太宰治記念館「斜陽館」と太宰治文学サロン。そして「生きるという事は、たいへんな事だ。」（太宰治）
＜６月１９日生まれの先人の言葉＞
●青木昆陽（蘭学者）
・金銀、平日は至宝なれども、饑寒（きかん）（飢饉や酷寒）の用をなさざれば、金銀を集むるは何の為にや。
●太宰 治（作家）
・人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また、「絶望」という観念にも同様にあざむかれる事がある。
・人間のプライドの究極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか。
*太宰治記念館「斜陽館」http://www.city.goshogawara.lg.jp/16_kanko/dazai/syayoukan.html
津軽の中心である五所川原からさらに北にのぼってやっと太宰治（1909年ー1948年）の生れ故郷の金木に記念館はある。太宰治記念館「斜陽館」 は悠然とした大きな姿を現した。太宰の父・津島源右衛門が建築した入母屋造りの建物で、１階１１室278坪、2階8室116坪、付属の建物や庭園などを 合わせると680坪の豪邸である。青森ではリンゴが有名だが歴史は浅い。昔から名物は青森ヒバである。明治40年（99年前）のお金で4万円というか ら、今の値段では7−8億円に相当する。この青森ヒバをふんだんに使った建物は造った人の豪気さがうかがえる。
館内には銀行、郵便局、喫茶室まであり、ふすまを取り払うと64畳の大広間に変身する４つの座敷、見事な欄間の彫り、物凄く立派な浄土真宗の大 きな仏壇などがあり、驚く。2階は手すりのついた階段から主として洋風に変わる。ため息が出るような家である。
県内屈指の素封家に生れた津島修治（太宰治の本名）は、小学校時代は首席・総代の秀才だったが、修身と操行は乙だった。意表をつく作文などが 目だったという。青森中学では1年次2学期から卒業までずっと級長をつとめていたが、茶目っ気も多かった。４修（５年の年限のところを４年で修了 する）で弘前高校へ入学する。芥川龍之介の講演を聞き尊敬をするが、一方で社会主義思想に共感を寄せたり、遊郭で遊ぶなど方向がぶれてくる。 ２１歳で東京帝大仏文科に入学する。この頃から小説修行として井伏鱒二に師事する。26才で授業料滞納により大学を除籍されるが、この頃芥川賞次 席となる。この年は石川達三の「蒼茫」が受賞。30歳では「走れメロス」を書く。北村透谷賞次席。一席は萩原朔太郎。32歳、新ハムレット。34歳頃 から他人の日記や史実、伝説などを取材した作品が多くなる。35歳、魯迅調査のため仙台医専を取材し「惜別」を書く。38歳、「斜陽」がベストセ ラーに。39歳、「グッド・バイ」、「人間失格」。そして玉川上水で山崎富栄と心中。
＊太宰治文学サロン http://mitaka.jpn.org/dazai/
このサロンは今年2008年の没後60年と来年2009年の生誕100年を記念して、三鷹市が、太宰が通った「伊勢元酒店」の跡地のマンションの一階にオー プンしたものである。三鷹駅から数分の便利なところにり、狭い空間だがきれいなつくりで案内してくれる人も知識が豊富で気持ちがいい。太宰治は 1909年生まれで39歳になる直前の1948年に玉川上水で心中をしている。1939年から死までの9年間を三鷹の下連雀に住み、「走れメロス」「斜陽」「人 間失格」など代表作の大半をこの地で書いた。三鷹から井の頭公園までの間には、太宰以外にも、山本有三、三木露風、武者小路実篤などの文人が多 く住んでいた。
太宰の遺体が発見された６月１９日は誕生日だった。この日は「桜桃忌」（おうとうき）と名付けられ太宰を偲ぶ会が今も墓のある禅林寺で催され ている。この名前は名作「桜桃忌」からとったものである。桜桃とはサクランボのこと。「生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がか らまっていて、すこしでも動くと、血が噴き出す。」という言葉が、この本の中にでてくる。生きにくかった太宰の心情が読み取れる言葉である。
◆口永良部島も連日噴火 浅間山 再び噴火
朝は鹿児島県の口永良部島で、夕方には浅間山で噴火が発生するなど、噴火が相次いだ。気象庁は浅間山の噴火について、今後も小規模な噴火の可能性があることから火口から約2km以内で噴石に警戒が必要であると注意を呼びかけている。
◆「集団的自衛権」きょうも論戦 憲法解釈「変更」で「徴兵制」は？ “国会前デモ”に若者が集結
国会では集団的自衛権の憲法解釈について今日も論戦となった。先日菅官房長官が挙げた「限定的な集団的自衛権は違憲でない」という立場の3人の憲法学者について、民主党・辻元議員が「3人がいずれも徴兵制は違憲だとする政府見解を疑問視している」と追求し、菅官房長官は「知りませんでした」と述べた。また辻本議員は「憲法解釈を変えれば徴兵制も可能になるのでは」と正したが横畠内閣法制局長官は「変更はあり得ない」とした。一方野党側は「限定的な」集団的自衛権は合憲とする理由を追求、横畠長官は集団的自衛権をフグに例え「肝を外せば食べられる」と語った。 “国会前デモ”に若者が集結した。国会前には数百人の若者が集まり、安保違法性に反対の声を上げた。SNSでの呼びかけや口コミの広がりで、デモ参加者は拡大を続けているという。15日に渋谷で行われたデモには5000人超が集まった。
◆安保法案と憲法解釈 整合性は “憲法に違反しない”憲法学者2人が会見。
安保法案と憲法解釈の整合性について関心が高まっている。きょうは憲法に違反しないと主張する憲法学者2人が会見を開いた。4日に行われた衆院憲法審査会では、3人の学識経験者全員がいずれも憲法違反にあたるという認識を示した。菅官房長官は違憲でないという学者もたくさんいると反論した。学者2人は、限定的な集団的自衛権の行使であり、憲法の範囲内だとする見解を示した。
