像には、被害にあった人たちが自ら救助にあたる姿が映し出されていた。15ヵ所を骨折した二村祐輔さんは、崩落した天井が直撃し、周囲の人たちに助け出されたが、救急車は1時間以上到着しなかった。二村さんは「けがをした身で 救助を待つその間の不安 精神的には大きなショック」と話した。
 東日本大震災の時、救急車の行く手を阻んでいたのが史上最悪の大渋滞だった。当時の車の移動を記録した警視庁の3つのビッグデータを解析したところ、首都高と一般道の合流地点で急激に渋滞が生まれていたことがわかった。午後4時過ぎに搬送された九段会館で重傷を負った二村祐輔さんは、大渋滞に巻き込まれた隊員の叫び声を覚えているという。渋滞は、午後8時には、普段の同じ時間帯の28倍にまで拡大した。そして、翌朝になっても普段の2倍の渋滞が続いていた。ビッグデータを利用して渋滞のメカニズムを分析している東北大学の桑原雅夫教授は、地震から1〜2時間後に移動を始めた車が多いことに注目。桑原教授は、夕方から一斉に動き出したのは、普段はあまり使われない潜在需要車だとみている。潜在需要車を使った一人、安増千明さんは、友人から大学入試を控えた息子を迎えに行ってほしいと頼まれ、午後8時ころ、友人の息子が足止めされていた高校に向かった。普段は往復1時間半の道のりが8時間かかった。九段会館に派遣された丸の内消防署の上田勝さんは、「指揮をとる者としては焦りがあった」と話した。必要な救急車すべてが到着するまでに2時間半かかったという。都心部に11ある災害拠点病院のうち、8つの病院が大渋滞に四方を囲まれるという事態を招いていた。桑原教授は、潜在需要車の存在は巨大都市が抱える隠れたリスクだと考えている。
 ビッグデータからは東日本大震災の日の東京のもう一つの危険性が浮かび上がってきた。地震発生後、主な駅には多くの人々が集中した。この密集は過去に例を見ない規模のものだったことが、携帯電話の位置情報の解析から分かってきた。午後4時、東京駅では3万2000人、新宿駅では4万1000人が密集した。
神戸大学の室崎益輝名誉教授は、「あの日の密集は人々が予期せぬ動きをしていれば 重大な事故につながりかねなかった」と指摘している。その危険性が顕著に現れたのは、13年前の兵庫・明石市の歩道橋での事故だった。密集は1平方メートルあたり10人を超えていた。室崎教授が都内の密集の中でも危険性が高かったと指摘するのが渋谷駅。人々が特に集中していたのはハチ公前と西口バスターミナル付近で、午後7時には6万6000人となった。駅の構内の密集は1平方メートルあたり6〜7人と超過密状態だった。震災当日にツイッターに投稿された膨大なつぶやきを分析することで、密集の中にいた人々がパニック寸前に陥っていたこともわかってきた。東京大学喜連川優教授は「ツイッターは見た瞬間の感情を表出するメディア これだけ膨大な情報を解析すると大きなトレンドを見ることができる」と話した。地震発生直後から2時間ほどは、具体的な情報に関するものが多く、感情を示したつぶやきは目立たなかった。ところが、徐々に不安を示すつぶやきが増加していった。室崎教授は、首都を襲う巨大災害では、さらに深刻な事態を想定し、備えなければならないと指摘する。
 もし、ビッグデータの解析結果をリアルタイムで分かっていれば、東日本大震災の日の東京の姿は変わっていたかもしれない。渋滞がピークを迎えていた午後8時、脇道を中心に都内の道路の17%が走行可能だったことがわかった。当時、救急車で怪我人の救助に向かっていた京橋消防署の下山清明さんは、渋滞が深刻だと思っていなかったので幹線道路を使って現場に向かった。ビッグデータで下山さんが使わなかった脇道を見てみると、タクシー会社のデータから渋滞に巻き込まれずに走行していた車があったことがわかった。下山さんにビッグデータを見てもらったところ、「リアルタイムにこういうものが見られれば 道路選定をしていく上で非常に役立つ」と話した。こうしたリアルタイムの情報に警察も注目している。警視庁交通管制センターは、幹線道路の渋滞状況は監視しているが、脇道までは把握していない。車が走行できる道路を把握し、緊急車両の配置に役立てたいと考えている。
