寿老人を祀る神社が近くにないため、「白髭」の名に目をつけて寿老人に祭り上げた。これで、隅田川七福神。

隅田川七福神
・由来
 暮らしにくい世相であればなおのこと、たとえ太平の世の中であっても、福の神を崇め、いっそうゆたかに、心楽しく生活できるよう祈念することは、古くから人びとの間に持ち伝えられている心情ですね。ことに恵比寿、大黒(國)、布袋尊、弁財天、福禄寿、寿老人(神)、毘沙門天と七体の神仏聖人が組み合わされ、七福神として瑞祥の象徴となったのは、室町時代以降である。隅田川七福神めぐりのように、新春、その年の幸福を願って七福神を巡拝する信仰行事の形ができあがったのは、町人文化が深く社会に根を降ろした江戸時代の終わり頃になってからであり、まさに舞台もこの江戸でした。隅田川七福神のある墨東の向島 あたりは、市中から日帰りのできる行楽地として、四季を通じ、多くの江戸市民が訪れた。また、文人墨客と呼ばれる風流文雅の通人たちの中でも、当時一流の亀田鵬斎、大窪詩仏、酒井抱一、太田南畝、村田春海、巻菱湖、石川雅望、加藤千蔭などはこよなくこの地を愛した人達であった。
 文化元年(一八0四)に百花園(向島百花園http://d.hatena.ne.jp/ks9215/20160129#p1)が開かれるについても、園主佐原鞠塢(きくう)を援けて、それら多くの人たちがわれもわれもと力をかしたもので、百花園は文人墨客の集まる風雅な場所としてたちまち有名になった。百花園園主鞠塢は福禄寿の陶像を愛蔵しておりましたが、ある初春の一日、百花園で風流にひたっていた文人たちが誰ともなく、その福禄寿にちなむ正月の楽しみごとはないものかという話になった。隅田村多聞寺の本尊は毘沙門天、須崎村の長命寺に弁財天がまつられていることがわかると、何とか七福神をそろえたいものと頭をひねり、詮索を重ねていくうちに、小梅村の三囲稲荷には恵比寿・大國の小祠があり、また、須崎村の弘福寺には黄檗禅に関係の深い布袋和尚の木像を蔵することが判明した。残るは寿老人であった。百花園のある寺島村の鎮守白鬚明神 は、白鬚という以上、白い鬚のご老体のお姿であろうから、寿老人(神)には打ってつけだと、いかにも江戸人らしい機知をはたらかせ、ここにめでたく七福神がそろった。隅田川七福神のひとつ白髭神社は白髭大明神を祀る地元の鎮守で、本来は七福神とは無関係であり、近くの向島百花園に集う文人墨客連が七福神巡りを企画したが、寿老人を祀る神社が近くにないため、「白髭」の名に目をつけて寿老人に祭り上げたのが真相のようだ。
 七福神をまつる社寺を巡りながら、それぞれの御分体をうけて宝舟にのせていく趣向も、まことに江戸の風流人らしい発想といえよう。隅田川七福神めぐりの道順を略記すると、まず言問橋上流の土手下にある三囲神社(恵比寿・大國)から、社前の通称向島見番通りを真直に北に進むと、左側隅田公園寄りに大きな山門のある弘福寺布袋尊)に至り、すぐ隣接して長命寺(弁財天)がある。ここから墨堤を約五百米ほど行って地蔵坂を下り、左に折れると百花園(福禄寿)です。また墨堤畔に出て白鬚神社(寿老神)に詣で、再び堤上を北へ。白鬚橋の交差点を過ぎて、墨堤に沿って道なりに北に進み、左に白鬚防災団地、梅若塚や榎本武揚像をのぞみながら、鐘ヶ淵紡績工場の跡地(グラウンド)で右に曲がると多聞寺(毘沙門天)です。最近は、多聞寺から三囲神社へと向かう、川上からの道順をとる方も多くなっている。なお、七福神の御開帳は元旦より七草(7日)。百花園の開園時間は、午前九時から午後五時となっているようだ。

