『「安保法制は違憲」3人の憲法学者が指摘』

◆『「安保法制は違憲」3人の憲法学者が指摘』(2015年6月7日放送 8:00 - 9:54 TBS「サンデーモーニング」より)
 4日に衆院憲法審査会が開かれた。「安保法制は違憲である」と参加した3人の憲法学者が指摘した。民主党中川正春衆院議員が「今の(国会で審議中のい)安保法制、憲法違反だと思われますか」と質問。自民・公明・次世代推薦の早稲田大学邦楽学術院教授の長谷部恭男氏は「集団的自衛権の行使が許されるという点については憲法違反であると考えている」と回答した。民主推薦の慶応大学名誉教授・弁護士の小林節氏と維新推薦の早稲田大学政治経済学術院教授・笹田栄司氏も憲法違反であるという見解を示した。与党に衝撃が走った。衆院憲法審査会・船田元自民党筆頭幹事は「参考人の皆さんのいご発言には一理あるというのか…」と漏らした。菅義偉官房長官は「憲法解釈として法的安定性や論理的整合性は確保されているので違憲にはあたらない」と述べた。5日、衆院特別委で民主党辻元清美衆院議員は「3名違憲と言われたことを受けて、本法案は一回、政府は撤回された方がいい」と語った。中谷元防衛相は「現在の憲法。これをいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定をした」と回答した。4日に衆院憲法審査会で「安保法制は違憲である」と参加した3人の憲法学者が指摘した件を受けて自民党幹部は火消しに追われた。自民党役員連絡会で高村正彦副総裁は「憲法学者はどうしても憲法9条2項(「交戦権の否認」など)の字面に拘泥するということがある」と語った。また、別の自民党幹部は「憲法学者憲法の条文の方が、国民の生命と安全よりも大切な連中だ」と語ったという。3日、憲法学者らが、「安保法制は憲法違反」として廃案を求める声明を発表した。宮崎礼壹元内閣法制局長官も、憲法を改正しない限り、集団的自衛権の行使は認められないとしている。
 自民・公明・次世代推薦の早稲田大学邦楽学術院教授の長谷部恭男氏は「集団的自衛権の行使が許されるという点については憲法違反であると考えている」と4日に開かれた衆院憲法審査会で回答した。慶応大学の小林節氏と早稲田大学・笹田栄司氏も憲法違反であるという見解を示した。また長谷部教授は自衛隊の後方支援活動について、(他国の軍隊と)武力行使の一体化が生ずるおそれが極めて高くなるとしている。小林名誉教授は(武力行使の)一体化そのものと指摘。笹田教授は、大きな疑問を感じているとしている。
 スタジオでは、寺島実郎さんは「憲法を変えずに、解釈を変えて集団的自衛権という名で外国の戦争に参加するということを憲法学者が真剣に考えたら、それを認めては現行の憲法が存在する意義がないというところに行き着くのは非常に理解できる」と語った。湾岸戦争のトラウマや中国の驚異、アメリカに対する不安と不満がさらに背景としてあるということを寺島は語った。大宅映子さんは「日本国憲法では集団的自衛権は反するので、集団的自衛権にはかわいそうですが。しかし、今のは数を傘にきてというやり方はちょっとなあと思う。」と語った。安田菜津紀は「他国から攻められるかもしれないという想定で武力に走るということは相手を理解する道を断ってしまうということ。」と語った。涌井雅之は「やりたければ憲法改正の発議をしたらいいんです。」と語った。

◆「知研フォーラム」329号の内容は
 ①知研セミナー「2015年の世界潮流を読む」(寺島実郎
http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20150324/p1
 ②解説「トマ・ピケティ 21世紀の資本論」(八木哲郎)
 ③連載「読書悠々 戦後歴代総理編3」(久恒啓一) ほか

<今日の言葉>
●アーネスト・T・シートン(動物記)
 ・動物の心がわかる人とは、暴力に訴えることなく、動物に自分の考えを伝えることができる人のことです。

◆「季節のことば」(気象予報士 三ヶ尻知子)
 ①雨の速さは、時速およそ25〜35キロ
 ②落ちてくる雨の形は、お饅頭の形
 ③虹は、夏の夕立の後に東側の空に見える可能性が高い
 ④オススメのモノは「レインバイザー」

<6月7日生まれの先人の言葉>
●ポール・ゴーギャン(画家)
 ・芸術は、盗作であるか革命であるか、そのいずれかだ。
 ・文明とは、麻痺状態のことだ。
江見絹子(画家)
 ・水、火、土、風の四大元素が私の主要なモチーフを形成してきた。今後もそれらを統合したところにあらわれるであろう宇宙的な空間を目指してゆくことになるだろう。