今日は冬至。かぼちゃと柚子湯。

◆今日は冬至である。冬至といえば、かぼちゃと柚子(ゆず)湯。もともと、冬至とは冬至(12月22日ごろ)とは北半球において太陽の位置が1年で最も低くなる日で、日照時間が最も短くなる。太陽の位置が1年で最も高くなる夏至(6月21日ごろ)と日照時間を比べると、北海道の根室で約6時間半、東京で約4時間40分もの差がある。1年で最も日が短いということは、翌日から日が長くなっていくということ。そこで、冬至を太陽が生まれ変わる日ととらえ、古くから世界各地で冬至の祝祭が盛大に行われていました。太陰太陽暦(いわゆる旧暦)では冬至が暦を計算する上での起点であった。江戸時代、日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の一陽来復(いちようらいふく)といって、冬至を境に運が向いてくると考えられていた。
 至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれていつそうだが、かぼちゃを漢字で書くと南瓜(なんきん)。つまり、運盛りのひとつであり、陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味している。江戸時代には、冬。にんじん、だいこん、れんこん、うどん、ぎんなん、きんかん……など「ん」のつくものを運盛り といい、縁起をかついでいた。運盛りは縁起かつぎだけでなく、栄養をつけて寒い冬を乗りきるための知恵でもあり、土用の丑の日に「う」のつくものを食べて夏を乗りきるのに似ている。「いろはにほへと」が「ん」で終わることから、「ん」には一陽来復の願いが込められている。また、冬至の行事食には小豆(あずき)を使った冬至粥があります。昔から小豆の赤は邪気を祓うと言われていますから、冬至粥で邪気を祓い、翌日からの運気を呼び込もうという意味ですね。冬至にこんにゃくを食べる地方もあるが、これを「砂おろし」といい、こんにゃくを食べて体内にたまった砂を出す。昔の人は、こんにゃくを「胃のほうき」「腸の砂おろし」と呼び、大晦日や節分、大掃除のあとなどに食べていたことの名残りでしょう。
 柚子(ゆず)=「融通」がきく、冬至=「湯治」。もともとは運を呼びこむ前に厄払いするための禊(みそぎ)だそうだ。昔は毎日入浴しませんから一陽来復のために身を清めるのも道理で、新年や大切な儀式に際して入浴する風習があった。冬が旬の柚子は香りも強く、強い香りのもとには邪気がおこらないという考えもあった。端午の節句の菖蒲湯も同様である。柚子湯には血行を促進して冷え性を緩和したり、体を温めて風邪を予防したり、果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果があるらしい。

<今日のニュース>
◆「和」を意識“新国立”隈研吾さん案を採用。
 隈研吾さんがデザインしたA案、伊東豊雄さんがデザインしたB案の2つで争われていた新国立競技場の建設について、政府は建築家・隈研吾さんや大成建設らが提案したA案を採用する事を決めた。遠藤五輪担当相によると、審査の結果はA案が610点、B案が602点と僅差だった。A案は地上5階・地下2階建てで、屋根にふんだんに木材を使用している。工費は約1490億円で、2019年11月末に完成を目指す。公表された審査結果の内訳を見ると、A案は事業費の縮減や工期短縮の項目で高く評価されていた。隈研吾さんは「木を使った日本らしさという事と、今の環境テクノロジー。その2つを合体したようなもので、世界に誇れるようなものにしたいと思います」と語った。

<今日の江戸検>
 金箔と色漆でまばゆいばかりの荘厳を施された成田山新勝寺の三重塔は、正徳2年(1712)の建立。新勝寺は「承平の乱」に際し、勅命により平将門調伏の祈祷が行なわれたため、将門を祭神とする神田明神の氏子は参詣してはならない、とする風習も。

<12月22日生まれの先人の言葉>
大槻文彦国語学者
 ・およそ、事業は、みだりに興すことあるべからず。思いさだめて興すことあらば、遂げずばやまじ、の精神なかるべからず。
塚原光男(体操)
 ・僕が開発した月面宙返りムーンサルト)以前は、回転とひねりは別々の技で、二つ同時の合体技は人間の身体能力では不可能とされていました。しかし、あの技以降、世界が合体技に向かい、いまの選手の技もその延長上にあるんです。このメダルは「人ができないことをやりたい」と思っていた子供のころの、夢の実現の証でもあるんです。
 ・誰かに勝ってやろうとか目立ってやろうという発想からじゃないんです。こんな技ができたら楽しいということに尽きるんです。
練習を楽しみ、技の開発を楽しみ、試合を楽しむ。この三つは同じくらい大切なことです。