寺島実郎さんの語る「日本経済」とは

IMFの世界経済見通し。 ◦世界全体:3%台の成長と好調だが、やや減速。
アメリカ:2.4%成長と堅調だが、ややかげりも。
◦ユーロ圏:1.6%とまずまず。
◦BRICKS:ブラジル-3.8%、ロシア-3.7%、中国6.9と低調。インドは7.3%と好調。
◦アセアン5:4.8%以上と好調。
◦日本:2014年0.0%。2015年0.5%。2016年0.5%。2017年-0.1%(消費増税)。2018年0.4%。ずっと低迷。金融・財政を動員したが、実体経済は動かなかった。

●日本経済:経世済民。 ◦所得。 ◾勤労者世帯可処分所得:1997年49.7万円と最高。2000年47.3万円。2015年42.7万円。1997年比較で月7万、年84万の減少。2000年比較で月4.6万の減少。
◾2%の消費税アップは年7万円の負担増となる。
◾1997年対比では年間91万円の減少。
◾急速な貧困化の進行。中間層の没落。
◾製造業-286万人・建設業-153万人。広義のサービス業+583万人。就業人口の産業間移動により失業率は4.7%から3.4%へと良くなったように見える。
◾しかし、広義のサービス業の現金給与総額平均は年359万円。kれは製造業比較で-92万、建設業比較で-97万。特に就業人口が増えた医療福祉・宿泊飲食業は年252万円で、製造業比較-199万、建設業比較ー204万と所得は極めて低い。

●消費。 ◾2000年から2015年。
◾全国世帯-29955円(マイナス3万円)。増加:諸雑費+3531円。通信費+3258円。自動車関係費+1912円。健康関連費用(保健・医療・サプリ・薬)は増加。減少:小遣い-11914円。交際費-7870円。交通、酒、外食が減少。動かなくなった。授業料・仕送り・教養娯楽・書籍・教養娯楽・補習教育などの教育関係費も軒並み減少。学ばなくなった、学べなくなった。
◾衣:マイナス26%。大幅減少。この中でユニクロは8倍増。国内844店・国外890店、一気通貫モデル。アオキ、シマムラも。
◾食:マイナス2.8%。横ばい。スシロー。
◾住:マイナス13%。しかしニトリは好調。
◾デフレ化と貧困化の中でも勝者はいる。

アベノミクスとは何だったのか。
◾3年間:異次元金融緩和と株価重視がアベノミクス
◾異次元金融緩和:マネタリーベース:2010年98兆円。2012年121兆円。2016年1月355兆円。2016年4月381兆円。4倍近い。
◾銀行の貸し出し残高:2010年396兆円。2012年397兆円。2016年434兆円。9.3%しか増えていない。企業は未来への投資をしrていない。
◾株価:投入される資金量に比例。外資の参入により2012年9108円が2016年5月現在で16000円台。
実体経済:家計は2012年42.5万円、2015年42.7万で、動いていない。国民には恩恵は無かった。
◾企業経営:経常利益:201年43.7兆円、2014年64.6兆円。企業は儲けている。費用:人件費は増えていない(2010年194.8兆円、2014年195.9兆円。労働組合の組織率17%を割るなど減少)。設備投資:増えていない(1990年以降右肩下がり。2010年33.1兆、2014年39,8兆)。内部留保:増えている(2000年4.8兆、2010年10.4兆、2014年24,4兆。ストックは360兆円)。配当金:徐々に増えている。株主1位は外資、2位日銀、3位日本生命。2000年2.8兆、2010年9.1兆、2014年16.9兆、2015年20兆円?。
◾海外生産比率:1985年8.7%、2014年38.2%。4割近くが海外生産、グローバル企業化へ。

●異次元の高齢化 ◾1996年1億人、65歳以上7%(700万人)。2008年1.28億人、65最上26.7%(3384万人)、80歳以上7.9%(1002万人)。20140年代後半1億人、65歳以上40%(4000万人)。
◾シルバー・デモクラシー:人口の4割は65歳以上へ。有権者の5割。有効投票の6割が65歳以上へ。老人の老人のための政治に。

●豊かさ:一人当たりGDP:シンガポール5.3万ドル、香港4.2万ドル、日本3.2万ドル(円安で縮小)、韓国2.7万ドル、台湾2.2万ドル。これらは日本のかつての旧植民地ゾーン。

●サービス産業の高度化が課題。
◾観光の産業化。入国1969万人、これを3000万人、4000万人に。
農水省:フード・アグリ・景勝地ミシュラン格付け認定。経産省:ホテル業の高度化(マリオット一色の世界。モルモン教。リッツ、ウェスティンも傘下。