海雲寺

<今日の江戸学トピック>
◆海雲寺とは
 品川と聞くと都心のイメージが強いが、実はたくさんのお寺がある地区でもある。その中でも、有名な寺の一つが海雲寺である。東京都品川区にある曹洞宗の寺院。品川で江戸時代からかまど(竈)の神様、台所の守護神として多くの人々から信仰されてきた「千躰荒神」を祀る寺として知られている。建長3年(1251年)に開かれた。ご本尊として十一面観世音菩薩が安置されており、また千躰三宝荒神王が鎮守として祀られており、”品川の荒神さま”として古くから親しまれてきた。火と水を守り神として、 台所に荒神様をお祀りすれば一切の災難を除き、 衣食住に不自由しないそうだ。江戸時代から続く、年に2回の千躰荒神の大祭が行われ、毎年3月と11月に行われる大祭。千躰荒神王が御開帳となり、御利益をいただくため家内安全、火災消除、商売繁盛を祈願して護摩修行が行われます。僧侶がゴマとともにお焚き上げをする独特のスタイルで見ごたえがあり、毎年たくさんの参詣者で賑わう。かまどにちなんだ縁起菓子「釜おこし」も人気。実は、今日27日と明日28日(月)、千躰荒神秋季大祭が行われる。
 海雲寺のそばには、江戸の末1860年頃、近くの鈴ヶ森刑場の番人だったとされる平蔵のお地蔵さまが奉られている。この「平蔵は、大金が入った財布を拾うのですが、そのお財布を誠実に落とし主へ返します。しかし、平蔵はその正直さゆえに仲間から裏切られ亡くなった」といわれている。その平蔵の損得勘定のない清らかな心に感銘を受けた人々がお参りしているそうだ。