今日は4月25日

<今日のニュース>
◆五輪新エンブレムは「市松模様」も… 個展やネットで発信”落選作”にも光を
 東京オリンピックパラリンピックのエンブレムが決定。4つの案のうち、市松模様をイメージしたものが選ばれた。エンブレム委員会の宮田亮平委員長は「公明正大に審査してきた」と話した。デザインした野老朝雄さんは「少し涼しげなものも良いのではないかと」と語った。市松模様は歌舞伎役者の佐野川市松が碁盤の目状の格子柄を着たことに由来する
 応募総数1万4599点の中から選ばれた野老朝雄さんの東京五輪エンブレムデザイン。その一方で、東京・新宿区では今回のエンブレム選考で落選した作品を展示する「落選展」が開かれた。これを手がけた彦坂尚嘉は「選考に落ちた作品でも公の場に出すことは重要」とした。落選展は19世紀の画家ギュスターヴ・クールベが開催したことでも知られ、審査への抗議を含む場合もある。自身のブログで落選したエンブレムデザインを集め「負けエンブレム展」を開催した西野亮廣は、自身にとっての大賞に自作品を選び「圧倒的に僕のが好き」と語った。また「負けエンブレム展」開催理由について「すばらしい作品があったらスポットを当てたいな」とも話した。
チェルノブイリ 事故から30年 終わらぬ闘い
 986年にチェルノブイリで起きた事故から明日で30年になる。チェルノブイリでは原子炉そのものの爆発もあり、福島の5〜10倍の放射性物質が放出された。事故により放出された「セシウム137」による土壌汚染は、ウクライナベラルーシ、ロシアなどヨーロッパ各地に広がったと報告されている。4号炉の内部の放射線値は1時間あたり500ミリシーベルト以上、日本で一般の人が1年間に受けても差し支えないとされる被ばく線量を約7秒で超える程の高さ。原発事故への対応を困難にしたのが、事故の5年後に起きたソビエトの崩壊。原発事故の処理は旧ソビエトに代わりウクライナ政府が担うも、政治・経済の混乱で十分な対応できず、廃炉への道筋は今も見えていない。さらに事故直後に突貫工事で作られた建屋が老朽化し、放射性物質が漏れ出す危険性が増している。
 放射性物質を閉じ込めるために巨大な構造物で建屋を覆う計画が、ウクライナ政府が財政難の中、費用の大半を日本や欧米などが負担して進められている。危惧されているのは、事故後に生まれ育った子どもたちの健康。政府は土壌が汚染された地域に自発的な移住を呼びかけているが、今も6万5千人が暮らしている。この地に住む一家は、事故から数年後に妻が甲状腺に障がいを抱えた。事故から19年後に生まれた娘は生後半年で脳腫瘍と診断された。これまで3回の手術を受け、小康状態を保っているが、手術の後遺症で左目を失明した。原発事故の前と後では、14歳以下のがん発症率は6倍になったという。ウクライナ政府も、事故による放射線が骨格の変形やホルモンバランス異常などさまざまな病気の原因になっているとしている。政府から薬の補助はない。広がる健康不安と、道筋が見えない廃炉問題。事故から30年が過ぎてもチェルノブイリの問題は解決されないまま。