「日本式サービス 強さの秘密」とは。今日も七回読み読書法の実践。

◆帰宅後机に向かう。今日も七回読み読書法(http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20140807/p1)の実践。今週で2回目に突入。

◆「日本式サービス 強さの秘密」とはなんであろうか。(2014年11月8・9日放送 21:00 - 22:00 NHK総合NHKスペシャル」より)
・これまで国内での競争にあけくれてきた日本企業のサービスだが、ここ数年経済発展するアジア市場に打って出る事例が増える中で、日本式の強みが明らかになってきた。日本でサービス業に従事している就業者数は4445万人で、製造業のほぼ4倍となっている。サービス産業の世界市場は、1500兆円となっている。
・日本式サービスを、地方から直接海外に輸出する企業が増えていて、中国・上海には日本のネイルサロンやブライダルサロンなどが進出している。海外のサービス業は限られた時間だけの提供となるが、日本式サービスはたとえ時間オーバーしても、顧客の満足度を上げることを重視している。
アブダビ首長国のザイード王子が来日した時に、日本のコンビニサービスに驚いたエピソードを話した。アメリカで産まれたコンビニチェーン・セブン-イレブンは、1973年から日本にも進出し、現在は全国に1万7千店を展開している。商品の単品管理は、日本のコンビニで産まれたシステムである。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長が、もう安売りの時代ではないとコメントした。セブン-イレブン・ジャパンは、1991年からアメリカ本部の経営再建に参画し、商品の単品管理など日本流のサービスを導入して3年で黒字化に成功した。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長が、お客の利益を優先すれば結果的に売り手にも利益が戻ってくるとコメントした。
アブダビ首長国のドバイで日本流のコンビニをオープンさせるため、アブダビ人の社員らは日本のコンビニで研修を受けた。日本のコンビニで産まれた単品管理は、アメリカ式考え方の経済合理性とは相反するが、お客の便利を優先することで、結果的に売り手にも利益が戻ってくる。トヨタ自動車の、在庫をできるだけ抱えない生産方式は、世界からも注目されている。
星野リゾートの星野佳路代表が、バリに建設中のホテルを視察した。バリのフォーシーズンズホテルは、従業員全員がマニュアルを熟知していて、常に見直すようにしている。星野リゾートの星野佳路代表が、海外のホテルサービスはスタッフと客が上下関係にあるが、日本の旅館のおもてなしサービスはスタッフと客が対等関係にあると解説した。星野リゾートが経営する京都の旅館にはマニュアルがなく、現場の客室係が自分で判断して、お客に向けたサービスを行う。タヒチのホテルの従業員らに、星野リゾートの星野佳路代表が、自分で判断してお客に向けたサービスを行うように指導した。星野佳路代表が、日本旅館の考え方を世界の人たちが待ち望む時代がきていると述べた。
・マレーシア・クアラルンプールのショッピングモールでは和食やファッションなど日本式サービスをうたうサービスが軒を連ねていて大人気となっている。いま客の満足を追及した日本のきめ細かなサービスがジャパンブランドになろうとしている。
・日本で480店舗あるQB HOUSEが香港などで大人気となっている。日本と同じ技術とサービス内容で88店舗を展開し海外部門での売り上げは24億円を超えている。コピー店が立ち並ぶ中それでも売り上げを伸ばしているのは人材育成に鍵があった。日本のスタッフが日本と同じ接客の心がけを現地人に指導。ミスをしても叱らず自分で考えさせるなど、会社が一丸となって長い目で従業員を育てる日本式人材育成だった。日本式の人材育成で売上を伸ばすヘアカットチェーン。そこに立ちはだかる最大の壁が「離職文化」だ。香港では転職はキャリアアップにつながると捉えられている。香港の離職文化はアジア展開を進めるうえで大きな足かせになる恐れがある。人材流出の歯止めとしてこの会社が取り組んでいるのが、現地従業員の幹部社員への昇進。日本式の「叩き上げシステム」を採用しているのだ。現場をよく知るエリアマネージャーだからこそ、従業員に繊細な対応もできるという。また、車内のチームワークを高めるために「がんばった賞」をもうけ、店を表彰するなどしている。香港で売上を伸ばすヘアカットチェーンのシステムについて、「日本では古臭いとされている愛社精神やチームワークがアジアの国々にピタリと来るタイミングに来ている」。これを「アメリカンドリームならぬ、ニュー・ジャパンドリーム」である。
・日本式サービスの海外進出のさらなる成功のカギを握っているのはイスラムの国々である。しかし、ここで現れるのはやはり異文化の壁。目覚ましい経済成長を続けるマレーシアはイスラム進出の窓口とされている。イスラム教徒の多いこの国で業績を伸ばしたのがイオン。競争相手がひしめく中、売上を毎年伸ばしている。売上アップの立役者は現在の社長メリー・チューさん。売り場担当からの叩き上げだ。日本式サービスを手本にし、現地に合わせたサービスを提供している。チューさんの行った現地サービスの最たるものは、客が買い物途中に祈りを捧げるための「祈祷室」の改装。客が不快感を与えないように、使いやすく清潔なものにした。日本式サービスを現地の目線で磨き上げる、それが最も難しいのが外食産業。イスラム教では、豚肉やアルコール類が含まれた食べ物は禁止されており、ハラルと呼ばれる限られたものしか食してはいけない。その壁を乗り越えたのが、外食チェーン「すし金」で、マレーシアで知らない人はいないとされている。ハラルを使うことはもちろん、現地の人の好みを追求したメニューを多く採用している。新メニューの試食会も現地の従業員のみで、日本人はそこに参加しない。また、寿司を握るのも現地の従業員で、これが客に安心感を与えるという。
・日本式サービスに、お家芸の「ものづくり」が加わり、新たな展開が始まっている。マレーシアで展開している回転寿司チェーン社長・小西史彦さんのもとを訪れたのは、投資会社の社長・高槻亮輔さん。取り出したのは九州の中堅メーカーが作った醤油だった。これをイスラム仕様に作り変え、出してみたらどうかという提案だった。今、この回転寿司チェーンは他のイスラム市場を検討しているが、壁となっているのがハラル認証の取得だ。ハラル認証とは、イスラム教徒が宗教的に安心して食べられる食品だと政府機関などが保証する制度で、事細かな審査を経なければ取得することができない。そこで高槻さんが描いた構想は、地方銀行と組んで、海外展開を狙う中堅企業のハラル対応の支援をすること。できた商品を回転寿司チェーンに供給し、ハラル認証がとれれば共に手を携え、イスラム市場の進出を図ることができるというものだ。
 小西さんの協力を取り付けた高槻さんは、ハラル認証に詳しい専門家を携え、九州のフンドーキン醤油を訪れた。この工場で醤油を改良するにあたって、設備のどこに問題があるのかあぶり出すためだ。このメーカーの創業は江戸時代で、醤油の売上の伸び悩みにより、イスラム市場の進出に活路を見出そうとしている。専門家から問題を指摘されたのは醤油の味を整える最終工程だった。ハラルに対応していないアルコールが使われていたのだ。そこで高槻さんは「加工前の醤油をマレーシアに輸出し、現地でハラル対応の醤油にする」ことを専門家に提案した。専門家からOKが出、まさにそのとおりの手順を踏むために行動を始めた。
さいたまスーパーアリーナで行われた美容ショーに集まったのは、中国の美容師たち。世界最先端の技術を学ぼうと集まったのだ。また、彼らは日本式のヘアサロンの経営を指南するセミナーにも参加した。実はこうしたイベントを主催しているのは、美容院向けのシャンプーを製造販売しているメーカーだった。メーカーは日本式サービスを学べる機会を提供することを売りに、取引する美容院を増やそうという狙いだ。ミルボンの平井正男さんは「仮にモノのよしあしが同じでも、やっぱり選んでくれるという長い付き合いのために、モノではなく情報や教育などを販売しようと思う」などと話した。
・投資会社の高槻さんから渡された外国向けのお菓子を紹介した。そのパッケージにはカタカナで「ビスケットスナック」と書かれており、これは「漢字のみの表記だと中国製品と思われる可能性があるため、わざわざカタカナを使っている。圧倒的な日本製品の信頼感をアピールするため」なのだと解説した。マレーシアを足がかりに、オールジャパンでのイスラム市場進出を目論む投資会社の高槻さんは、この日、九州のメーカーの醤油をハラル対応に改良する計画を、回転寿司チェーン社長・小西さんに説明した。一方の小西さんは最新の注意を払って計画を進めるようアドバイスをした。
◆まさに、お客さんに対するもてなしであり、相手の利益を優先した、お客さんに対するサービスの重要性であり、ここに日本の強さがあるのかもしれない。
*お客の利益を優先すれば結果的に売り手にも利益が戻ってくる。
*自分で判断してお客に向けたサービスを行うべき。
*まさに「サービスとものづくりのタッグでやらなくてはいけない。」「もともと分断していたサービスとものづくりが組み合わさってきた。モノへのサービス支援と、サービスへのモノ支援。」が重要。