 今年1月に始まった災害対策を検討する「最先端防災システム構築プロジェクト」には約40の機関が参加している。活用するのは様々な機関が保有するビッグデータ。懸念しているのは首都直下地震。被害想定で、死者は最悪の場合、2万3000人。経済被害は95兆円に上る。甚大な被害想定に、国は行政の力だけでは限界があるとしている。ビッグデータを利用して被害を軽減させようとする取り組みがすでに始まっている。東京大学を中心とする研究チームは、これまでにない新たな防災地図をつくろうとしている。研究チームがベースとしているビッグデータは、都内300万棟の建物のデータ。それに、国がまとめている構造や築年数に関するデータを加える。これによって、1軒1軒の耐震性が推計できる。これに地盤のデータを組み合わせると、倒壊の可能性が高い建物が浮かび上がる。
 カギを握るのは共助力で、東日本大震災の時にも居合わせた人が互いに助け合った。共助力が初めて注目されたのは阪神淡路大震災。研究チームは、どの年代の人がどれだけ助けに行ったかという実績を元に数値化し、共助力の高い地域を示すマップを作った。携帯電話の位置情報を使っているため、時間ごとの共助力の変化もわかる。東京工業大学の大佛俊泰教授は「夜中に地震が発生するとまずいとか あぶりだせると思う」と話した。首都直下地震で多くの犠牲者を出すとされる建物の倒壊。東京23区で最も多くの人口を抱える世田谷区は、都の想定で6000棟が全壊するとされている。ビッグデータから明らかになった世田谷区の共助力は23区で下から5番目だった。若林地区では、直下地震に備えた訓練を日頃から行っているが、参加するのはほとんどが高齢者。住民の転入や転出も多く、地域の実態を把握するのが難しいのが実情だが、共助力マップを使えば、地域の実情にあった備えが可能になる。商店が建ち並ぶ地域は若い世代が多く、共助力は高いと考えられていたが、共助力では1人も助けることができない時間帯があることがわかった。
 首都直下地震では火災でも犠牲者が出るとされている。ビッグデータを利用すると、現在の想定以上の犠牲者が出るおそれがあることもわかってきた。東京大学の加藤孝明准教授は、ビッグデータを使って火災避難のシミュレーションを行っている。地域に不慣れな住民以外の人たちは、これまでの被害想定では考慮されてこなかった。東日本大震災の教訓を首都直下地震への備えにつなげていくために、今、民間企業もビッグデータ利用の技術開発を進めている。目指すのは、集積した膨大なデータを1人1人のニーズに合わせてリアルタイムで届けること。KDDIは、災害時、利用者の居場所に応じて避難所や密集の状況などを個別の携帯電話に伝えるシステムの開発を進めている。
 本田技研工業は刻一刻と変わる災害情報を、ドライバーのいる場所に応じて瞬時に伝えるカーナビも開発している。このシステムの実用化に向けて、北海道・石狩市で運用試験が始まっている。膨大な量の観測データを元に、ドライバーが直面する個別のリスクを事前に伝える。2月中旬、世田谷区の若林地区の人たちは、ビッグデータで作られた新たな防災地図を手に地域を回り、共助力の低い地区に隣接するマンションの若い住民に、いざというときに力を貸してほしいと頼んだ。

<本の紹介>
スハルト「帝国」の崩壊 http://d.hatena.ne.jp/asin/4839601305
スハルト・ファミリーの蓄財 http://d.hatena.ne.jp/asin/4906640265

<今日のトラックバックhttp://d.hatena.ne.jp/ks9215/20120506/p1 

<昨年の今日> http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130302/p1