酉の市、そして津波防災の日

◆酉の市
 日は浅草の鷲大明神(神社)の「酉の市」。元来は「酉の祭」だったが、せっかちな江戸っ子が「祭」を「まち」と発音したのと熊手市が人気だったことから、いつしか「酉の市」に。熊手守を「かっこめ」と呼ぶのは、運やツキを「掻き込め」の意

津波防災の日
 2011年3月11日の東日本大震災を受けて同年6月に制定された「津波対策の推進に関する法律」にて制定。嘉永7年11月5日(1854年12月24日)、安政南海地震が発生し、南海道東海道を大津波が襲った。このとき、紀伊国広村で濱口梧陵が稲藁に火をつけて津波の襲来を知らせ村人を避難させたという実話を元に小泉八雲が『稲むらの火』という物語を執筆し、後に小学校の教科書にも掲載された。当初は東日本大震災が発生した3月11日を記念日とする案であったが、震災が起きて間もないことから、被害を受けた方々の心情を考慮して違う日附にされた。

◆郵政上場・成長戦略は描けるか。
 小泉劇場とも言われた郵政選挙から10年。郵政グループの株式がついに東京証券取引所に上場した。日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行の3社とも上場後、初値は売り出し価格をいずれも上回った。ゆうちょ銀行の預貯金残高は177兆7000億円。これは2位の三菱東京UFJの106兆5000億円を大きく上回る。かんぽ生命の総資産額は84兆9000億円、2位である日本生命の62兆3000億円をやはり大きく引き離している。日本郵政の子会社である日本郵便が持つ郵便局ネットワークは2万4000にのぼり、セブンイレブンの11万8000店を上回る。3社の初回売り出し額は1兆4000億円。株主は170万人を超える見通しとなり日本最大級の株主の多さとなる。日本郵政の純利益の大半はゆうちょ銀行とかんぽ生命の2社が稼ぎ出している。日本郵便も黒字であるが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命から多額の手数料をを受け取っているため。金融2社の民営化が加速すると、この手数料について株主側から引き下げ圧力がかかってくることが予想される。郵便事業はどのような成長戦略を描くのか。期待がかかるのは国際物流への展開。日本郵便は先日、豪トール社を買収した。大きな課題は、誰でもどこでも安い料金で利用できるユニバーサルサービスをどう維持していくのか。

<戦後にみる11月5日>
 1953年戦後初めての園遊会が行われる。1954年日本とビルマが「平和条約」「賠償・経済協定」に調印。1959年国鉄東海道本線・東京(汐留)・大阪(梅田)間で日本初のコンテナに専用特急貨物列車「専用列車「たから」の運行を開始。1962年歌手・美空ひばりと俳優・小林旭が結婚。後に離婚。1968年米大統領選挙で共和党リチャード・ニクソンが当選。1969年山梨県大菩薩峠周辺で武闘訓練合宿中の赤軍派53名を警視庁が逮捕。 1972年上野動物園で、日中国交恢復を記念して贈られたパンダ・カンカンとランランの一般公開を開始。初日の入園者約5万6千人1976年三木武夫内閣が予算編成で防衛費をGNPの1%以内とすることを決定。1985年日本プロ野球選手会労働組合としての法人登記。 1991年宮澤喜一が78代内閣総理大臣に就任し、宮澤喜一内閣が発足。1996年米大統領選で民主党ビル・クリントンが再選。クリントン 2006年元イラク大統領サッダーム・フセインに対し死刑判決。

<11月5日生まれの先人の言葉>
幸徳秋水社会運動家
 ・家の繁榮は決して切り取り強盗に依て得べからず、國民の偉大は決して掠奪侵略に依て得べからず、文明の進歩は一帝王の専制に在らず、社会の福利は一國旗の統一にあらず、唯だ平和なるに在り、唯。
 ・自家愛す可し、他人憎む可し、同郷人愛す可し、他郷人憎む可し、神國や中華や愛す可し、洋人や夷狄や憎む可し、愛す可き者の為めに憎む可き者を討つ、是を名けて愛國心と云ふ。
海音寺潮五郎(小説家)
 ・災難に遭遇しないのが最上の幸運なのに、人はこれを普通のこととし、災難にあって奇跡的に助かると、非常な幸運とする。
佐藤愛子(作家)
 ・男の涙は一筋、しかも風で乾かすべきものなのである。
 ・女にサービスすることを知っている男は何らかの点ですぐれた個性を発揮している人たちであり、心の余裕を持っている人たちである。