<今日のニュース>
宮崎駿監督 アカデミー名誉賞受章。
 宮崎駿監督が、アカデミー名誉賞を受賞し、ハリウッドでの授賞式典に出席した。日本人の受賞は。1990年の黒澤明監督以来2人目となる。宮崎監督は2003年に、千と千尋の神隠しアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞している。

◆来年の「福袋」 狙いは外国人旅行者。
 デパート業界は、来年の正月商戦に向けて動き始めている。各社が力を入れているのは福袋。来年は、日本の伝統や文化を意識した外国人向けの福袋が並びそう。松坂屋上野店が開いた来年の福袋のお披露目会では、大相撲の力士の稽古場を見学できる福袋を用意。また、ちゃんこ鍋もいっしょに味わえる。松坂屋上野店と大丸東京店で計6つ用意される予定。外国人を意識した福袋は他の店舗でも。西武池袋本店は、来年の正月の売り出しに向けて、温泉に関連した風呂桶や甚平などを詰合わせたのものや人気キャラクターの関連商品のセットなど8種類を用意。一方、松屋銀座は、社員たちが来年の福袋のプレゼンテーションを行った。消費税率の引き上げに備えて、衣料品の買いだめができる福袋に加え、外国人向けの福袋のアピールが目立った。 福袋には、傘や手袋など日本製の商品が入る。

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