『業界No.1が挑む!ベトナムの「食」市場 』

◆経済成長を続けるベトナムで今、爆発的に売れている日本の菓子があるという。街の人に聞いてみると、サクサクの食感や一度食べたら止まらないなどの意見を聞くことができた。地元のスーパーを覗いてみると、山積みになっている「ICHI」という菓子があった。日本円で75円で、中身は揚げ煎餅。年間売り上げは20億円超と国民的ヒット商品となっている。「ICHI」の袋にはローマ字で「KAMEDA」とかかれている。ベトナムで今、爆発的に売れている日本の菓子「ICHI」は、日本一の米菓企業「亀田製菓」の商品だった。ヒットの仕掛け人は、亀田製菓の大塩浩一だった。ベトナムはコメ消費量が世界第4位で、煎餅の材料であるコメに馴染みがあることが「ICHI」がヒットした理由のひとつのようだ。。
 亀田製菓ベトナムに進出したのは1996年。亀田製菓はまず、「SAKU SAKU」という商品をベトナムで販売。価格は日本円にして10円だったが、当時のベトナムでは1食にかける値段と同じで売り上げは低迷し、亀田製菓は1999年にベトナムを撤退した。リベンジすべく再進出したのは2013年で、材料を日本のコメに変えることで食感を良くし、さらに当時のベトナムでは珍しかった揚げ煎餅で勝負。さらにベトナム人はハチミツが必需品だったため、味付けは醤油とハチミツで行った。こうして「ICHI」は、発売以来23億枚を出荷された。亀田製菓ベトナムで、「焼き煎餅」のヒットを狙っていて、会議室では日本人スタッフとベトナム人スタッフが、試食をしながらベトナムで販売する焼き煎餅について相談をした。
 鎌田靖は今日のテーマについて、「日本式で挑む!ベトナムの食市場」などと述べた。また鎌田は、「ベトナムで煎餅が食べられるようになった要因は、ドイモイ政策による急速な経済成長です」などと述べた。
 ベトナム人の朝食の定番は、コメから作られた麺でできている「フォー」。さらにもう1つベトナム人の朝食に欠かせないのが、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」だという。経済発展著しいベトナム第2の都市ホーチミンには、ベトナム経済発展の象徴「ホーチミン高島屋」がある。ベトナムホーチミンにある「ホーチミン高島屋」のデパ地下はベトナム人に大人気で、和菓子屋「源 吉兆庵」の「梨宝果」などが販売されている。「ホーチミン高島屋」のデパ地下には、山崎製パンのベーカリー「ヤマザキ」があり、2016年にベトナムに進出したという。「たくさんの種類から選べる」、「焼きたてパンが買える」、という日本式のスタイルがベトナムにはまだ少なく、人気を呼んでいる。一番の売れ筋商品は、生地にジャガイモを練り込んだ「ハワイブレッド」で、1日180個売れるという。食パンについては、「自分の好みにスライスしてもらう」という習慣がベトナムにはないため、スライスのサービスについて丁寧に説明したパネルを作るなど、工夫をして販売しているという。ベトナムヤマザキ売れ筋BEST15を紹介。「1位はハワイブレッド、2位はチーズ蒸しパン、3位はあんパン」だった。鎌田靖は食パンの歴史について、「ロバート・クラークという人がパンの製法を日本人に引き継ぎ、戦後に学校給食で全国に普及した」などと述べた。また鎌田は、「ベトナムにはトースターを持っている人が少ないため、食パンが広まりにくい。そこで山崎製パンは、トースターを使った実演販売を行う作戦を立てています」などと述べた。那須塩原市(栃木)にある小さなパン屋さん「パン・アキモト『きらむぎ』」は、ベトナムにいち早く進出し「GOCHI PAN」というお店を展開。「GOCHI PAN」は今では、地元に根付いた人気のパン屋さんになった。現地にパン・アキモトの社長が視察におとずれ、「この設備の中ではよくやっている」などと述べた。「GOCHI PAN」で働くタオさんには、「将来自分の店を開きたい」という夢があるという。ゴチパンではこの日、ある事件が起きた。パン・アキモトの社長「秋元義彦」はゴチパンの従業員を集め、「カレーパンの形が悪いと思ったんだけど、どう思う?」と従業員にたずねた。大部分のパンは順調に売れたが、カレーパンなど油で揚げたパンが売れ残っていたのがその理由だ。秋元は従業員たちの揚げパンの作り方から問題点を見つけ、作り方についてアドバイスをした。ゴチパンはベトナムに2号店もオープンしている。宮崎美子は「パン・アキモトの社長は、ベトナムにパンを広めるのに大きな役割を果たしていますね」などと述べた。鎌田靖は、「日本のパンはレベルが高く、日本にパン作りを学びに来る外国人が増えています」などと述べ、片渕茜は「パン製造が学べる東京製菓学校に聞いたところ、パン学科の42人中外国人留学生が22人だそうです」などと述べた。
 SHELLYは、「ベトナムの食を通して、ビジネスチャンスが色々見えてきましたね」などと述べた。鎌田靖は、「ベトナムはポスト中国といわれていて、製造業の工場移転が活発になっています。日本が守り続けている農業にもチャンスがあると言われていて、ベトナムの首都から100kmほど離れたナムディン省と言われる場所では、『あきさかり』というお米がつくられています。今後はブランド力をいかして現地市場を開拓していくそうです。コメを作るだけではなく、現地で加工して付加価値を付けるというのがポイントです。日本の農業が生き残っていくヒントにもなると思います」などと述べた。