ことしの「本屋大賞」は「鹿の王」。

<今日のニュース>
◆ことしの「本屋大賞」は「鹿の王」。
 全国の書店員たちが一番売りたい本を投票で選ぶ本屋大賞(http://www.hontai.or.jp/)で、今年の受賞作は「鹿の王」(http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8&keywords=%E9%B9%BF%E3%81%AE%E7%8E%8B&tag=googhydr-22&index=aps&jp-ad-ap=0&hvadid=38888065385&hvpos=1o1&hvexid=&hvnetw=g&hvrand=17813974663381159552&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=e&hvdev=c&ref=pd_sl_a02ujwlg6_e)だった。本屋大賞の対象になるのはおととし12月1日から去年11月30日まで刊行の日本の小説であり、書店員の投票で決まった。本屋大賞の過去の受賞作はベストセラーになり、映画やテレビドラマになるなど影響力ある文学賞として注目されている。
<あらすじ>主人公は飛鹿(ピュイカ)という軍用乗鹿を巧みに操る神出鬼没の戦闘部隊「独角」を束ねる精悍な男「欠け角のヴァン」。なんて書き出しをするとさぞ勇ましい戦闘シーンからはじまると思われそうですが、物語が紡がれるのはその「独角」が東方から攻め寄せた大国に討ち滅ぼされた後から。ヴァンは塩鉱山に奴隷としてつながれ、厳しい労働に耐えながら死を待つ過酷な日々を送っている。そんなおり、塩鉱山を謎の獣が襲撃します。その牙にかかった人間は激烈な病に侵されてしまい、塩鉱山はあえなく全滅。生き残ったのはヴァンと家事奴隷の残した幼児のみ。物語は、彼らの生き様と絆を軸に進んでいく。「獣の奏者」と同じく、家族の絆がテーマであるであるが、本作の面白いところはそれに「人と病、そして生命の関係」と、スパイスとして多様な勢力が織りなす政治暗闘劇を加えたところ。東から押し寄せた東乎瑠(ツオル)帝国と辺境伯、それに呑み込まれつつもしたたかに自治を保つアカファ王国、それぞれに生き残りの道を探る各部族に、主を巧みに乗り換えながら知識と技術で安全たる影響力を維持するオタワルの学徒たち。各勢力の思惑が縦横に折り重なり、二転三転どころか七転八倒する。『精霊の守り人』や『獣の奏者』などの作品の評価も高い上橋菜穂子さん。正直なところ、「東乎瑠」とか「独角」というような「このファンタジー世界に馴染むための用語」に最初はなかなか慣れることができず、ちょっとキツいな、と思いながら読んでいた。「テロは悪いこと」だと僕は思う。自分が犠牲になりたくもない。主人公のひとりであるホッサルという天才医術師がずっと気になっており、科学者としての純粋さと、人間としての青臭さというか、ちょっとひねくれたところが描かれていて、すごく魅力的。この『鹿の王』に出てくるキャラクターには、「完璧な人間」はおらず、それぞれ弱点とかこだわりとか、恨みや悲しみみたいなものを持っているのだけれど、その一方で、「100%の悪人」もいない。不思議な小説である。
 実は『サラバ!』は、直木賞を獲っていなければ、こちらが大賞だったかもしれない。西加奈子さん人気もすごい。
戦艦大和 70年前のきょう 鹿児島県沖で沈没。
 ペルリュー島の激戦から半年後、鹿児島県沖で沈没した戦艦大和戦艦大和は広島・呉市の旧海軍工廠で建造された世界最大の戦艦だった。沖縄までの片道の燃料を積み特攻に向かったとされ、枕崎沖で攻撃を受け沈没し、乗組員3000人以上が死亡した。

<4月7日生まれの先人の言葉>
●鈴木 梅太郎
 ・独創は学問といわず実業界その他あらゆる面で最高の指針だ。
●宮城 道雄
 ・謙遜のブレーキのかからない自信はやがて慢心となる。
●大西 鐵之祐
 ・接近、連続、展開。
 ・信は力なり。
竹村健一
 ・忍耐強く、じっくりと努力する という姿勢は大切だが、それは方向がしっかりと定まっているときに限られる。
 ・自分だけの、「頂上」を目指せ!
 ・えてして人間は一つの道を見つけると、その道から出ようとしなくなる。