辛坊 治郎さんが切り込む辛坊訓

◆『辛坊訓日々のニュースは教訓の宝庫』(辛坊治郎・光文社)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334977197/mag06-22/ref=nosim/
・メディアが発信する情報の中で、辛坊さんのコメントは、鋭いツッコミもさることながら、その解説も率直でわかりやすいので、出演している番組も見ることも多い。報じられるニュースの裏側を辛坊さんならではの視点で、切り込んでいる。本書でとりあげられているニュースも、尖閣問題から生活保護における課題まで、幅広く、馴染みのあるものが多い。それらニュースの背景や、報じられなかった事実とともに、改善策や代案も絡めて解説してくれる。もちろん、内容によっては、『それは、ちょっと…』と自分でツッコミを入れたくなるところもあるが、それこそ、本に引き込まれている証だかも。メディアに出ている人がニュースの裏側をどう見ているかという“視点”を学べる点も良い。本書は竹島問題、橋下徹生活保護問題等をこ気味よく語る。遠慮すべきことも遠慮しない。
<文章を抜き書きしてみると>
・2012年の著作である。まさに、2012年は橋下大阪府知事と中国が大暴れしている年です。橋下徹さんは、命を狙われていたことがわかります。最終的に、橋下さんの大阪都構想住民投票で否決されましたが、これも大阪らしいところ。なぜなら大阪の10%弱は生活保護受給家庭で、さらに年金受給者を入れれば、ものすごい勢力だからです。「本番中にスタジオの四隅にSPが陣取ることは日常の風景ですが、本番前に警察が爆弾チェックに来たのは、橋下大阪府知事(当時)が初めてです。当然、彼に対する攻撃は自出から下半身に迄及びます(p40)」
●皆さん、喧嘩をする時の最大の心得は何だと思いますか。答えはただ一つ、「負ける喧嘩はしない」です(p48)
大阪市全域で13世帯に1世帯が生活保護受給家庭で、西成区に至っては4人に1人が生活保護で暮らしています(p67)
貿易赤字が続くと大変なことが起こる。・・ついに、日本の貿易収支が年間トータルで赤字に転落してしまいました(p161)
●なんで高速道路はこんなに高くなってしまったのか。それは、儲かる高速道路の売り上げを利用してほかの高速道路を作りつづけるシステムを政治家が作り上げ、・・誰も使わない道路を作りつづけてきたからです(p179)
●オウムに限らず、新興宗教が信者を集めようと思ったときに使う手口・・それは、弱っている人、ウブな人を狙うことです。よくある手口が、病院の前などでパンフレットを配る(p194)
●大勢の命を預かる大型の高速バスに衝突防止装置の装備を義務付けるのは当然でしょう。(p217)
・・中国の尖閣諸島への海洋監視船の領海侵入は今も続いています。「中国が暴走中です。尖閣諸島の周辺の日本の領海に海洋監視船を集団で乗り入れさせたり・・ベトナム排他的経済水域内でベトナム漁船が中国艦船から銃撃される事件が毎月のように発生している問題です(p272)」


<9月4日生まれの先人の言葉>
●丹下 健三(建築家)
 ・機能的なものが美しいのではない。美しきもののみ機能的である。
中鉢良治(元ソニー社長)
 ・52歳で執行役員になりました。そのとき、「もし役員でなくなったら、俺に何ができるか」と不安でした。「俺にしかできないという仕事の選択肢が2つ、3つは欲しい」。そう考えて、環境問題、品質問題ならだれにも負けないということを見つけたときには、憑き物が落ちたような解放感がありました。
 ・死にかけたおかげで、あまり怖いものがなくなったような気がします。すーっと欲が抜けたような感じがしました。