日本の農業は保護なしでやっていける、「日本は世界5位の農業大国」だから。 そして大丈夫、読書時間ゼロでも。

◆国内農業保護政策を進める農水省に対し、日本の農業は保護なしでやっていける。逆に保護政策により、真面目な農家は困っていると主張する。まさに、その本が「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」(浅川芳裕著・講談社+α新書)である。
・長年、生産調整をさせられた挙げ句、残った面積で昨年は資料米、来年からは米粉を作らないといけなくなった。これでは注文をもらっている業者へのコメが足りない。(p58)
・まず、農水省は「日本は食料自給率が低い」と主張していますが、それは農水省が低くなるように自給率を計算しただけであり、実は、日本は輸入依存度が最も低いというデータもあります。自給率を低く見せるカラクリは、価格ではなくカロリーベースにする。分子に兼業農家の生産を含まない。輸入飼料分は国産としない。分母に廃棄分、食べ残し分も含める、と色々工夫しているようです。『なぜ、生産額ベースの自給率は、国の政策目標であるにもかかわらず他国と比較しないのだろうか・・・日本の66%は主要先進国の中で三位である。さらには、農業生産額に占める国内販売シェアは一位。輸入依存度が最も低いことを表している。』(p34)
・農業とは、自動車のように安い原料を輸入して、農産物という商品を生産して、販売しているのです。それに対して、現在の日本の農水省は、農業保護という方針の下で、小麦、トウモロコシ、バターなど輸入原料に高い関税をかけて、国内メーカーの国際競争力を削いでいるわけです。『農水省天下り団体「農畜産振興機構」のバター輸入独占業務たとえば、国際価格500円のバターを一キログラム輸入したとしよう。まず、500円に関税29.8%相当の149円+179円が課せられる。そこに輸入差益806円を足すと1634円に化ける。輸入価格の三倍以上だ。流通・小売マージンを乗せれば2000円を優に超える。』(p100)
・昔、自動車産業を保護するために、外国自動車の輸入制限、国内自動車会社を増やさないという政策を経産省が行おうとしましたが、これが実施されていたら今のホンダは存在しないのです。「保護は、産業を弱体化させる」というのは、だれでも知っている真理である。では、なぜ農水省の人は、農業を弱体化させたいのでしょうか。『自給率の名の下に国内保護政策を強化しても、農業は弱体化し、いい思いをするのは農水省と関連団体だけだといっていい。』(p45)
・国内の農業生産額はおよそ八兆円。これは世界五位、先進国に限れば米国に次ぐ二位である。(p4)
自給率が示す数字と一般的な感覚がかけ離れているのは、農水省が意図的に自給率を低く見せて、国民に食に対する危機感を抱かせようとしているからである(p6)
・食料自給率に潜むカラクリ。分子の国産供給カロリーには、全国に200万戸以上もある農産物をほとんど販売していない自給的な農家や副業的な農家、土地持ち非農家が生産する、大量のコメや野菜は含まれていない。海外から輸入したエサを食べていた家畜は除外される(p30)
・輸入トウモロコシは一キログラム約30円。対する国産の飼料米は、コストだけで六倍超の200円弱もし、その差額が補助金で埋められる。(p63)
飼料米を作る農家は作りたくて作っているわけではない。プロの畜産農家はその背景を知っているから突然エサが手に入らなくなるリスクを負ってまで、国産の飼料米に切り換えるわけがない(p65)

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◆先週2月26日に公表された「第49回学生生活実態調査」においては、『1日の読書時間「0」は4割に』という数字が出ていたが、この結果は急増している若者のインターネット利用時間量との関係もあるのであろう。ネットの普及により勉強方法が変わってきた若者は情報量として見れば昔と同水準あるいはそれ以上になっているのか、それとも時代と共に若者の学びに対する意欲というものが本当に衰えてきたとかbbがえるのか、この結果からは判断できない。でも、「驚いた」と言わざるえない。「読書時間ゼロの大学生4割超」と言われれば「そういう人は毎日一体何をしているのだろう?」と考えるし、1日平均で19分程度しか読書をしない医歯薬系の学生は「将来本当に大丈夫なの?」と心配させる恐ろしいかも。ネットを否定しないが、 一冊の本を最初から最後まで読むということ、そしてさらに一人の研究者や一人の小説家の様々な本を最初から最後まで読むということによってのみ、その研究者や小説家の一つの人間性といったものを垣間見ることが出来るようになるはず。

◆いつも通り、5時に起床。出勤前に原稿整理。帰宅後もまた原稿整理。4月以降のスケジュール確認及び方針検討。

◆最近の自分の心境をあらわすかの如く、「陽はまた昇る」をユーチューブで聞く機会が増えてきた。まさに、年老いて行く自分の姿を感じているのかもしれない。これだけはどう自分でもがいてもできるものではない。これも自分の人生かもしれない。振り返ってもどうにもなるまい。これから前向きに一年ずつを過ごしていかざるえない。

  「陽はまた昇る」谷村新司 作詞/作曲
  夢を削りながら 年老いてゆくことに  気がついた時 はじめて気付く 空の青さに
  あの人に教えられた 無言のやさしさに 今さらながら 涙こぼれて
  酔いつぶれた そんな夜  陽はまた昇る どんな人の心にも
  ああ生きてるとは 燃えながら暮らすこと 冬晴れの空 流れる煙 風は北風

  鉢植えの紫蘭の花 朝の雨にうたれ  息絶えだえに ただひたすらに 遠い窓の外
  もしかして言わなければ 別離ずにすむものを それでも明日の 貴方のために
  あえて言おう「さよなら」と  陽はまた昇る どんな人の心にも
  ああ生きてるとは 燃えながら暮らすこと 春まだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す
  
  陽はまた昇る どんな人の心にも ああ生きてるとは 燃えながら暮らすこと
  春まだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す  春まだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す


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