『どう客にアプローチすれば、売上げを上げられるのか。』を学ぶ。そして沖 牙太郎。

◆『お客様が「減らない」店のつくり方』(高田靖久著)から 『お客様が「減らない」店のつくり方』とは、何ともネガティブなタイトルだが、そこには理由がある。最近は、<フリーペーパーに広告を掲載しても、売上げが上がらない>。<新規集客が難しい時代が到来した>らしい。新規集客が難しいのであれば、既存客に買ってもらって、広げていくより他にない。どう既存客にアプローチすれば、売上げを上げられるのか、どうすれば顧客の離反を防げるのか、その勘所が書かれている。島根県松江市にある「ふれんち酒場びいどろ」では、氏の手法を試して「5周年記念DM」を上位客841人に送ったところ、199組が来店。反応率23.7%、売上合計162万円という数字を叩き出したが、本書を読めば、なるほど既存客にアプローチするのがいかに合理的か、納得できる。
<ポイント>
・フリーペーパーに広告を掲載しても、売上げが上がらない。理由はいろいろあるが、いずれにしてもお客様が反応しなくなった。新規集客が難しい時代が到来したのだ。ファンになるように【顧客管理】している。具体的には、顧客とのつながりをダイレクトメール・メルマガ等で維持している。
 「多くが「フリーペーパー」「クーポンサイト」「割引チラシ」を使って、新しいお客様を増やそうとする・・・ところが、その効果は悲しいほど短い・・・「パッ」と上がって、「スッ」と消える」(p23)
・「新規客よりも既存客」、「集客よりも定着」、「ディスカウントよりも付加価値」、「売上げよりも紹介客」販促というと、集客に力を入れがちdが、大切なのは、見込み客をがっちり固定客にするための仕組みである。
「「買ってくれ、買ってくれ、買ってくれ」と連呼・・・その結果、お互いの関係が薄くなり、お客様が浮気しやすい状態になってしまう。」(p94)
・反応があるお客様だけに的確に絞る。同店であれば841人に絞った。かかった経費はわずか8万4000円で抑えられた。(中略)驚くなかれ、この優待券を持って、何と199組が来店した
・「5周年記念ダイレクトメールがあまりにも反応がいいので、追加で1000部ほど送ってみたんです。上位客にはすでに送っていたので、それに続く1000名。いわゆる準上位客です。しかし、反応はわずか5組。かかった経費さえ回収できませんでした」
 「「売り込んで→売り込まない、売り込まない」。売り込んだ回数以上に、売り込まないDMに力を入れる。」(p98)
・実は現在、この顧客離反率が40%を超えている店が増えてきている。バブルの頃は、この数値が25%前後だったと言われている。
・年間を通して、回数に関係なく、当店により多くの累計売上げを置いて帰ってくれたお客様。そのお客様から「いいお客様」と判断する。
・商売は「特定少数」のお客様に支えられて成り立っている。
「あなたの店では、今後「お客様ごとの年間売上ランキング表」を作る必要がある」(p61)
「「店の努力」を伝えると、リピート率が上がる・・・定期的に東京に出向き、名だたる美容師にカット技術を習っている。 天才美容師が努力を惜しまない。(p147)
「.・ニュースレターを送るという行動を取り続けることにより、新規客より既存のお客様が大事」という感情が店の思想として定着することこそが大事なのだ。」(p186)
・お客様データは1年分しか使わない。
・顧客管理とは、「来なくなったお客様にアプローチしてまた来てもらうこと」ではなく、「そもそもが、来なくならないようにすること」
「お客様がいなくなる理由はわかっている。あなたの店に「飽きて」しまい、「忘れて」しまうのである・・・思い出してもらう活動を行わなければならない。・・・それが、【ニュースレター】だ。(p107)
 「毎回平均で、7000円以上利用していただいているお客様」などと平均単価で絞るのだ。そうすれば、 1000円割り引いても、しっかり利益が取れる(p172)
・店がファン客層を把握すると、それだけで売上げが上がりはじめることがある。なぜなら、あなたの感謝の気持ちが、接客や態度ににじみ出るようになるからだ
・DMの反応率を上げるには、わずか3つのデータを活用すればよい。食べログの評価が気にならない・・・既存客は今行っている店の食べログは 見ないからだ(p137)
・(1)利用回数 (2)経過日数 (3)購買金額
・「過去に2回以上」利用したことがあるのはどんなお客様だろう。少なくとも、店に不満を持っていないお客様だ。

◆沖 牙太郎(おき・きばたろう)港区ゆかりの人物
              http://www.lib.city.minato.tokyo.jp/yukari/j/man-detail.cgi?id=111

<昨年の今日> 「知研東京セミナー「日本の自主外交をいかに実現するか」」http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20130510/p1